top コラム推すぜ!オリンパス第26回 最短撮影距離30cm。「マクロ」撮影を可能にした!「オリンパスXA4」

推すぜ!オリンパス

第26回 最短撮影距離30cm。「マクロ」撮影を可能にした!「オリンパスXA4」

2024/05/09
赤城耕一

ぱっと見はXAと区別つきづらいですね。同じコンセプトですから当たり前ですが、ウチのXA4くんはXAよりもキズだらけでヤレておりました。思い出しました。一時、よく一緒に連れまわしたんですよね。

 

はい、オリンパスとの戯れの時間が今週もやってきました。GW明けですが、みなさん会社を辞めることなく出社されていますか?
 

今回はオリンパスXA4、いや正確にはXA4マクロなのかな。面倒だからここではXA4で押し通しますが、そのお話をします。
 

XA4は1985年発売です。うちにはXAとXA4しかないので、XAシリーズのお話は今回でおしまいになります。XA2はXAよりもレンズ性能がいいとか、XA1は廉価機で固定焦点なのに、想像以上によいという話は、探していただくか、ご自身でお確かめください。すぐに情報は出てくるんじゃないかなあ。

 

XAシリーズはバリアを閉めてしまうと見分けがつきづらいですね。間違えてしまいそうです

 

XA4のウリは正式名称にあるように、マクロ領域撮影であります。XAでは絞り設定レバーだったのは、距離設定レバーになりました。そうゾーンフォーカスであります。AFはまだ採用されていません。

 

距離設定は0.3/0.5/0.7/1m/3m/∞の任意の位置で合わせて使いますが、なんか細いけど少しテキトーな感じもします。もちろん撮影距離が近いと、被写界深度は浅くなりますけど、3m表記が赤色なのは、いわゆる常焦点位置というヤツで、ここに合わせておけばフツーの撮影はまず失敗しないということですね。

 


絞り目盛りだったところがF値設定目盛りです。マクロなんで細かい距離設定が用意されたわけです。ストラップの長さを使用して距離設定します。

 

カメラのバリアを閉じて、再び開くとレバーが3m以外の位置にセットしてあっても、3m位置に自動的に戻る仕組みが採用されております。28mmだから被写界深度が深く、日中晴天下なら、まず失敗はなかろうというユルい考え方ですが、意外と失敗を防ぎますね。
 

マクロ名がついているんだから最短撮影距離0.3mなんだけど、測距装置を持たないから正確にピントが合わせられねーじゃんと思うかもしれませんが、往時のオリンパスは粋ですよね。
 

同梱のストラップをもっとも短くした状態が0.3mという位置になったような記憶があります。ストラップをカメラ側にして、被写体に届く先端位置から距離を測ろうというわけであります。超絶アナログです。だいたい合っていればいいという考え方かなあ。

 


XA4専用ストラップです。同梱されています。マクロ領域ではストラップの長さで距離を測って距離設定します。一番短い状態で0.3mのようです。筆者は自分の腕の長さを測って目測設定することがあるのですが。

 

ストラップ指標はあと0.5mと最長に伸ばして、0.7m設定だったかなあ忘れました。でも被写界深度がもともと深いわけなので、日中晴天下ならそこそこ被写界深度内に入るんじゃないですか。ただ、本機はプログラムAEしか設定できないので、絞り値がどう動いて設定したかわからないんですよね。だから明るさの違いで被写界深度がうまく応用できるものできないものが出てきそうです。「あまり固いこと言うな」ですか?そうですよね。粋じゃないんですが、いちおう言っておかないとね。登場から40年を経るカメラに文句言っても仕方ないんですけどね。
 

それよりも搭載レンズ、ズイコー28mm F3.5ですが、これね周辺の画質捨ててますね。とくに至近距離では性能落ちます。周辺減光なんてもんじゃないです。筆者はレンズ性能にうるさいように見えるかもしれませんが実はユルユルです。

 


感度設定は1段ごとですから少々粗いですね。DXコードのあるパトローネではISO感度位置がどの位置にあっても関係ありません。DXポジションをつけ忘れたんじゃないかなあ。下部レバーはフラッシュ用スイッチです。

 

だいたい写っていればOKみたいなところがありますが、このXA4のズイコー28mmは、けっこうざけんなよーとなりましたね。XAも大したことなかったけどね。
 

このクラスのカメラはサービスサイズプリントしか伸ばさない人が多いからと、四隅の画質なんかわからねえだろうとか思ったんじゃないよね?

 


巻き戻しクランクのシャフトにはXAの初期型にはなかった白いマークが刻印されました。手巻きのカメラですから、クランクの回転を認識しやすくしたんでしょう。

 

状況によっては四隅がフードでケラれたんじゃね?みたいな感じで写ることがあります。同じスペックのOMズイコー28mm F3.5なんか、世界を突き抜けるくらいよく写るのにさ、XA4のこのざまはなんでしょうか。その差異の大きさに喫驚します。「ズイコー」名が泣くぜ。と、発売から40年を経たカメラに文句言っても仕方ないけどね。

 

本機は搭載されはじめたDX対応になっています。ISO感度設定ダイヤルはそのままなんですよね。

 

つまり、DX対応パトローネのフィルムはISO感度ダイヤルがどの位置にあろう(DXポジションがない)が、自動ISO感度設定になりますが、それ以外のDX非対応のパトローネは手動設定せよということのようです。この当時はフィルムDXの黎明期だったみたいですね。
 

裏蓋には日付写し込みができるようになっていますが、現在の日付には対応できないんじゃないかなあ。裏蓋内にバッテリー室がありますが、バッテリー入れたことないですね。

 

筆者は、はたと思い立ち、パトローネのDXに絶縁テープを貼り、あえてDXを不能にして、手動感度設定ダイヤルを利用して露光補正のために使いました。とくにラチチュードの狭いポジフィルムには有効になりました。細かいコントロールができてよいですね。ええ、露光補正量は勘になりますけどね。ないよりはマシであります。

 


底部にあるレバーはXAゆずりです。+1.5は逆光補正に使います。あいかわらずテキトーですよね。あとはバッテリーチェックとセルフタイマーですね。

 

本機にも着脱式のA11フラッシュが同梱されていました。たしか記憶ではXA4のキットには乳白のワイドパネルがついていたような記憶がありますが、すでにこれは紛失しとります。ワイドパネルは28mmの画角をカバーするほか、マクロ撮影時にも有効とされておりますが、これ、有効なのかなあ。発光部が真横の位置では、お話にならないんじゃないですかねえ。あまり固いこと言うな。ですか、そうですか。これ以上はヤメときます。
 

そういえばXAの時に話忘れたんですが、XAのシャッターボタンってストロークがほとんどないほど軽く落ちたんですよね。触れると落ちるみたいな。フェザータッチシャッターでしたっけ?それでよく暴発したわけです。
  

シャッターボタンは大きくていいですね。赤い色なのは、アグフアのコンパクトカメラあたりを意識しているのかしら。ストロークはXAよりも少し深くなりましたから、多少暴発は防ぐことができます。

 

今はフィルムが高価ですからシャッターが暴発すると腹立たしいですよね、1コマ無駄になるわけですから。それにシャッターストロークが短いとシャッターチャンスを捉えるのが逆に難しくなったわけです。コンタックスRTSの真似したんですかねえ。このためにシャッターボタン半押しでチャンスを待つ。みたいなことができないわけです。
 

でもXA4は少しシャッターストロークが深めになったので、さほど違和感がなくなり、使いやすくなりました。

 


 

XA4で撮影した写真は画面中心部はそこそこというか、かなりシャープな描写をします。画面周辺は光量落ちが認められますし、像が流れる場合がありますが、このほうがレンズの味わいがあるぜ。というあなたのためにXA4はぴったりです。今後の健闘を祈りたいと思います。

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