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第25回 1979年の当時大きな話題になったコンパクトフィルムカメラ!「オリンパスXA」

2024/05/02
赤城耕一

XA登場した時はPENよりスゲーとか思いましたけどね。すぐに購入しました。アルバイト代をはたいて。デザイン美しいです。米谷さん、今からあらためて表彰したいです。そう遠くないうちにお会いできるでしょうから大丈夫か。

 

OMの話が続いて疲れたので、ここで少しお休みして、1979年の当時大きな話題になったオリンパスXAの話をしますね。
 

筆者は今回は無責任なことを言いたくなりました。コンパクトフィルムカメラ好きの方は一度、XAをお使いになってみるといいのではないかと思うからです。

 


カプセル閉めました。特に強いロック機構はありません。あ、逆光補正レバーをしまい忘れて撮影しました。すみません。これから気をつけます。

 

現在の世の中で、どのくらい完動のXAボディがあるのかはわからないけれど、少なくとも修理不能のコンタックスT2に多額のお金を支払うより、XAを入手して楽しむほうが、コンパクトフィルムカメラの楽しみとというか、当時の存在意義を見出せるのではないかと考えるからです。万が一壊れると修理は難しいのですが、コンタックスT2よりは傷が浅いんじゃないですか。そういうものでもないかしら。あ、くれぐれも自己責任でお願いしますが、おそらくうちに今ありますXAくんは壊れるたびに買い替えて3代目くらいだと思うのですよ。以前はウルトラ安かったんです。今は知らんけど。
 

XAのデザインは他に類を見ないカプセル型であること。タマゴを半分に割ったような出っ張りがかわいいですよねえ。とてもコンパクトで、35mmフルサイズのカメラとは思えないくらいです。今さらハーフでもあるまいということなんでしょうね。でも今から新品のハーフサイズのカメラを作るメーカーがあるんでしょ? ご苦労さまです。

 

また本機はキャップレスカメラの草分けとしても有名です。タマゴみたいなスライド式のレンズバリアを開くと、レンズが現れます。キャップレスのコンパクトカメラは「リコーFF-1」(1978年)に次ぐものでしょうか。この後、他のメーカーのコンパクトもキャップレスをパクるところが多くなりました。ったく恥ずかしくないのかねえ。

 


フィルム感度指標とかも手抜きないですよね。カチカチいいますけどね。設定した感があっていいのです。DXじゃないから露光補正に使えるし。

 

XAの外装素材はプラスチックなんですが、質感はそれなりに高級感があることも注目点です。専用ストロボは着脱式となっていますが、これもまた“米谷イズム” を感じるところであります。

 

搭載レンズはFズイコー35mm F2.8です。焦点距離が正確に35mmというところも熱いですね。レンズまわりにはISO感度、距離の設定目盛りがあり、フォーカシング用のレバーが下部にあります。驚いたことに、小さいサイズなのに、二重像合致式の距離計を内蔵しており、正確なフォーカシングを可能にしています。もっとも正確といえど、これは搭載レンズが35mmの広角であり、被写界深度が深いということを前提としております。

 


A16スピードライトを装着。ガイドナンバーは16(ISO100)ですね。本来はA11というのが用意されてまして、こちらの方が小さいのですが、壊れてしまいまして、中古カメラ店でA16が単体で売られていたので購入したというわけです。めったに使うことはありませんが、光るものが光らないとイヤなんです。 

 

露出制御は絞り優先AEですね。絞り設定はボディ右側のレバーをスライドさせて行います。なんと最小絞り値はF22になっています。ストロボ使用時はレバーを一番上に上げることになりますが、制御はF2.8開放絞りで行われるようです。外部調光ですから、フラッシュマチックではありません。ちなみにファインダー内には設定絞りに応じたシャッタースピード表示が指針で示されます。これはすごいですね。よく入れたよなあ。これだけで感動です。まるでOM-2だぜ。針が健気な動きでシャッタースピードを示すさまに落涙を堪えるのが大変くらいなのです。

 

露出補正はボディ下部のレバーを引き出すと+1.5EVの補正が行われます。逆光対策なのかな。もし本気で露出補正を行う撮影をするならば、ISO感度設定ダイヤルを用いて、感度を変えるという手段もあります。XAにはまだDXコードが採用されていませんので。ものレバーはセルフタイマーとか、バッテリーチェックにも使われます。すげー。

 

ボディ底面です。セルフタイマー、バッテリーチェック、+1.5の逆光補正ポジションがありますね。なんで逆光だと+1.5なんだろう。+0.7かもしれないのに。というツッコミはしないでください。

 

XAはこの当時のコンパクトカメラに多い、ゾーンフォーカスを採用していません。つまり、二重像合致式の距離計を内蔵したこと、絞り優先AEであることは、ある程度写真の知識がある人が使用しても満足してもらいたい、あるいはOMのサブカメラとして使ってもらいたいコンパクトカメラなのだという思想を持っているわけですね。
 

ただ、絞り表記のF5.6は赤色、距離指標の3mを赤色としているところをみると、ビギナーの方はそれぞれの赤い数字に合わせておけば、まず失敗なく撮影することができますよということが言いたいのかもしれないですね。そんなことじゃXAのポテンシャルは引き出せないけどね。

 


最小絞りなんかF22までありますよね。F22なんか誰も使わないと思うけどね。世界は広いから8人くらいは使っているかもしれんけど。

 

実際の写りはどうでしょうか。これね、搭載レンズには「ズイコー」名がついてますけど、正直、大したことないですね。
 

カメラがコンパクトすぎたからでしょうか、光学設計に無理があるようです。コントラストがあまり高くはなく、さらに周辺の画質がいまひとつなのであります。絞れば若干改善はされますが、ズイコーらしい硬さとか力強さを感じないのはどうもなあ。今から設計し直して新しいXA作ってください。 

 

本機の後継であるXA2では搭載レンズの開放F値がF3.5と抑えられたこともあるのか、こちらのほうが性能がいいとか言われてました。ただし、XA2はゾーンフォーカスになりましたから正確なフォーカシングにはキツいですね。どちらを選ぶかは悩ましい。筆者はXAを選びましたけどね。オトナですからね。

 

フィルム感度指標とかも手抜きないですよね。カチカチいいますけどね。設定した感があっていいのです。DXじゃないから露光補正に使えるし。

 

XAはキャップレスであること、すなわちハダカのままポケットに入れても問題ないとする考え方であり、いつもカメラと共にありたいという人のために生まれたのでしょう。何か目の前で起こったらバリアをずらしてサクっと撮ることができます。
 

でもね、うちのは3代目だし、ダイジダイジだから、百均で売られている巾着袋に入れて持ち歩くことにしております。袋からXAを出している間に被写体がいなくなることがありますけど。そういう時は、フィルムを無駄にしなかったのだと考えれば諦めがつきます。何かあったときはiPhoneで撮ればいいのです。

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