PEN FTブラックボディ。ズイコー42mm F1.2つきです。小さい38mmつきで撮影したかったのですが、現在お出かけ中です。ブラックの塗装の質は悪いですね。泡が浮いています。筆者はまだこの頃はブラックボディが好きだったみたいです。
先週のオリンパス35の型番はオリンパス35Kというそうです。なんせ年末で忙しいし、調べるのが面倒なんで、そのまま掲載したら、Xなどでご意見をたくさんを頂戴しました。ありがとうございます。オリンパスファンは優しい人が多いんですよね。他のメーカーでこういうことすると、多くのクレームが来そうです(笑)。
今回はなにかといえば、オリンパスPEN FT(1966)にしましたぜ。おいおい、その前にPEN F(1963)があるじゃないかと。その通りなんだけど、筆者は外観の見た目で「花文字F」の刻印があまり好きではなくて。それと強制的に行わねばならん2回巻き上げが気にいらないわけです。
だから、何度か購入しつつ見送るということを繰り返し、借りたことはあるけど、購入には至っていないというのが事実です。
そういや、デジタルのPEN-Fが登場した時でしたか、販促ツールで花文字の「F」のシールとか売ってましたよね。あれ、嬉々としてPEN-Fに貼り付けている人がいましたが、筆者所有のPEN-Fには貼ることはありませんでした。
どうにもデジタルのPEN-Fとは気が合わない感じがしたからです。個人の好みですから、このあたりに突っ込むのはヤメましょう。私事カメラくらい好きな容姿で好きなように使わせてください。
で、 PEN FTですね。前機種のPEN Fは世界初のハーフサイズのレンズ交換式の一眼レフということで登場したわけです。ロータリーフォーカルプレーンシャッターとかすごいですよね、スピードライト全速同調だし。本機はここにTTLメーターを内蔵して、二回巻き上げだったものを一回巻きにしました。セルフタイマーが追加されて、花文字のF表示もなくなりました。
ハーフですから36枚撮りフィルムを装填すればフィルム終了時にはカウンターは「72」が表示されます。シャッターボタンは四角い独自の形状ですね。レリーズの穴はありますが。下の乳白の窓はメーター表示の明かり取りでしょう。
TTLメーターは正直個人的には関心は低いです。どうせ使わないですし。PEN FTは登場から相当に時間を経ているので、Cdsや、カメラ内の経年劣化もあるのか、中古市場ではメーター不動の個体も多くあるようです。あとひとつ、PEN Fよりもファインダーの明るさは暗いんじゃないですかねえ。じつは覗き比べていないんですけど、PEN FTのTTLメーター用のCdsはミラーの後ろにありますよね。だからミラーはハーフミラーだからファインダーが暗いんじゃないかという疑念を持つわけでありますが、どうなんですか?
ファインダーアイピースです。四角いですね、これも視認性は悪くないんですが、スクリーンが暗いね。ハーフミラーなので光をとられた感じがします。
いちおう要点だけPEN FTのTTLメーターのことを書いておきますか。
ファインダーを覗くと「TTLナンバー」と呼ばれる0から7までの数字表示があり、測光範囲なら、設定シャッタースピードに応じて、いずれかの指針がいずれかの数字を指しています。
同様にF値表示とは別にあるTTLナンバーが絞り環にあるレンズ(初期のレンズには表示がありません。またレンズの開放F値と焦点距離によってナンバーの範囲は異なります)にも0から7までの数字があります。
上が通常の絞り値表示で、下がTTLナンバーの表示。絞り環を押し180度回すと切り替えできますが、TTLナンバーはこのレンズでは0~6までとなりますね。
たとえばPEN FTの指針が「3」を示せば、絞り環を動かして「3」の数字を設定すれば適正露出になるという考え方です。PEN FTは、カメラ側にレンズの開放F値を読み込ませずに、開放測光を実現するために、独自の「TTLナンバー」方式を採用したわけです。
TTLナンバーは画面全体の明るさが、装着レンズの開放絞りの明るさより何段暗くなっているかを単純に数字で示す、相対値の絞り表示ですね。
ま、でも最悪なのは、ファインダー内で装着レンズのTTLナンバー表記は見ることができないので、ファインダー内の数字を読み取り、これを記憶し、アイピースからいちど目を外し、装着レンズの絞り環のTTLナンバーの数字をみて、さきほど記憶した同じ値を設定せねばなりません。ご苦労さまです。慣れれば大したことねえぜとおっしゃるユーザーさんもいることは存じておりますが。
でもね単体露出計で測光して、シャッタースピードとF値を設定したほうが早くてわかりやすいんじゃないですかね。TTLナンバーの考え方はわかるけど他の機種には採用されませんでした。
スクリューマウントのライカみたいにシャッターダイヤルはボディ前面にありますね。ま、フツーです。最高速は1/500秒です。ISO400フィルムを装填すると、日中晴天下では常に最高速で最小絞りみたいになります。
筆者は人間露出計でもあるので、このTTLメーターを本気で使用した経験がありません。もちろん時間のある方はどうぞ、お使いになっていただいてよいかと思います。
あとね、巻き上げは一回巻きになったわけ、これは喜ばしいんですけども、「お前、分割巻き上げのほうがいいと言ってたろ」という話と矛盾すると思わないでください。
カメラ側から巻き上げの回数を強制されるのが好きじゃないわけです。だから一回巻き上げのカメラを分割して巻き上げたいわけ。二回巻き上げを強要される初代のPEN Fはいまひとつカラダに合わないわけですよ。
フィルム室です。シャッター幕はギンギラですが、チタンだそうです。音はけっこうデカく、ジャキーン、みたいな音がします。
私事で使うカメラなんだから、フィルム巻き上げくらい自由にヤラせてください。でもまあPEN FTの巻き上げの感触はいまひとつですけどね。
例によって、文章にすると文句が多くなるわけですが、筆者はこのPEN FTの横長デザインは嫌いじゃないですね。もうそれだけの評価です。それとデフォルトでのホールディングだと縦位置ですからね、これは慣れないといけませんし、本機で横位置撮影する場合のホールディングは練習した方がよさそうです。
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