OM-1のボディが小さくなったのはシャッターダイヤルがマウント基部にあるからという話。これを中学生が読むと素直だから、はいはいと信じるのですよ。何も知らないし。カメラの細かい内部機構については今も何も知らないけど。
今回もOM-1の話を書いちゃおうかなあと。2回、いや3回目かな。さすがにしつこいですかね。でも使い勝手のこととか書いていませんし、自分の備忘録的な感じにもなるので、お時間ある方はおつきあいくださいまし。
で、OM-1でわりと評価高いのは、マウント外周にあるシャッタースピードダイヤルなんですね。
シャッタースピードを1/30にセットすると正面から見ますと、指当てのところが水平になるわけ。だからダイヤルを見なくても慣れれば、指当ての位置関係で、シャッタースピード設定がわかると。ウソつけ。あ、でも中古カメラ店の皆さんも、OM-1は1/30にして商品撮影したほうが見た目が整いやすいので早めに売れるかもしれません。保証はしませんけど。
米谷さんの話によれば、カメラをホールディングしたとき、左手だけで絞りとシャッターダイヤルを操作することができるので、右手をシャッターボタンから離さないまま、左手で絞りとフォーカシングとシャッタースピードすべて操作設定変更可能という。軍艦部にシャッターダイヤルがあるカメラよりも素早く設定できるから合理的だとおっしゃっています。本当か?
それにシャッターダイヤルをこの位置にもってくると、ガバナーの位置に工夫することでカメラの高さを抑えることができると。ASAダイヤルの中に摺動抵抗入れられるのも有利とかなんとか。筆者がカメラの中身はど素人で何もしらないと思って、エンジニアはいつもこういう話をしますけどね、あ、米谷さんの悪口ではないですから念のため。
早い話がレンズの部分を見ますと、シャッタースピードとフォーカスの位置と、絞り値がわかると。なんか便利なように思えてきたような気がしますね。だからどうしたとか言わないようにお願いします。シャッタースピードの文字が1/60秒以下は水色なのは手ブレの警告でしょう。人間はもっと素直になるべきです。
でも今さらこんなことというと、米谷さんに怒られるかもしれませんが、シャッターダイヤルが軍艦部にあってもOM-1よりも小さい一眼レフありますぜ。ペンタックスMXとか。
これも記憶で書いてしまうけど、ペンタックスMXが出た時のカメラ雑誌の広告に「サイズを小さくしたいがために、シャッターダイヤルを通常の位置とは異なるところにもってきたために使いづらくなったカメラがあります。でもMXはいつものところにあります」というニュアンスのコピーを読んだことがあります。
今回手持ちのカメラ雑誌のバックナンバーを探したんだけど、結局は見つかりませんでした。筆者の妄想ではないはずです(少し自信がなくなってきました)。どなたか見つけたら教えてください。
たしかに慣れなんだけど、OM-1はファインダー内情報がメーター指針しかないんですよね。
当時、一眼レフは「情報集中ファインダー」が流行っていて、ファインダー内ではメーターの指針のほか、絞りもシャッタースピードも見えないと、高級機としては失格とする風潮もあったんですよね。
考えてみれば、一部のズームレンズを除けば、OMズイコーレンズの絞り環はフォーカスリングの前に位置していますから、絞りを光学的に読み取るのはけっこう難しかったんじゃないですかね。メカ連動で絞り値をファインダー内で表示するのは厄介ですよね。シャッタースピードくらいはファインダー内に表示できたとは思いますけどね。それよりも、ファインダー倍率の大きさを重視したとかね。
ペンタックスMXは情報集中としては完璧なんだけど、ことフルマニュアルの一眼レフを扱う場合には、カメラの外観にあるシャッタースピードダイヤルや絞り環の数値を見ながらシャッタースピードとか絞りを決めるのがほとんどなはずでは。
つまり、ファインダーを覗く前にある程度、シャッタースピードと絞りは決めておいて、ファインダーを覗いて、多くは、絞り環を回しながら露出を追い込むって方法とりません? もしかして、露出を決定した後で、ファインダー内で絞り値を確認し、「よしよし」とかうなずくんですか?
ファインダー内でメーターの指針やLED表示みながら、同時にシャッタースピードとか絞り値の両者を逐一確認してフォーカシングしてたら、忙しくて、その間に被写体はどこかに行っちゃうんじゃないすかねえ。
この個体はモータードライブ改造してありましたから、シリアルナンバーが長くてヘンです。コレクターは改造するモデルを嫌うみたいですが、OM-1なんかコレクションしても誰も褒めてくれないですよ。ガンガン使いましょう。
いや、だから情報集中ファインダーが無駄という意味じゃないですよ、なくてもフルマニュアル一眼レフではどうってことないという意味であります。思えばAE機のほうが、いまどのようなシャッタースピードや絞りで露光しようとしてるのかとか、露光補正はどう設定したっけ、というのをファインダー内で確認しているように思うわけです。
またこういう話もあります。オリンパスはOM-1はシャッターダイヤルがマウントの基部にあるから、シャッタースピード優先でも絞り優先でもどちらでも露出を決めやすいとアナウンスしてましたね。これもへー、そうなんだ(棒読み)。という感覚でした。
カルトクイズみたいですが、これはOM-1のバッテリー室。水銀電池がディスコンになったことを知った米谷さんは、OM-1のバッテリー室を改造しSR-44やLR44を使えるようにせよと命じたそうであります。これはOM-1の純正バッテリー室改造の個体。なかなか見られないのです。ショットキーバリアダイオードを入れてあるので、メーターも影響でないんです。エライですね。何?今はアダプターで済む?そうだけどさ、この頃のオリンパスの気合いを知ってほしい。でもね、それよりも受光素子がCdsなんで、そちらの劣化や経年変化によるメーターの狂いの方が問題だと思いますけどね。
面白いのはシャッタースピードダイヤルにある、2つの指当ての部分がカメラを正面から見た時水平になった位置が1/30秒になるから、情報集中ファインダーじゃなくてもシャッタースピードの設定がわかると言ってる人がいました。すげーほんとうか?
そんなの意識してみたことはなかったです。これは今もそうですね。だいたい撮影前にカメラを正面から見ないんじゃないですか。ちなみにOM-1をブツ撮影するときはシャッタースピードは1/30秒に設定するのがお約束であります。普通は1/60秒なのに。それだけでもヘンなのに(笑)。
と書いてみるとまるでOM-1をディスっているように読まれてしまうかもしれませんが、もう愛するあまりいろいろと話が出てきちゃうわけね。
次回はOM-2に行けると思いますけどね、思いついたらまたOM-1が出てくるかもしれんし。
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