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カメラガガ

26 さて、どうしよう

2025/12/01
上野修

そんなこんなで、使えば使うほど、持ち歩けば持ち歩くほど、リコー GR IIIxのマジックというかミラクルの素晴らしさを体感したのだが、素晴らしすぎて、だんだんどうしていいかわからなくなってきてしまった。


気軽に使えるのが気が重いというか、気が重いのに気軽に使えてしまうというか、しっくり来すぎてしっくり来ないというか、一度使いはじめたらずっと使い続けなければならないような気がして、持ち歩かない日が増えていったのである。
 

もともとはじめから、とりあえず一年くらい使ってみようと思っていたこともあり、じょじょに使わなくなってきたので、思い切って手放してしまったのだった。
 

それからしばらくして、GR IIIxの人気はさらに高まり、入手困難になっていったので、先見の明があったのかなかったのか、よくわからないような感じだが、カメラを手放すのは、カメラを入手するのと同じくらいの変化があるので、これはこれで後悔もなかった。
 

2021年末にGR IIIxを入手したときの価格は、たしか12万円弱だった。

 

育った時代のせいなのか、ガジェットに対する価格の感覚は、子どものころからあまり変わらない。5万円くらいまでは手ごろ、10万円くらいまでは手が届く、20万円くらいだと思い切って買う感じで、30万円から50万円くらいになると大きな決断が必要になる。
 

これは、ビデオデッキ、ビデオカメラ、パソコン、デジタルカメラなど、多くのガジェットがそうした段階で普及していくのを経験したからだろう。
 

パソコンが30万円から50万円くらいだった時期などは、いったい何に使えるのかわからないようなものを買うわけで、スリリングな醍醐味があった。
 

20万円くらいになると、かなり実用性が高くなっているので、大失敗もなくなってくるし、10万円、5万円になれば、そうした傾向がさらに強まる。
 

その意味では、GR IIIxが12万円弱というのは、なかなかバランスがいい感じである。今、ネットで見てみたら、公式ストアでは抽選販売の状態が続いていて139,800円(会員価格125,820円)、入手困難のためネット通販ではプレミアがついて約17万円以上となっていた。

 

 

今年、2025年9月発売の新モデルGR IVは、公式ストアでは同じく抽選販売で、194,800円(会員価格175,320円)である。いずれ発売されることが期待されるGR IVxも、同じような価格になるのだろう。前モデルと比べると、20万円前後の価格帯になり、けっこう値上げされているようにも思えるのだが、高く感じるかというとかならずしもそうではない。
 

というのも、この10年くらいで、いわゆる廉価帯のカメラがすっかり減って、カメラの価格帯自体が上がっているからである。そのことを踏まえると、むしろ安い、とまではいわなくても、リーズナブルな価格だとは思う。
 

とはいえ、カメラは落としたり失くしたりする可能性もあるので、それを考えると20万円というのは躊躇しないでもないが、常に持ち歩いているiPhoneの価格帯も20万円前後のモデルがあること思えば、あまり悩むポイントでもないだろう。
 

だんだん話がズレていっている気もするが、なぜこのようなことをグズグズ書いているかというと、来たるべきGR IVxを入手するかどうか迷っているからである。GR IIIxは手放してしまったが、もう一度GRのポテンシャルを体感してみたくなったのだ。
 

GR IIIxの話を書いている間にGR IVxが発売されたら、即予約して、その話につながようかと思ったのだが、どうやらまだ発売されないようだ。
 

さて、どうしよう。

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