リコー GR IVの発売が2025年9月に決まり、スナップシューター界隈が、にわかにザワザワしてきた。
前モデルであるGR IIIの発売が2019年3月、ということは5年以上前なので、待望のアップデート、盛り上がりも当然である。
違うトピックを考えていたのだが、この盛り上がりに便乗して、GRの話を書こうと思う。といっても、書くのはGR IIIxの話。しかも個人的、というか極私的なつぶやきのようなものなので、(いつものごとく)まったく役に立たない話になるだろう、と、あらかじめ言い訳しておきたい。
そもそも、私がはじめてGRシリーズを買ったのはGX200、2008年で約5万円だった。それはGRシリーズじゃないだろう、といわれれば、まったくもってそのとおりで、単焦点機がGRなのだから、ズームのGX200がGRシリーズであろうはずがない。
はずがないのだが、ルックスはGRに激似なので、GRのようでGRでない少しGRっぽいGX200という感じなのである。フィルムのGRを使ったことがないだけでなく、入り口がGX200な私は、GR劣等生なのだろう。
ホンモノのGRをはじめて買ったのは、GR DIGITAL IV。といっても発売からしばらく経った2013年、かなり値段がこなれたころ約4万円で入手。要するに安くなっていたから買ったわけで、少々邪道である。しかも2019年に落として動かなくなってしまったので、やはり劣等生である。
その間、センサーがAPS-Cに刷新され、DIGITALがとれたGRになったが、GR DIGITAL IVが壊れた(というか壊した)ときには、3世代目のGR IIIが登場して少し経ってしまっていたのと、ちょっとした図版用途の撮影はiPhoneで事足りるようになっていたので、買いそびれていた。GRの特徴である35ミリ判換算で28mm相当の画角は、コンパクト機としてはけっこう広角だったが、iPhoneが超広角を搭載するようになったことも大きかった。
そうしてGRを持たなくなってしばらく経ったころ、35ミリ判換算で40mm相当の標準画角単焦点を搭載したGR IIIxが発表された。40mmの画角は好みである。一気に購入意欲が高まった。発表が2021年9月で発売が10月。ちょっと迷ったが、巷の景色が変わってくる年末から、新しいGR IIIxを使ってみたくなった。
そのころも人気はあったが、品薄で買えないということもなかったと思う。すぐに買えそうなネットショップを探して、年内には入手することができた。しかもちょっと安く買えた。
なんだかんだいっても、新しいカメラというのは嬉しいものなので、ウキウキしながらソフトケースや、バッテリー充電器なども準備した。調べていると、すでに持っているオリンパス Tough TG-6と、GR IIIxのバッテリーには非公式ながら互換性があることがわかった。これは好きなパターンだ。この2台を同時に使うことはなさそうなのもいい。
とまあ、長くなったが、これがGR IIIxを手にするまでの流れである。
いうまでもなく、GRシリーズはじつにコンパクトである。GR IIIxも、もちろんコンパクトで、電源オフ時には、ほぼフラットになることも変わらない。ということは、いつでもどこでも持ち歩いて、いつでもどこでも撮れるということで、ある意味でカメラの夢が実現したカメラでもある。
さて、夢が現実になると、夢とは違ってくる。いつでもどこでもというが、それはいつ?どこ?ということになってくるのである。悩ましい難問が、カメラとともに手のひらに舞い降りてくることになるのだ。
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