top コラムコンデジ回想録1 キヤノン PowerShot S2 IS

コンデジ回想録

1 キヤノン PowerShot S2 IS

2021/12/06
上野修

かつて、コンデジというカテゴリーがあった。いや、もちろん今もあるのだが、かつてのような賑わいはない。このコラムでは、コンデジ全盛期に使った機種を振り返りつつ、インターネット老人会ならぬ、コンデジ老人会のような話を綴ってみたいと思います。

 

今回取り上げるのは、キヤノンのPowerShot S2 IS(以下S2 IS)。2005年11月頃に試用したカメラである。


コンデジというにはちょっと大きく、ネオ一眼とか、ブリッジカメラとか呼ばれていたカテゴリーだと思う。どちらも、コンパクトと一眼の間って意味ですね。

 

コンデジ同様、ネオ一眼やブリッジカメラという呼び方も、輝きがなくなってきているけれど、当時はキラキラしていた。


何せ、手ブレ補正付12倍ズーム! 0cmスーパーマクロ! ムービー機能!ってわけで、デジタルならではの全部入り。夢があったのである。

 

シャッター音をEOS-1やEOS 5にできるという、音だけでも一眼レフに近づこうという、面白い機能もあった。こういう遊び心、いいですね。

 

写真を見返してみると、432mm(35mm判換算36-432mm)の望遠端で撮った写真がすごく多い。今だったらなんてことない望遠だけれど、当時は新鮮だったのだろう。EVFも約11.5万画素で像が粗かったし、背面液晶も1.8型で小さかった。撮ってる時はイマイチよくわからなくて、あとで見る楽しみがあったのかもしれないね。

 

たぶんこのカメラを使うためだと思うけれど、同時期に奮発して、「金パナ」と呼ばれたパナソニック製1GBのSDカードを買っている。確か、1万円以上でした。

 

S2 ISは、単3形電池4本というバッテリーの仕様もよかった。バッテリー切れの緊急時にアルカリ電池も使えるし、単3なら充電池も汎用性があるというわけです。当時、ちょうど、エネループが誕生したというのも大きかった。それ以前のニッケル水素単3形電池は、すぐ電圧不足になってしまって、デジカメには使えなくなってしまうことが多かったけれど、エネループはその問題をほぼ解決していた画期的な電池だった。

 

試用した時の実勢価格が59,800円くらい。かなり気に入ったのか、翌年3月頃、少し安くなった時に自分で買って、ある日電源が入らなくなるまで、けっこう長く使っていました。

 

S2 IS、金パナ、エネループの組み合わせが軽快だった、そんな時代でした。

 

 

 

キヤノン PowerShot S2 IS
・手ブレ補正機構付12倍ズーム(35mm判換算36-432mm)
・オプションのコンバーターで広角側27mm・望遠側648mm
・スーパーマクロ・マクロ・通常撮影で0cm-∞全域撮影可
・高画質ムービー機能
・量販店実勢価格59,800円(2005年11月末)

 

パナソニック製1GBのSDカード。通称「金パナ」、当時1万円。

 

付属ストラップ。シンプルな薄手でこれも気に入っていた。

関連記事

PCT Members

PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。

特典1「Photo & Culture, Tokyo」最新の更新情報や、ニュースなどをお届けメールマガジンのお届け
特典2書籍、写真グッズなど会員限定の読者プレゼントを実施会員限定プレゼント
今後もさらに充実したサービスを拡充予定! PCT Membersに登録する