top コラムコンデジ回想録16 ニコンCOOLPIX S10

コンデジ回想録

16 ニコンCOOLPIX S10

2023/05/22
上野修

ニコンのコンデジといえば、レンズ部分が回転するスイバルデザインという時代がありました。普段は板状になっていて、撮影時には半分をクルっと回す独特のギミックは、デジカメならではのデザインで、カッコよく見えたものです。
 

そんなニコンのコンデジを持っていた人に、「200万画素超えダゾ!10マン以上したゾ!」と自慢されたことがあります。スペック的に、おそらく1999年発売のCOOLPIX 950だったのでしょう。羨ましく感じたのを覚えています。
 

2006年発売のCOOLPIX S10は、そんなスイバルデザインのDNAを受け継いだ、ニコンのスイバルデザイン末期のコンデジです。

 


 

COOLPIX S10をはじめて持ったときには、ずいぶん軽いなあと思いました。600万画素で10倍ズームのCOOLPIX S10の重さは、約220g。211万画素で3倍ズームのCOOLPIX 950の重さは、約350g。COOLPIX S10は性能アップしているにもかかわらず、ぐっと軽量化されていて、技術の進化を感じます。

 


 

その一方で、高級感があったCOOLPIX 950に対し、COOLPIX S10はカジュアルな質感だったので、DNAを受け継いでいるものの、使用感は別物だったといっていいでしょう。そうした軽さやカジュアルさのせいにするわけでもないのですが、いざ撮影しようとしてCOOLPIX S10を取り出したらバッテリーを入れ忘れていてガッカリしたことがあります。そんなこともあり、ギミックがユニークなわりに、撮影していても意外と気分が上がりませんでした。
 

 

私は、ただでさえ水平に撮影するのが苦手なので、COOLPIX S10の270度まで回転するレンズ部分についていけなかったのかもしれません。レンズ回転式のデジカメはどんどん少なくなっていったので、一般的にも需要があまりなかったのかもしれませんね。
 

COOLPIX S10のキャッチコピーは、「フリーアングルで狙い、瞬間を鮮やか残す、スタイリッシュクールピクス。」でした。いま思いつきましたが、身体能力が高い方が、レンズ回転式のデジカメを使って、アングルを気にしないスナップを撮ったら面白そうな気もします。

 


[Nikon COOLPIX S10]
・レンズ部分が回転するスイバルデザイン
・35mm判換算で38-380mmの10倍ズームニッコールレンズ
・ニコン独自のフェイスクリアー機能搭載
・手ブレ補正(VR)機構搭載
・量販店実勢価格34,800円(2007年4月中旬)

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