カシオ EXILIM Hi-ZOOM EX-V7は、薄型ボディなのに、なんと約38〜266mm(35mm判換算)の光学7倍ズームを搭載したコンデジです。
どうしてそんなことが可能になっているかというと、光を曲げることによってズームレンズをボディの長辺方向に入れる屈曲光学式レンズを採用しているからです。そのため、じつは25.5mmという、ちょっとボテっとした厚みがあります。それを最薄部20.8mmというデザインでなんとか薄型に見せているわけです。
屈曲光学式ズームレンズのメリットとしては、起動が約1.2秒と早い、作動音が静かなので動画撮影時もズームが使えるといったことがあります。デメリットはなにかというと、描写が甘いことです。一番大事なところがいまひとつなのは悩ましいですね。
とはいえ、撮影した写真を今あらためて見返してみると、広角側はほとんど気になりません。望遠側の描写がもんやりしていますが、これはこれで味かなとも感じました。
屈曲光学式でなくても、コンデジの場合は望遠側の描写が甘いことが多いですが、EX-V7の甘さは嫌味がないのがいいです。甘さやら嫌味やらになってしまうと、完全に趣味の問題ですけれど。搭載されたCCDシフト方式手ブレ補正機能もよく効いているようなので、描写を味として割り切れば、楽しいコンデジだと思います。
カシオのEXILIMシリーズはキビキビとした動作が特徴ですが、EX-V7は起動が早いだけでなく、レリーズタイムラグ約0.008秒、撮影間隔最短約1.0秒と、快適に撮影できるのもステキです。ズームしていても、外からはまったくわからないので、ちょっと不思議な感覚になります。
そのほかにも、被写体の動きに撮影フレームが自動追従するオートフレーミング機能、動画撮影する数秒前の過去も記録しているパストムービー機能など、多彩な機能が小さなボディに凝縮されています。
ベストショット機能は、33種類も搭載されていて、人物、子供、スポーツ、ペット、夜景といったシーンだけでなく、古い色あせた写真を鮮やかに補正、斜めから撮影しても正面から撮影したように補正といったものもあります。
しかし、33種類から選ぶのは、ある意味で、マニュアル撮影よりもややこしいかもしれません。こうした機能は増えれば増えるほど、じっさいには使わなくなる気もします。高機能をどうアピールするかというのは、難しいところですね。
[CASIO EXILIM Hi-ZOOM EX-V7]
・35mm換算で約38〜266mmの光学7倍ズーム
・高感度に加え、CCDシフト方式手ブレ補正機能搭載
・動体解析によって実現した新機能・自動追尾AF搭載
・スピーディ性能&スタイリッシュデザイン
・量販店実勢価格44,800円(2007年5月下旬)
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