top コラムコンデジ回想録10 リコー Caplio GX100

コンデジ回想録

10 リコー Caplio GX100

2022/10/24
上野修

広角単焦点の高性能機リコー GR DIGITAL(2005年)、光学7.1倍ズームレンズ搭載の普及機リコー Caplio R3(2005年)を紹介してきましたが、今回は、光学3倍ズームレンズ搭載のリコー Caplio GX100(2007年)です。

 

CaplioにはRシリーズとGシリーズがあり、型番的には、GX100はGX8の後継のようですが、機能やルックス、価格帯的にはGR寄りなので、GX100のGはGR系のGではないかと思ってしまいます。
 

 

要するに、広角単焦点を大々的にアピールしているGR DIGITALにズームを搭載したらGX100になった、というふうにしか見えないコンデジです。しかし、GR DIGITALにズーム版があったら、広角単焦点という一番のコンセプトが崩れてしまう。なので、GX100は、GR系なのではなく、Gシリーズが進化したら、たまたまGRに似てしまったということなのでしょうか、Caplioブランドが冠されています。Caplioブランドが消滅したのは、こうした矛盾に耐えられなくなったせいかもしれませんね。

 


 

と、こんなふうに、GX100はいろいろと邪推するのも楽しい一台ですが、試写した写真を見返してみたら、ものすごく楽しそうに撮っていました。撮るのが楽しいということは、GR DIGITALがカメラらしいカメラであるように、GX100もまたカメラらしいカメラだったということでしょう。ラインナップ的には矛盾の塊のような位置づけですが、逆にいえば、いいとこどりで完成度が高いカメラだったのではないでしょうか。液晶ビューファインダー(EVF)や、19mmm(35mmカメラ換算)の超広角になるワイドコンバージョンレンズといった、遊び心も満たしてくれる外付けのギミックもありました。

 


 

GX100は、1:1のアスペクト比を選ぶことができたので、けっこう正方形で撮るのがちょっと流行った記憶があります。正方形フォーマットを大流行させたインスタグラムのリリースが2010年ですから、GX100は早かったですね。左右をカットしているだけですが、正方形といえば数々の名機があるので、カメラ好きならではの発想が感じられるのも嬉しいです。EVFを付けて上から覗いて正方形で撮ると、気分はローライ、ハッセルというわけです。

 


[RICOH Caplio GX100]
・1,001万画素CCD、24-72mm(35mmカメラ換算)の光学3倍ズームレンズ
・アルミニウム合金を採用した優れた質感
・着脱式液晶ビューファインダー(EVF)
・ワイドコンバージョンレンズの装着で、焦点距離19mmの超広角撮影を実現
・量販店実勢価格68,800円(2007年8月下旬)

関連記事

PCT Members

PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。

特典1「Photo & Culture, Tokyo」最新の更新情報や、ニュースなどをお届けメールマガジンのお届け
特典2書籍、写真グッズなど会員限定の読者プレゼントを実施会員限定プレゼント
今後もさらに充実したサービスを拡充予定! PCT Membersに登録する