top コラムコンデジ回想録17 キヤノン PowerShot S5 IS

コンデジ回想録

17 キヤノン PowerShot S5 IS

2023/06/26

上野修

キヤノン PowerShot S5 ISは、光学手ブレ補正機能付き高倍率ズームと本格的な動画撮影が特徴のS1桁シリーズの四代目です。PowerShot S1 ISは2004年に登場、なぜかS4は欠番で、2007年登場のPowerShot S5 ISまで、着実に進化を重ねています。

以前とりあげた二代目のPowerShot S2 ISは、自分でも購入するくらい気に入ってました。このシリーズは、外見も大きな変更がなく、四代目と二代目を比べてみてもそっくりです。中身はどのくらい変わったのかというと、S5 ISでは、レンズはS2 ISと同じ光学12倍ズームですが、約800万画素、動画の長時間記録モード、2.5 型バリアングル液晶モニター、アクセサリーシュー搭載、といった部分が進化しています。ちなみに、S1桁シリーズはS5 ISが最後となり、高倍率ズームと本格動画路線は、SXシリーズに引き継がれていくことになります。

単3形電池4本という仕様はシリーズ共通で、2009年発売のPowerShot SX20 ISまで変わりません。当時は、いざとなったら単3形アルカリ電池でも撮影できるという安心感がありました。いま使ってみたい方にとっても、電池が入手しやすいというのは大きなメリットかもしれませんね。

かつてこのカテゴリーは、ネオ一眼などと呼ばれていました。一眼レフのようなルックスで、動画撮影などにも強いという未来感が込められたニュアンスがあったと思います。じっさい使ってみても、はじめは、なんでもできる！これはデジタルならではだ！という感動があったりします。しかし、贅沢なもので、使っているうちに慣れていくと同時に、進化すればするほど物足りなくも感じてくるのです。S5 ISでも、それを感じました。なんでもできる入門機と考えれば、充分すぎるほど充分なんですけどね。

ところで、よく知られているように、キヤノンのコンデジには、IXYとPowerShotの二系統があります。スタイリッシュなIXYと、それ以外のPowerShotという感じでしょうか。サイトを見てみたら、SXシリーズの最新機種は、PowerShot SX70 HSで、なんと光学65倍ズームになっていました。そして新製品として、ビデオコミュニケーションモデルと銘打ったPowerShot Vシリーズが登場していました。自撮りにも適した超広角19mm（35mm判換算）搭載のポケットサイズVlogカメラです。

遥か彼方を撮影する高倍率ズーム超望遠だけでなく、超広角で自撮りという方向性にもネオな未来があったというのは興味深いですね。

[CANON PowerShot S5 IS]
・光学12倍ズームレンズ（35mmフィルム換算：36-432mm相当）搭載
・ワイド端からテレ端まで約1秒の高速ズーミング
・高精細・広視野角の2.5型バリアングル液晶モニター
・ステレオ録音機能搭載の高精細なVGA動画モード
・量販店実勢価格39,300円（2007年10月下旬）