μ(ミュー)は、オリンパスのコンパクトカメラのシリーズです。「小型で軽量、ケースレス、そして魅力あるスタイリングデザイン」というコンセプトで、人気のフィルム機でした。コンデジでもコンセプトを引き継いだμシリーズが展開されていて、初代機はCAMEDIA μ-10 DIGITALです。CAMEDIA(キャメディア)はデジカメのシリーズ名で、初期にCAMEDIAとμの両方の名が冠されているのは、フィルム機と区別するためかもしれません。のちにCAMEDIAが外れて、デジカメでCAMEDIAとμの2系統が展開されることになります。
デジカメのμシリーズの型番末尾にSWがついているのが、防水耐衝撃カメラです。SWはショック&ウォータープルーフという意味。2006年のμ720SWから2008年のμ1050SW、その後μ TOUGHシリーズ、OLYMPUS Toughシリーズ、OLYMPUS STYLUS(スタイラス) Toughシリーズとネーミングを変えつつ、防水耐衝撃カメラはモデルチェンジしていっています。
と、前置きが少し長くなりましたが、今回紹介する2007年発売のμ770SWは、オリンパスの初期の防水耐衝撃カメラということになります。水深10mまでの防水機能、100kgfの耐荷重、-10℃までの耐寒性というヘビーデューティーなスペック。にもかかわらず、薄型でスタイリッシュなボディになっているのは、デジカメならではですね。デジタルはフィルム交換が不要なのも、水中カメラに向いていると思います。
じっさい、落としても大丈夫、濡れても気にならない、もちろん普通の撮影にも使えて、汚れたら洗えばいいこうしたカメラを一台持っていると、撮影シーンが広がる気がしてきます。アウトドアウェアを着ていると、活動シーンが広がる気がするのと同じで、じっさいに広がるかどうかは別ですが(笑)
こうした魅力があるのに、いまひとつ人気が高まらなかったのは、見かけがスタイリッシュになればなるほど、ほんとに水に潜って大丈夫なの?という気持ちになってしまうからかもしれません。じっさいに使ってみると、当然ながらスペック通り全然大丈夫なんですけどね。
オリンパスの防水耐衝撃カメラは、普及機がなくなって、2019年発売の本格的なTough TG-6のみになってしまいました。OMデジタルソリューションズへの映像事業譲渡以前のモデルですので、ロゴもOLYMPUSです。ちょっと高めですが、歴代モデルのノウハウがぎっしり詰まった、かなり遊べるいいカメラだと思います。後継機がどうなるのかも気になるところですが、欲しいときが買いどきということで、この夏、一台いかがでしょうか。
[OLYMPUS μ770SW]
・水中10m防水・耐衝撃&耐荷重構造・耐温度-10℃
・水洗いもOKの優れた防塵設計
・38mm〜114mm光学3倍ズーム(35mmカメラ換算)
・アウトドアに最適な2.5型ハイパークリスタル液晶モニター
・量販店実勢価格44,000円(2007年7月中旬)
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