デジカメを作っているのは、じつは三洋だけである。
なんてマメ知識を、昔は話したものだけれど、いまでは意味不明だろう。
「デジカメ」は三洋電機の登録商標というわけだが、その登録商標も2019年に存続期間満了で権利が抹消されているとのこと。
2011年にパナソニックが三洋電機を完全子会社化、三洋ブランドもすっかり見かけなくなってひさしいので、三洋がデジカメを作っていたことも、すでに記憶の彼方かもしれないですね。
一番はじめに買ったコンデジが三洋だったこともあって、個人的には三洋ブランドに愛着を感じるし、三洋の絵作りも好みでした。
さて、今回取り上げるのは、振り返ってみると、三洋のデジカメの最後の方のモデルとなった、Xacti DSC-E6。
一番の特徴は、超大型といわれた背面液晶。
なんと!!……3.0型!!
えっ?という感じだけれど、当時の基準では大きかったわけです。画像を確認するだけでなく、ようやく見て楽しめるサイズになったといえるわけで、けっこう画期的。
2007年に登場した初代iPhoneのディスプレイが3.5インチ、2012年のiPhone 5で4.0インチになったくらいなので、このカメラを試用した2005年当時の3.0型は、なかなかの大きさだったことがわかるんじゃないでしょうか。
この液晶サイズを生かした「36画面マルチ表示」や、設定を変えながら連写した4枚を表示して選ぶ「ベストショット」なども搭載。2種類のサイズの画像を各3枚撮影する証明写真のモードは、実用性も高かった。
一番画期的だと思うのは、シャッターに触れるだけで半押し状態になる、タッチフォーカスという機能。デジタル時代に、半押しにしてフォーカス、全押しでシャッターが切れるという操作は、いささか野暮ったいと思わないでもないのだけれど、タッチフォーカスはその問題を解決する提案にもなっていた。とても洗練された操作性だと思うのだが、結果はご存知のとおり、まったく流行りませんでした。やっぱりこれだけ半押しが定着してしまうと、もう変わることはないのかもしれません。
デザインもシンプルでよかった。当時流行っていたiPodと比べても、遜色ないスタイル。そのクリックホイールのiPodも今はなく、デジタルの世界の諸行無常を感じます。
当時試写した写真を見返してみたら、最短1cmまで近づける「スーパーマクロ」を生かした写真が多かった。
[SANYO Xacti DSC-E6]
・電源ON後約0.8秒で起動
・コニカミノルタ製高性能光学3倍ズーム(35mm換算38mm〜114mm)
・大画面テレビで見てもなめらかで美しい動画機能
・3.0型23万画素のキメ細やかな液晶モニター
・量販店実勢価格32,800円(2005年12月中旬)
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