top コラムもう単焦点レンズは捨てなさ、い?第5局 「単焦点レンズとしても使えるズームレンズで夜露死苦!」

もう単焦点レンズは捨てなさ、い?

第5局 「単焦点レンズとしても使えるズームレンズで夜露死苦!」

2022/05/31
落合憲弘

ズームレンズというと利便性ばかりがクローズアップされがちだが、甘く見ちゃいけない。それ以外の魅力は… えーと、ほとんどないか(あれ?)。
 

デジタル時代になってからのズームレンズが描写性能を飛躍的に高めていることはご存じの通り。モノによっては、単焦点レンズと見まがうほどの描写を見せるズームレンズすら存在するのが「今」だ。相変わらず利便性が最も優位に立つ"ベンリな存在"ではあるものの、「便利でよく写る」のならズームレンズにも文句を言われる筋合いはないだろう。そんなズームレンズを使う立場としても、頑固一徹、星一徹みたいな単焦点レンズ派に対し、引け目みたいなものを感じる必要など皆無なのである。
 

「噛めば噛むほど味の出る」要素満載

 

「便利に尽きる(それに加え描写力を高めることで全方位に死角をなくしつつある)」ズームレンズにこそ、一本筋が通っているとの見方も可能だ。描写性能の嵩上げだけではなく、高倍率化や最短撮影距離の短縮といった要素において、ド直球まっ直ぐ勝負を仕掛け続けてきているズームレンズ。そこには「噛めば噛むほど味の出る」要素が隠されている。
 

そんなこんなを踏まえ、ここでは「ズームレンズは単焦点レンズとして使うこともできる」という、他言無用の重大秘密情報を密かにお伝えしておきたいと思う。ズームレンズって、実は使う人間の思いひとつで単焦点レンズになるのだ。「今日は35mmだけ」「この場面では150mmオンリーでカタをつけよう」といった「単焦点レンズと同じ縛りを味わいながら使う」ことが簡単にできてしまうのである!! 
 

マゾっけがお強いアナタには、ズームリングをテープで固定しちゃうのもイイかも知れない。より濃厚なプレイがお好みなら、小さなタッピングビスでズームリングをキュキュッと・・・い、いや、そりゃちょっとヤリ過ぎか。
 

ズームレンズを手に「今日のオレは50mmでしか撮らないから世露死苦!」なんてコトが人知れず、しかも誰にも迷惑をかけずにできるだなんて、これほどパーソナルな使いこなしができるレンズは他にはない。そりゃまぁ、マクロレンズを持ち出して「今日はレンズ前3cmにあるものしか撮らない」なんていうのも圧倒的に楽しそうなプレイではあるけれど、何はともあれ、モノに対してはもちろん他人に対しても、自分にとって"ベンリ"であってくれることに感謝を忘れてはイケナイってこと。便利の本質は「∞」であり、我々の写真的楽しみは、その「自由」があってこそのものなのだから。

 

 

 

 

 


高倍率ズームレンズ搭載コンデジでの600mm(相当)縛り。画角を変えずとも、構図のわずかな違いで写真的効果に変化を与えることは十分に可能だ。「画角」と「構図」の相乗効果を手軽に体感するためにも、ズームレンズは欠かせない存在なのである。

(共通)ソニーサイバーショットRX10M4・220mm(35mm判換算600mm相当)で撮影・絞りF4・1/500秒・+0.7EV露出・ISO800・JPEG

 

 

 

 

 

  • ソニーサイバーショットDSC-RX10M4(RX10IV)SPECS

  • ◉イメージセンサー
    センサータイプ=1.0型(13.2×8.8mm) Exmor RS CMOSセンサー、アスペクト比3:2
    有効画素数=約2010万画素(総画素数 約2100万画素)

  • ◉レンズ
    レンズタイプ=ZEISSバリオ・ゾナーT*レンズ
    レンズ構成=13群18枚(AAレンズを含む非球面レンズ6枚))
    F値(開放)=F2.4(ワイド端時) -4.0(テレ端時)
    虹彩絞り=9枚
    焦点距離=8.8〜220mm(35mm判換算24〜600mm相当)
    撮影距離(レンズ先端から) =AF約3cm-∞(ワイド端時)、約72cm-∞(テレ端時)、約140cm-∞(35mm換算f=250mm時)
    光学ズーム=25倍(動画記録中光学ズーム対応)
    デジタルズーム=20Mサイズ 約100倍/ 10Mサイズ 約140倍 / 5.0Mサイズ 約200倍 / VGAサイズ 約380倍

  • ◉モニター
    モニタータイプ=3.0型(4:3)・1,440,000ドット
    角度調節機能=上に約109度、下に約41度

  • ◉ビューファインダー
    型式/総ドット数=0.39型 電子式ビューファインダー(OLED)、2,359,296ドット
    視野率=100%
    倍率=約0.70倍(35mm判換算、50mmレンズ)
    アイポイント 最終光学面から約23mm(CIPA規格準拠)
    視度調整=-4.0〜+3.0ディオプトリ−

  • ◉カメラ
    画像処理エンジン=BIONZ X
    手ブレ補正機能=光学式
    フォーカスモード=オートフォーカス(AF-S)、オートフォーカス(AF-A)、オートフォーカス(AF-C)、ダイレクトマニュアルフォーカス、マニュアルフォーカス
    フォーカスエリア=ワイド(315点(位相差検出方式)/25点(コントラスト検出方式))、中央、フレキシブルスポット(S/M/L)、拡張フレキシブルスポット、ロックオンAF(ワイド/中央/フレキシブルスポット(S/M/L)/拡張フレキシブルスポット)
    測光モード=マルチパターン、中央重点、スポット(標準/大)、画面全体平均、ハイライト重点
    露出補正=±3.0EV、1/3EVステップ

  • ◉露出制御 ●
    ISO感度=Auto(ISO100-12800)、100〜12800(拡張ISO64/80)、マルチショットNR:Auto(ISO100-12800)、100〜25600
    ホワイトバランス設定=オートホワイトバランス、太陽光、日陰、曇天、電球、蛍光灯(温白色)、蛍光灯(白色)、蛍光灯(昼白色)、蛍光灯(昼光色)、フラッシュ、色温度&カラーフィルター、カスタムWB
  • シャッタースピード=メカ時:30-1/2000秒 ※F8以上に絞った場合。開放時の上限は1/1000秒、電子時:30-1/32000秒
  • ダイナミックレンジ機能=切、Dレンジオプティマイザー (オート/レベル設定 (Lv1-5))、オートHDR (露出差オート/露出差レベル設定 (1.0-6.0EVの間で1.0EVごと6段階))
  • 撮影モード=AUTO(おまかせオート/プレミアムおまかせオート)、プログラムオート、絞り優先、シャッタースピード優先、マニュアル露出、MR(メモリーリコール)、動画、HFR、パノラマ撮影、シーンセレクション
  • シーンセレクション=ポートレート、スポーツ、マクロ、風景、夕景、夜景、手持ち夜景、夜景ポートレート、人物ブレ軽減
  • 連写(最大画素数時) =Hi:最高約24コマ/秒、Mid: 最高約10コマ/秒、Low: 最高約3.5コマ/秒 
  • ドライブモード=1枚撮影、連続撮影(Hi/Mid/Lo切り替え可)、セルフタイマ-、セルフタイマー(連続)、連続ブラケット、1枚ブラケット、ホワイトバランスブラケット、DROブラケット、パノラマ、スイングパノラマ
  • ピクチャーエフェクト(静止画)=トイカメラ、ポップカラー、ポスタリゼーション、レトロフォト、ソフトハイキー、パートカラー、ハイコントラストモノクロ、ソフトフォーカス、絵画調HDR、リッチトーンモノクロ、ミニチュア、水彩画調、イラスト調
    クリエイティブスタイル=スタンダード / ビビッド / ニュートラル / クリア / ディープ / ライト / ポートレート / 風景 / 夕景 / 夜景 / 紅葉 / 白黒 / セピア / Style Box
    フラッシュモード=自動 / 強制発光 / スローシンクロ / 後幕シンクロ / 発光禁止 / ワイヤレス(対応フラッシュ装着時)
    フラッシュ調光範囲=ISO Auto時:約1.0-10.8m(ワイド端時)/約1.0-6.5m(テレ端時)、ISO12800時: 最大到達距離約20.8m(ワイド端時)/約12.8m(テレ端時)

  • ◉記録
    記録メディア=メモリースティック デュオ、PRO デュオ、PROデュオ(High Speed)、PRO-HG デュオ、メモリースティック マイクロ、マイクロ (Mark2)、SD、SDHC(UHS-I対応)、SDXCカード(UHS-I対応)、microSD、microSDHC、microSDXCカード
    記録フォーマット(静止画)=JPEG、RAW
    記録フォーマット(動画)=XAVC S、AVCHD規格 Ver.2.0準拠
    静止画記録サイズ=3:2モード:20M(5,472×3,648)ほか
    動画撮影時静止画記録サイズ=16:9モード: 17M(5472 x 3080)ほか
    動画撮影モード=AVCHD: 24M FX(1,920x1,080/60i)ほか 、
    XAVC S 4K: 30p 100M(3,840x2,160/30p)ほか
    XAVC S HD:60p 50M(1,920x1,080/60p) ほか 120p 100M(1,920x1,080/120p)ほか
    HFR(ハイフレームレート) =<記録>XAVC S HD:60p 50M(1,920x1,080/240fps)ほか

  • ◉インターフェース
    入出力端子=マルチ/マイクロUSB端子、Hi-Speed USB(USB2.0対応)、HDMIマイクロ端子、マイク端子(3.5mmステレオミニジャック)、マルチインターフェースシュー、ヘッドホン端子
    NFC対応=◯(NFCフォーラム Type 3 Tag に準拠)
    Wi-Fi対応=◯(IEEE802.11b/g/n(2.4GHz帯))

  • ◉電源
    電源=NP-FW50
    USB充電・給電機能=◯(撮影、再生)
    電池寿命=静止画撮影時(CIPA準拠) :液晶モニタ使用時:約400枚、ファインダー使用時:約370枚

  • ◉その他
    その他の撮影機能=瞳AF、顔検出、個人顔登録、動画撮影時静止画記録、スマイルシャッター、グリッドライン、クイックナビ、電子水準器 (水平垂直方向)、ホワイトバランスブラケット、Dレンジオプティマイザーブラケット、MFアシスト、ピーキング(高/中/低/切)(色:赤/黄/白)、ゼブラ、マーカー表示、録音レベル、音声出力タイミング、ステップズーム/クイックズーム、TC/UB、著作権保護、ISO Auto 低速限界設定、PCリモート、ズームアシスト、フォーカスホールド、ガンマ表示アシスト、[動画]AF追従感度、[動画]AF駆動速度、ファイル名設定、フォーカスレンジリミッター
    動作スピード=起動時間(約1.6秒)/撮影タイムラグ(0.07秒)/撮影間隔(0.41秒)
    外形寸法=幅132.5×高さ94.0×奥行145.0mm(レンズ先端からファインダーまで)、幅132.5×高さ94.0×奥行127.4mm(レンズ先端からモニターまで)
    質量=約1095g(バッテリー、SDXCカード含む)/約1050g(本体のみ)
    発売=2017年10月6日
    価格=オープンプライス(実売220,000円前後・税込)

 

 

 

 

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