top コラムもう単焦点レンズは捨てなさ、い?第16局 コンデジをオーバーホールしながら使い続けるってどうなのよ!

もう単焦点レンズは捨てなさ、い?

第16局 コンデジをオーバーホールしながら使い続けるってどうなのよ!

2023/04/30
落合憲弘

愛用のコンパクトデジタルカメラ ソニーCyber-shot「RX100M6」をオーバーホールした。同機は、ナニを隠そう、日常ワタシが一番シャッターをきっているカメラである。もっとも数多くの写真を撮っている機材について「そりゃースマホでしょ!」と言い放つことがなかった点については我ながら胸をなで下ろしているところであり、「それをいうなら…ライカの○○ですかねぇ…」と呟くことができない(ライカなんて持っていない!)現実については「ふっ、今さらカッコつけたって始まらねぇからなぁ」などと言い逃れをキメるしかないのだけれど、ともあれ「最高約24コマ/秒の連写ができてしまうコンデジだからイタズラに撮影枚数がかさんでいる」ワケではなく、「常時携帯しつつ、ついでにメモ撮りなどもすることがある関係で撮影コマ数が爆上がり」になっているところは、「写真のたしなみ」としてジツに正しいアプローチによる「コマ数の計上」であると自負しているところだ。

 

1インチセンサーに組み合わされるレンズは24-200mm相当の画角。ワイド端の24mm相当に加え、望遠にも強いところがいい。開放F値はF2.8-4.5。ミニマムサイズの高倍率ズームレンズであることを考えればリッパなものである。そしてさらにはAFだ。これが「へなちょこなミラーレス機よりもはるかに動体に強い」圧倒的実力の持ち主ときた。高倍率コンデジなのに、1インチセンサーで画質には余裕がある。加えて、ありとあらゆるシチュエーションで満足できる使い心地と結果が得られるということで、こりゃホレるのも道理ってことなのですわ。


というワケで、マイナートラブルが散見できるようになり、またレンズ内にホコリが目立ってきたことからオーバーホールに踏み切ったのだけれど、実のところデジカメを使うようになってから、カメラのオーバーホールとはほぼ縁が切れていたワタシではある。フィルム時代のお仕事メインカメラとは異なり、現代のお仕事ミラーレス機は、オーバーホールが必要になるまで使い続けることがなかった(それ以前にニューモデルに入れ替えるスタイルが定着していた)からだ。なので、ここ10年でオーバーホールしたのって、ソニー「RX100M3」と今回のRX100M6だけ。コンデジをオーバーホールしながら使い続けるってどうなのよ!(いいんじゃなーい?)

 

レンズユニットの交換が伴ったことで、結構な出費になってしまった今回のオーバーホール。でも、気がつきゃRX100M6はディスコンということで、本機の芸達者ぶりを思えば納得の修繕費用ではある。ちなみに、後継機の「RX100M7」には、ナゼか最初からさほどビビビッとくることはなかった。20万円近い価格にビビってる? うーん、確かにそれもあるとは思うけれど…。

 

ソニーRX100M6・15.6mmで撮影(35mm判換算42mm)・絞りF8・1/4000秒・ISO125・WBオート

 

ソニーRX100M6・58.9mmで撮影(35mm判換算163mm)・絞りF5・1/1000秒・ISO125・WBオート

 

一カ所にとどまったまま、ここまで自由に撮り分けることは、研ぎ澄まされた単焦点レンズがご自慢の高級コンデジにはできないハズ。そして、山肌を覆う葉の精細な再現は、高倍率ズームレンズ搭載コンデジとは思えないレベル。RX100M6を手放せない理由は、まさしくそこにある。トリミングマシーン? クロップマン? 何とでも呼ぶがよい。撮りたいように撮ってこその写真。見せたいように見せてこその写真だからだ。画質を含めての万能性に勝る魅力なし。

 

 

SONY Cyber-shot RX100Ⅵ(DSC-RX100M6)

  • センサータイプ:1.0型(13.2mm x 8.8mm)Exmor RS CMOSセンサー、アスペクト比3:2
    総画素数:約2100万画素
    有効画素数:約2010万画素
    レンズタイプ:ZEISSバリオ・ゾナーT*レンズ
  • レンズ構成:12群15枚(AAレンズを4枚含む非球面レンズ8枚)
    F値(開放):F2.8(ワイド端時)−F4.5(テレ端時)
    虹彩絞り:7枚
    焦点距離:f=9.0-72mm
    画角(35mm判相当):84゜-12゜30'(24-200mm)
    撮影距離(レンズ先端から):AF約8cm-∞(ワイド端時)、約100cm-∞(テレ端時)
    光学ズーム:8倍
    モニタータイプ:3.0型(4:3)/ 921,600ドット / エクストラファイン液晶 / TFT LCD
    ビューファインダー:0.39型 電子式ビューファインダー(OLED)、2,359,296ドット
    視野率:100%
    倍率:約0.59倍(35mm判換算、50mmレンズ、無限遠、視度-1m-1時)
    手ブレ補正機能:光学式(インテリジェントアクティブモード搭載/光学+電子併用、回転方向対応)
    フォーカスモード:オートフォーカス(AF-S)、オートフォーカス(AF-A)、オートフォーカス(AF-C)、ダイレクトマニュアルフォーカス、マニュアルフォーカス
    露出補正:±3.0EV、1/3EVステップ
    連写(最大画素数時):Hi: 最高約24コマ/秒、Mid: 最高約10コマ/秒、Low: 最高約3.0コマ/秒 *9
    外形寸法(幅×高さ×奥行):101.6×58.1×42.8mm
    質量:約301g(バッテリーNP-BX1、メモリーカードを含む)/約274g(本体のみ)

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