我が「ニコンZ 50」には、FXフォーマット対応の高倍率ズームレンズNIKKOR Z 24-200mmF4-6.3 VRがほぼ付きっぱなしだ。なにゆえ、APS-Cセンサーを搭載するZ 50にフルサイズ用のレンズなのか? Zの24-200mmが登場した当時、DXフォーマット用の高倍率ズームレンズがNIKKOR Zには存在しなかったからである。
なんだ、そんなことかと言うなかれ。私が所有する「Z」のボディはZ 50だけ。Z 6シリーズやZ 7シリーズには手を出さず、2台のZ 50を嬉々として使っているヘソ曲がりだ。よって、常識よりは実利が優先。Z 50で何ら問題なく使える高倍率ズームであること、そして幸いにもVR(手ブレ補正機能)搭載レンズである事実を前に、入手を躊躇できようハズがなかったというワケである。Z 50にはボディ内手ブレ補正が備わらず、レンズのVRは、ほぼほぼ必須の機能なのだ。
あらゆるグレードのレンズがハイレベルな描写性能を有するNIKKOR Zであるからにして、24-200mmの実力にもまったく心配はしていなかった。いや、むしろフルサイズ対応レンズの画角周辺部を使わない(イメージサークルの真ん中をクロップして使う)という超ゼータクが味わえることで、描写に関しては100%超えの信頼を与えていたと言っていい。
…と書いたところでフト思う。「クロップすることによって画質的なフォローが得られる」という発想は、単焦点レンズ愛用者には生まれないのではないか、と。一方、Z 50+NIKKOR Z 24-200mmF4-6.3 VRで得られる35m判換算時の画角が36-300mm相当になる点は、ワイド端より望遠領域の画角を重視したい私の使い方にマッチしすぎてトシちゃんもビックリな利点になっている。こういったケガの功名にも似た魅力の獲得も、まったくもって単焦点レンズ向きの発想ではないように思うのである。
Z fcのキットレンズである「NIKKOR Z 28mmF2.8(Special Edition)」に対し、ほんのりザラッとしたものを感じるのは、「必然なきFXレンズの転用」に似た印象を抱いているからなのかも知れない。そして、ZのDXレンズには新たに「NIKKOR Z DX 18-140mmF3.5-6.3 VR」が加わっている。Z 50やZ fcにドンピシャの小ささと軽さが備わることで、存在意義がバリバリに振り切っている魅力的な高倍率ズームなのだが、私はNIKKOR Z 24-200mmF4-6.3 VRの使用を継続することに決めている。一枚上手の描写力と「トシちゃんもビックリの利点」を優先するために。
高倍率ズームって、やっぱり自由だ。
画角に与える変化は、まずは"構図を整えるための儀式"であると心得よ。どれがベストなのかを決めるのは撮影者自身だ。
ニコンZ50・NIKKOR Z 24-200mmF4-6.3 VR・プログラムAE(f9 1/200秒)・ISOオート(ISO100)
- ニコンZ 50 SPECS
型式=レンズ交換式デジタルカメラ
撮像素子=有効2088万画素23.5×15.7mmサイズCMOSセンサー(ニコンDXフォーマット)
レンズマウント=ニコンZマウント
交換レンズ =ZマウントNIKKORレンズ・FマウントNIKKORレンズ(マウントアダプター使用時、一部機能制限あり)
手ブレ補正=レンズ内手ブレ補正:レンズシフト方式(VRレンズ使用時)
最大記録画素数=[DX(24×16)]5568×3712ピクセル(サイズL:20.7M)
画質モード=RAW 12ビット/14ビット、JPEG、RAW+JPEG
記録媒体=SD、SDHC、SDXCメモリーカード(UHS-I規格対応)
ファインダー=0.39型XGA OLED、約236万ドット、視野率 約100%、倍率 約1.02倍(50mmレンズ、∞のとき)、アイポイント 接眼レンズ面から19.5mm、視度調節範囲-3~+3ディオプトリー
シャッター=電子制御上下走行式フォーカルプレーンシャッター、電子先幕シャッター、電子シャッター
シャッタースピード=1/4000~30秒、Bulb、Time、X=1/200秒、オートFPハイスピードシンクロ可能
レリーズモード=1コマ撮影、低速連続撮影、高速連続撮影、高速連続撮影(拡張)、セルフタイマー撮影
連続撮影速度=低速連続撮影:約1~4コマ/秒、高速連続撮影:約5コマ/秒、高速連続撮影(拡張):約11コマ/秒
測光方式=撮像素子によるTTL測光方式
測光モード=マルチパターン測光・中央部重点測光:φ8mm相当を測光(中央部重点度約75%)、画面全体の平均に変更可能、スポット測光:約φ3.5mm相当(全画面の約2.5%)を測光、フォーカスポイントに連動して測光位置可動・ハイライト重点測光
露出モード/撮影モード=オート、P:プログラムオート(プログラムシフト可)、S:シャッター優先オート、 A:絞り優先オート、M:マニュアル、シーンモード16種、スペシャルエフェクトモード10種、ユーザーセッティングU1、U2
露出補正=±5EV(1/3、1/2ステップ)
ISO感度=ISO 100~51200、ISO51200に対し約1段、2段(ISO 204800相当)の増感が可能
AF=ハイブリッドAF(位相差AF/コントラストAF)、検出範囲 -4~19EV ※ローライトAF無効時:-2~19EV
レンズサーボ=シングルAFサーボ(AF-S)、コンティニュアスAFサーボ(AF-C)、AFモード自動切換(AF-A、静止画モードのみ)、常時AF(AF-F、動画モードのみ)、予測駆動フォーカスあり、マニュアルフォーカス(M):フォーカスエイド可
フォーカスポイント=209点 ※ 静止画モード、撮像範囲DX、シングルポイントAF時
AFエリアモード=ピンポイントAF(静止画モードのみ)、シングルポイントAF、ダイナミックAF(静止画モードのみ)、ワイドエリアAF(S)、ワイドエリアAF(L)、オートエリアAF
内蔵フラッシュ=ガイドナンバー:約7(マニュアルフル発光時約7)(ISO 100・m、20℃)
ホワイトバランス=オート(3種)、自然光オート、晴天、曇天、晴天日陰、電球、蛍光灯(7種)、フラッシュ、色温度設定(2500K~10000K)、プリセットマニュアル(6件登録可)、色温度設定以外は微調整可能
動画記録画素数/フレームレート(記録レート)=3840×2160(4K UHD):30p/25p/24pほか、ファイル形式 MOV、MP4、映像圧縮方式 H.264/MPEG-4 AVC、音声記録方式 リニアPCM、AAC
モニター=チルト式3.2型(タッチパネル)、約104万ドット、視野角170°、視野率約100%
Wi-Fi(無線LAN)方式/規格=準拠規格 IEEE802.11b/g/n/a/ac
Bluetooth=Bluetooth標準規格 Ver.4.2、Bluetooth Low Energy
電源=Li-ionリチャージャブルバッテリーEN-EL25 1個使用、AC
電池寿命=ファインダーのみ使用時:約280コマ、画像モニターのみ使用時:約320コマ(CIPA規格準拠)
大きさ・重さ=幅 約126.5×高さ93.5×奥行60mm・約450g(バッテリー、SDカード含む)、約395g(本体のみ)
発売=2019年11月22日
価格=オープンプライス(実売119,900円前後・税込)
- ニコン NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR SPECS
- レンズ構成=15群19枚
手ブレ補正=ボイスコイルモーター(VCM)によるレンズシフト方式
手ブレ補正効果=5.0段※CIPA規格準拠
最短撮影距離=0.5m(焦点距離24mm)、0.54m(焦点距離35mm)、0.55m(焦点距離50mm)、0.58m(焦点距離70mm)、0.65m(焦点距離105mm)、0.68m(焦点距離135mm)、0.7m(焦点距離200mm)
絞り羽根枚数=7枚(円形絞り)
フィルター径=67mm
大きさ・重さ=最大径76.5×長さ114mm・約570g
発売=2020年7月
価格=139,480円(税込)
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