top コラムもう単焦点レンズは捨てなさ、い?第15局 驚くほどの二面性!? 人もレンズも芸達者であれ!

もう単焦点レンズは捨てなさ、い?

第15局 驚くほどの二面性!? 人もレンズも芸達者であれ!

2023/03/31
落合憲弘

すすす、すみません! 申し訳ないっ!!  ナニに対し謝っているのか詳細は申し上げませんが、ワタシに謝られる覚えのある人は、この際ですから、真実を深く追求することなく溜飲を下げちゃってください。それですべて丸く収まりますんで。デッヘッヘ…。

 

というワケで、欲望と直感に忠実な我が人生ではある。そして、あまのじゃくだ。あえてそうしようと思うことなく、自然に主流とは離れようとする、そんな姿勢があからさまなのは、何もオトナになってから始まったモノではなく、古く小学生の頃にはすでにそうだったと自覚している。


例えば、1960年代生まれには懐かしいスーパーカーブーム。あのときワタシは、スーパーカーなるものに一切、興味を持てなかった。では、何をしていたのか? 当該時期にハマっていたのは、第二次世界大戦時の軍用機だった。当時の愛読書は、月刊『丸』と『世界の傑作機』。松本零士の戦場まんがシリーズにどっぷり浸かったのは、少し遅れてからだっただろうか。そうだ、小学6年生のとき同級生から借りたコミック『紫電改のタカ』(ちばてつや著)第2巻は、まだ返していなかったな……。

 

と同時に「BCL(主に海外の放送局を聴取する趣味)」にもハマり、月刊『短波』も購読。参考までに、自分の名前が初めて活字になったのは、何を隠そうその『短波』誌だった。あのとき、我が身に潜む承認欲求の存在に気づいていなければ、こうやって写真を撮ったり文章を書いたりする仕事を選ぶことはなかったかも知れない。人生の大枠って、実は小中学生の頃には固まっちゃってるんだろうなぁ。


ってな感じなので、「欲しいものは欲しいんじゃ!」というホンネ主体の生活スタンスも、必然っちゃあ必然の産物だったように思う。そして、そんなイバラの道(バラ色の道?)を歩む中で、さりげなく多面性を見せつけるズームレンズに出会ったときのヨロコビがとてつもなく大きいという事実を、ワタシは今回、ここに明示しておきたい。中庸には収まれなかった自分を肯定してくれるかのような振れ幅の大きさ。飛び抜けて高倍率であるわけではないのに、驚くほどの二面性を見せてくれる芸達者ぶり。いずれも「ワタシもそうありたい」ポイントでもある。

 

先を行く競合レンズに対し、ちょっとした意地を見せているところにも親近感を覚えていたりする。そして、その“意地っ張りの効果”が絶大なところには、ゼヒあやかりたいとも思う。人と同じことをしていては芸がない。それだけは確かなのだから。

 

ソニーα7C・FE20-70mmF4 G・20mmで撮影・絞りF5.6・1/800秒・EV-1補正・ISO100・AWB


ソニー「FE20-70mmF4 G」は、ワイドズームではなく「ワイド端が効果的に短く(広く)なった標準ズーム」。パナソニック「LUMIX S5」のキットレンズでもお馴染みの「LUMIX S 20-60mmF3.5-5.6」が先行していた“ワイド端20mm”の標準ズームに、強力なライバルが登場したカタチだ。開放F値とテレ端焦点距離の仕様設定に、パナに対するソニーのほんのりとした意地が感じられるところが個人的にはツボでありました。

 


ソニーα7C・FE20-70mm F4 G・70mmで撮影・絞りF4・1/1000秒・EV+1.3補正・ISO500・AWB


開放F値から全域でキリッとした仕上がりが得られるレンズである一方、テレ端の最短撮影ではピント面以外、かつ周辺部で心地よきユルさを得ることもできる。この多面性&万能性が最大の魅力だ。芸達者ぶりが魅力を発するのは、人もレンズも一緒ってことなのですな。

 

  • FE 20-70 mm F4 G(SEL2070G)
    レンズマウント:ソニー Eマウント
    対応撮像画面サイズ:35mmフルサイズ
    焦点距離:20-70mm
    焦点距離イメージ:30-105mm
    レンズ構成:13群16枚
    画角:APS-C…70°-23°/35mm判…94°-34°
    開放絞り(F値):4
    最小絞り(F値):22
    絞り羽根:9枚
  • 円形絞り:○
    最短撮影距離(m):AF時…0.3(W)-0.25(T)/MF時…0.25
    最大撮影倍率:0.39倍
    フィルター径:72mm
    手ブレ補正:ボディ側対応
    フードタイプ:花形バヨネット式
    外形寸法(最大径x長さ):78.7 x 99mm
    質量:約488g
    付属品:フードALC-SH174、レンズフロントキャップALC-F72S、レンズリヤキャップALC-R1EM、ソフトケース
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  • 発売日=2023年2月10日

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