思えば、単写真ではなく組写真で「写真」というものに対峙し続けてきた我がちっぽけな人生であるような気がする。「時間経過」「ストーリー」「説明」「強調」「主張」「ユーモア」といった種々の要素をそれぞれ単独で、あるいは複数を合わせ活かすために複数の写真を撮り、複数を並べ見せる… そんなアプローチをしてしまいがちなのは、駆け出しの頃から長いこと、雑誌の世界で"企画取材モノ"を中心とした仕事をしてきたからなのかも知れない。
誌面のデザイン(レイアウト)に自由度を与えるべく、被写体の向きやカメラアングルに変化を持たせる(例えば被写体の向きであれば、右向きと左向きを両方、撮っておく)といったサービス精神も、依頼仕事をこなすフォトグラファーとしては身につけていて当然のたしなみではあった。その感覚が今も抜けきれないのだろう。個人的な写真を撮っているときも、ついつい"誌面映え"を意識してしまう小さすぎる自分がいる。ズームレンズを手放せないのも道理だ。
そして、今年も来年も変わらず淡々と過ぎるに違いない、そう思い続けてこられた我が人生ではあるのだが、個人的には、仕事依頼の誤爆メールに翻弄された2022年でもあった。さらに、今年8月の我が家の電気代は、6万円に迫ろうかという悲劇である。世界情勢のみならず、我が家レベルでも、すでに常識は崩壊しつつあるようだ。なるほど、今こそが替え時(変え時、換え時、代え時、買い時)なのではないか!?
つまり、しかし、だからといって、今さら単写真主体の写真人生に舵を切ることなどできやしない。正直、そんなことをする気もない。長年かけて身についたモノは、そうそう簡単には剥がれない。ないないづくしのスライパルに抗うために、単焦点レンズのみの世界に浸る方向性はあり得るか? いや、欲しいのは、やっぱり新しい高倍率ズームレンズだ。タムロンの50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDとか、スゲー気になってるんですけど!
実は、それと同じぐらい、来年の春アゲハチョウがちゃんと姿を見せるのかどうかが気になっていたりする。バグっていた季節の移ろいに影響されたのか、冬を越すと思っていた我が家のアゲハのサナギが10月に羽化してしまったのだ。このタイミングでは、次世代に命を繋ぎにくいのではないか。
せめて、春の常識ぐらいは不変であってほしいもの。さて、それまでにお迎えするズームレンズは、どれがヨロシイかな?
個人的には、4コマ漫画の持つ独特な表現力と潔さに感服すると同時に憧れている部分があるのかも知れない。1枚だけでは語りきれない時の流れと、同一の画角では伝えきれないリズム感を仕上がりに反映するため、ワタシは今日もズームリングを回すのであった。
(上)ソニーα7C・タムロン28-200mmF/2.8-5.6 Di III RXD・125mmで撮影・絞りF5.0・1/320秒・ISO200
(下)ソニーα7C・タムロン28-200mmF/2.8-5.6 Di III RXD・200mmで撮影・絞りF5.6・1/500秒・ISO400
- ソニーα7C SPECS
型式=レンズ交換式デジタルカメラ
レンズマウント=Eマウント
撮像素子=有効約2420万画素35mmフルサイズ (35.6 x 23.8mm)、Exmor R CMOSセンサー
動画記録方式=XAVC S、圧縮形式XAVC S: MPEG-4 AVC/H.264
動画記録 撮影モード(XAVC S 4K)=3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) (約)30p (100Mbps / 60Mbps)ほか
記録媒体=SDメモリーカード、SDHCメモリーカード (UHS-I/II対応)、SDXCメモリーカード (UHS-I/II対応)
ホワイトバランスモード=オート / 太陽光 / 日陰 / 曇天 / 電球 / 蛍光灯 / フラッシュ / 水中オート / 色温度設定 (2500K-9900K)・カラーフィルター / カスタム
検出方式=ファストハイブリッドAF (位相差検出方式 / コントラスト検出方式)
測距点数=35mmフルサイズ時: 693点 (位相差検出方式)、フルサイズレンズ装着かつAPS-C読み出し時: 299点 (位相差検出方式)、APS-Cレンズ装着: 221点 (位相差検出方式) / 425点 (コントラスト検出方式)
検出輝度範囲=EV-4 - 20 (ISO100相当、F2.0レンズ使用)
AFモード=AF制御自動切り換え (AF-A) / シングル (AF-S) / コンティニュアス (AF-C) / ダイレクトマニュアルフォーカス (DMF) / マニュアルフォーカス (MF)
フォーカスエリア=ワイド / ゾーン / 中央 / フレキシブルスポット / 拡張フレキシブルスポット / トラッキング
瞳AF=[静止画] 人物 (左右瞳選択可) / 動物、[動画] 人物 (左右瞳選択可) / 動物
測光方式=1200分割ライブビュー分析測光
測光モード=マルチ測光、中央重点測光、スポット測光 (標準/大)、画面全体平均測光、ハイライト重点測光
露出制御モード=AUTO (おまかせオート)、プログラムAE (P)、絞り優先AE (A)、シャッタースピード優先AE (S)、マニュアル (M)モード、動画、スロー&クイックモーション
ISO感度=ISO100-51200 (拡張: 下限ISO50、上限ISO204800)、AUTO (ISO100-12800、上限/下限設定可能)
ファインダー=1.0cm (0.39型)電子式ビューファインダー (XGA OLED)、236万ドット、視野率100%、倍率約0.59倍 (50mmレンズ・∞)、アイポイント最終光学面から約20mm、接眼枠から約17.5mm
液晶モニター=7.5cm (3.0型) TFT、921,600ドット、角度調整機能 オープン角:約176°、チルト角:約270°
シャッター形式=電子制御式縦走りフォーカルプレーンシャッター
シャッター方式=メカシャッター / 電子シャッター
シャッター速度範囲=静止画撮影時 (メカシャッター): 1/4000-30秒・バルブ、静止画撮影時 (電子シャッター): 1/8000-30秒、動画撮影時: 1/4000-1/4、AUTO 1/60まで、オートスローシャッター1/30まで、X=1/160秒
手ブレ補正機能方式=イメージセンサーシフト方式5軸補正 (補正方式はレンズ仕様による)
補正効果=5段 (CIPA規格準拠、ピッチ/ヨー方向、Planar T* FE 50mm F1.4 ZA装着時、長秒時NRオフ時)
ドライブモード=1枚撮影、連続撮影 (Hi+/Hi/Mid/Lo切り替え可)、セルフタイマー、セルフタイマー (連続)、1枚ブラケット、連続ブラケット、ホワイトバランスブラケット、DROブラケット
連続撮影速度=Hi+時: 最高約10コマ/秒、Hi時: 最高約8コマ/秒、Mid時: 最高約6コマ/秒 、Lo時: 最高約3コマ/秒
連続撮影可能枚数=JPEG Lサイズ エクストラファイン: 215枚、JPEG Lサイズ ファイン: 223枚、JPEG Lサイズ スタンダード: 223枚、RAW: 115枚、RAW+JPEG: 86枚、RAW (非圧縮): 45枚、RAW (非圧縮)+JPEG: 39枚
電源=リチャージャブルバッテリーパック NP-FZ100、AC
電池寿命= ファインダー使用時: 約680枚、液晶モニター使用時: 約740枚 (CIPA規格準拠)
大きさ・重さ=約124.0×71.1×59.7mm・約509g(バッテリー・メモリカード含む)・約424g(本体のみ)
発売=2020年10月23日
価格=オープンプライス(229,900円前後)
タムロン28-200mmF/2.8-5.6 Di III RXD(Model A071)SPECS
焦点距離=28-200mm
画角(対角画角)=75°23'-12°21'<35mmフルサイズミラーレス一眼カメラ使用時>
レンズ構成=14群18枚
最短撮影距離=0.19m (WIDE) / 0.8m (TELE)
最大撮影倍率=1:3.1 (WIDE) / 1:3.8 (TELE)
フィルター径=Φ67mm
大きさ・重さ=最大径Φ74mm×長さ117mm・575g
絞り羽根=7枚 (円形絞り)
最小絞り=F16-32
対応マウント=ソニーEマウント用
発売=2020年6月25日
価格=99,000円 (税込)
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