どんなに高倍率&高画質なズームレンズを使っていても、そして、それがどれほど高級なズームレンズであっても、やってしまうときはやっちまう。っていうか、知らぬ間にやっている。ワタシだけじゃなく、アナタもきっと…。
それは、ズームレンズの「二焦点化」だ。バリアブルに焦点距離を、すなわち画角を変えられるのが魅力のズームレンズ。それをたったふたつの焦点距離にまとめよう(それしか使おうとしない)とは、ムダというよりゼイタクな所業である。いったい何がそうさせるのか…っていうか、これって単なる「あるある」なんだけどね。
皆さんにも経験があるハズだ。せっかくのズームレンズなのに、気がつきゃ「ワイド端」か「テレ端」しか使っていないってことが。仮に24-70mmのズームレンズだとしたら、そのレンズで撮った写真が「フタを開けてみりゃ24mmか70mmで撮ったモノばかり」という、アレである。
ズームレンズ好きを標榜するワタシにも、見事にその傾向は備わっている。特に(言い訳をするわけじゃないけれど)ズームリングの操作感がイマイチなレンズでは、意識せずとも"二焦点化"していることが多い。ズームリングの使い心地は、カメラやレンズが軽量であるほど撮影者の感情にズバリ刺さってくるもの。動画撮影でも使えるぐらいスムーズな操作ができるズームリングが理想だ。
で、そんな動画撮影で重宝されるのが電動ズームレンズなのだけど、これで写真を撮ろうとするときの微細な画角調整のしにくさは、手応えのよろしくない手動ズームリング以上に厄介だったりする。ただ、どういうワケかコチラでは、不快感よりもチャレンジ精神をくすぐられる感覚の方が強いという不思議な現象が起こりがちで、とりわけコンパクトカメラの電動ズームレンズに振り回されている状況には、クレーンゲームのイライラと同じような中毒性も。どうやら、コンデジの電動ズームレンズは、ハマるとヤバい系の快感毒素を密かに生成しているっぽい(執筆者個人の感想です)。だーからヤメられねぇんだな。こりゃ、まいったね。
ワイド端で撮影
ソニーRX100 Ⅵ(内蔵レンズ:24-200mmF2.8-4.5)・9mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF5・1/1000秒・ISO125・WBオート
テレ端で撮影
ソニーRX100 Ⅵ(内蔵レンズ:24-200mmF2.8-4.5)・72mm(35mm判換算200mm)で撮影・絞りF4.5・1/1000秒・ISO125・WBオート
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