私としたことが…。すっかり抜け落ちていた。いや、アタマの毛の話をしてるんじゃない。高倍率ズームレンズ搭載コンパクトデジタルカメラへの熱い思いが、だ。
高倍率コンデジにしか実現できない世界があることを誰よりも分かっていると自負していたくせに、フルサイズミラーレス機用の高倍率ズームレンズにばかり目を奪われていたこの頃である。過去にはなかったほどの描写性能を有するものが増えてきたからとはいえ、なんたることだ…。
そんなワケで、かつて使用頻度がメッチャ高かったソニー「DSC-RX10M4(RX10IV)」を手にすることも減っていた。いかんいかん。安易にフルサイズミラーレス機に流されてはイカン! 高倍率コンデジにこだわってこそのジブンだったのではないか? そう、写真も動画もRX10で…という時期は、確かにあったのだ。
1型センサーを搭載するソニーRX10は、3代目(M3)と4代目(M4)が35mm版換算24-600mm相当のズームレンズを搭載。初代と2代目は24-200mmレンズだったのだが現在はディスコンだ。つまり、「Vario-Sonnar T* 8.8-220mm」を搭載するM3とM4が"現行モデル"である。
このレンズは、その幅広い焦点距離域のみならず、F2.4-4という開放F値にも魅力が備わる。しかも、1.0型積層型CMOSセンサーの恩恵により、高感度を含めた画質面もコンデジとしては出色のデキだ。さらに、RX10M4に至っては、並みのミラーレス機と同等以上のAF動体捕捉&追従能力を持ち、ついでにいうなら最高秒間コマ速はAF/AE追従で24コマ/秒! とにもかくにも「俊足」にして「万能」なのである。
だからこそ、専門職を極めているわけではないなんて見方をされることもありそうだけれど、ナゼだかソンなトコロに奇妙な親近感を覚える私にとって、RX10M4は「偉大なる中途半端」の代表格。常時携帯することを再開してしみじみ思った。やっぱりコイツはスゲーと。100点満点中98点の連発はムリでも、80点で対応できる範囲がとにかく広いのだ。
スマホの台頭に抗えるのは高倍率コンデジだけ。なんてことを思いながら、同種コンデジの先行きがブラックホールのごとき漆黒の闇にか見えないのはどうしたことだろう。高倍率コンデジは、平成の足跡となり時の流れに埋もれてしまうのか。カメラとしてひとつの頂点を極めているともいえる高倍率コンデジに、もし先細りの未来しかないとするならば、それはまるで我がことのように哀しすぎるのである。
テレ端は35mm判換算600mm相当の開放F値F4。しかも、315点の位相差画素を配するメモリー一体1.0型積層型CMOSセンサー+画像処理エンジンBIONZ Xがタッグを組むことで、AFの動体追従も最高約24コマ/秒で極めて正確に行われる。1000グラム超のデカ重ボディにも納得の実力だ。220mm(35mm判換算600mm)で撮影・絞りF4・1/2000秒・−0.3EV補正・ISO1000
ワイド端の最短撮影距離は約3cm!(レンズ先端から被写体までの距離)。テレ端でも約72cmまで寄れるので、実は動きモノに強いだけではなくマクロ撮影もイケちゃうというワケ。これを万能といわずナンといおう。高倍率コンデジを甘く見ると泣きを見るぜ。8.8mm(35mm判換算24mm)で撮影・絞りF4・1/160秒・+0.3EV補正・ISO100
- ソニーサイバーショットDSC-RX10M4(RX10IV)SPECS
◉イメージセンサー
センサータイプ=1.0型(13.2×8.8mm) Exmor RS CMOSセンサー、アスペクト比3:2
有効画素数=約2010万画素(総画素数 約2100万画素)
◉レンズ
レンズタイプ=ZEISSバリオ・ゾナーT*レンズ
焦点距離=8.8〜220mmF2.4-4.0(35mm判換算24〜600mm相当)- レンズ構成=13群18枚(AAレンズを含む非球面レンズ6枚)、虹彩絞り=9枚
撮影距離(レンズ先端から) =AF約3cm-∞(ワイド端時)、約72cm-∞(テレ端時)、約140cm-∞(35mm換算250mm時)
光学ズーム=25倍(動画記録中光学ズーム対応)
デジタルズーム=20Mサイズ 約100倍/ 10Mサイズ 約140倍 / 5.0Mサイズ 約200倍 / VGAサイズ 約380倍
◉モニター
モニタータイプ=3.0型(4:3)・1,440,000ドット
角度調節機能=上に約109度、下に約41度
◉ビューファインダー
型式/総ドット数=0.39型 電子式ビューファインダー(OLED)、2,359,296ドット
視野率/倍率=100%/約0.70倍(35mm判換算、50mmレンズ)
アイポイント 最終光学面から約23mm(CIPA規格準拠)
視度調整=-4.0〜+3.0ディオプトリ−
◉カメラ
画像処理エンジン=BIONZ X
手ブレ補正機能=光学式
フォーカスモード=オートフォーカス(AF-S)、オートフォーカス(AF-A)、オートフォーカス(AF-C)、ダイレクトマニュアルフォーカス、マニュアルフォーカス
フォーカスエリア=ワイド(315点(位相差検出方式)/25点(コントラスト検出方式))、中央、フレキシブルスポット(S/M/L)、拡張フレキシブルスポット、ロックオンAF(ワイド/中央/フレキシブルスポット(S/M/L)/拡張フレキシブルスポット)
測光モード=マルチパターン、中央重点、スポット(標準/大)、画面全体平均、ハイライト重点
露出補正=±3.0EV、1/3EVステップ
◉露出制御 ●
ISO感度=Auto(ISO100-12800)、100〜12800(拡張ISO64/80)、マルチショットNR:Auto(ISO100-12800)、100〜25600
ホワイトバランス設定=オートホワイトバランス、太陽光、日陰、曇天、電球、蛍光灯(温白色)、蛍光灯(白色)、蛍光灯(昼白色)、蛍光灯(昼光色)、フラッシュ、色温度&カラーフィルター、カスタムWB- シャッタースピード=メカ時:30-1/2000秒 ※F8以上に絞った場合、開放時の上限は1/1000秒、電子時:30-1/32000秒
- 撮影モード=AUTO(おまかせオート/プレミアムおまかせオート)、プログラムオート、絞り優先、シャッタースピード優先、マニュアル露出、MR(メモリーリコール)、動画、HFR、パノラマ撮影、シーンセレクション
- シーンセレクション=ポートレート、スポーツ、マクロ、風景、夕景、夜景、手持ち夜景、夜景ポートレート、人物ブレ軽減
- 連写(最大画素数時) =Hi:最高約24コマ/秒、Mid: 最高約10コマ/秒、Low: 最高約3.5コマ/秒
- ドライブモード=1枚撮影、連続撮影(Hi/Mid/Lo切り替え可)、セルフタイマ-、セルフタイマー(連続)、連続ブラケット、1枚ブラケット、ホワイトバランスブラケット、DROブラケット、パノラマ、スイングパノラマ
フラッシュモード=自動 / 強制発光 / スローシンクロ / 後幕シンクロ / 発光禁止 / ワイヤレス(対応フラッシュ装着時)
フラッシュ調光範囲=ISO Auto時:約1.0-10.8m(ワイド端時)/約1.0-6.5m(テレ端時)、ISO12800時: 最大到達距離約20.8m(ワイド端時)/約12.8m(テレ端時)
◉記録
記録メディア=メモリースティック デュオ、PRO デュオ、PROデュオ(High Speed)、PRO-HG デュオ、メモリースティック マイクロ、マイクロ (Mark2)、SD、SDHC(UHS-I対応)、SDXCカード(UHS-I対応)、microSD、microSDHC、microSDXCカード
記録フォーマット(静止画)=JPEG、RAW
記録フォーマット(動画)=XAVC S、AVCHD規格 Ver.2.0準拠
静止画記録サイズ=3:2モード:20M(5,472×3,648)ほか
動画撮影時静止画記録サイズ=16:9モード: 17M(5472 x 3080)ほか
動画撮影モード=AVCHD: 24M FX(1,920x1,080/60i)ほか 、XAVC S 4K: 30p 100M(3,840x2,160/30p)ほか、XAVC S HD:60p 50M(1,920x1,080/60p) ほか 120p 100M(1,920x1,080/120p)ほか
HFR(ハイフレームレート) =<記録>XAVC S HD:60p 50M(1,920x1,080/240fps)ほか
◉インターフェース
入出力端子=マルチ/マイクロUSB端子、Hi-Speed USB(USB2.0対応)、HDMIマイクロ端子、マイク端子(3.5mmステレオミニジャック)、マルチインターフェースシュー、ヘッドホン端子
NFC対応=◯(NFCフォーラム Type 3 Tag に準拠)
Wi-Fi対応=◯(IEEE802.11b/g/n(2.4GHz帯))
◉電源
電源=NP-FW50
USB充電・給電機能=◯(撮影、再生)
電池寿命=静止画撮影時(CIPA準拠) :液晶モニター使用時:約400枚、ファインダー使用時:約370枚
◉その他
その他の撮影機能=瞳AF、顔検出、個人顔登録、動画撮影時静止画記録、スマイルシャッター、グリッドライン、クイックナビ、電子水準器 (水平垂直方向)、WBブラケット、Dレンジオプティマイザーブラケット、MFアシスト、ピーキング(高/中/低/切)(色:赤/黄/白)、ゼブラ、マーカー表示、録音レベル、音声出力タイミング、ステップズーム/クイックズーム、TC/UB、著作権保護、ISO Auto 低速限界設定、PCリモート、ズームアシスト、フォーカスホールド、ガンマ表示アシスト、[動画]AF追従感度、[動画]AF駆動速度、ファイル名設定、フォーカスレンジリミッター
動作スピード=起動時間(約1.6秒)/撮影タイムラグ(0.07秒)/撮影間隔(0.41秒)
大きさ=幅132.5×高さ94.0×奥行145.0mm(レンズ先端からファインダーまで)、幅132.5×高さ94.0×奥行127.4mm(レンズ先端からモニターまで)
重さ=約1095g(バッテリー、SDXCカード含む)/約1050g(本体のみ)
発売=2017年10月6日
価格=オープンプライス(実売211,730円前後・税込)
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