Gallery Yocto is a cozy, artist-run gallery space tucked into an unassuming apartment building in Shinjuku. For the first half of February this year stepping through its doorway you found yourself face to face with Hiroyoshi Yamazaki’s large photographs of Tokyo’s colorful, early 90’s bubble-era streets. This series, Smell on the Street, was at the end of 2022 published in a wonderful photobook which I shared in a December column here. (https://photoandculture-tokyo.com/contents.php?i=1654) In regard to the photographs themselves, everything remains true. Yamazaki’s photographs are captivating both visually, in their energy and color, as well as in how they document an era of Tokyo which has disappeared under the massive physical redevelopment and a growingly reticent population.
Having spent a lot of time with the book, viewing these images as prints was somewhat like experiencing them again for the first time. Here they were large, framed, and unencumbered by the book’s gutter. In a book your eyes move about the page- here you use your neck. Hung at various levels around the room, visitors engaged with the work physically—bending over to see the lower ones closer, standing on their toes to get a better look at the ones on top. This echoes what it’s like to make one’s way around on the streets- Yamazaki’s lens leads the way here. That lens- well, one of them used, was on display- a crumbling, inoperative Konica MT11, a compact camera which he used for its miraculous flash-sync mode.
Yamazaki is great. Books are great. Paper is great. Photo exhibitions are great. Galleries are great. Going to a place is great- a place for something, in this case a photo gallery, is evidence of devotion. On the part of the photographer taking the time and effort, it denotes importance- the act of snapping the shutter signifies the cherishment of a moment or a person. It also frames and preserves curiosity- Look at this!
Thank you Yamazaki sensei, for letting us see.
新宿の裏道、平凡な雑居ビルにある「ギャラリーヨクト」。
今年の2月前半、ギャラリーに一歩足を踏み入れると、1990年代のカラフルな東京のストリートにタイムスリップすることができました。
写真家・山崎弘義氏のシリーズ「路上の匂い」は、2022年末に素晴らしい写真集として出版され、本については12月のコラムで紹介しました。
▷ Tokyo Photobook Tour 14 山崎弘義『路上の匂い』
すでに作品に対する想いを書いていますが、山崎さんの写真は、その時代のエネルギーや色彩といった視覚的な魅力だけでなく、大規模な再開発と寡黙な人口増加によって姿を消した東京を記録しているという点でも、魅力的なのです。
写真集『路上の匂い』で山崎さんの作品と多くの時間を過ごしていましたが、この会場で大きなプリントを見たとき、「二度目の初めて」を体験したような気がします。
写真集では目を動かしながらページをめくりますが、展示は首を使います。低い位置の作品を近くで見ようと腰をかがめたり、上の写真をもっとよく見ようとつま先立ちをしたりと、来場者は身体を使って作品に触れていました。
これは、山崎さんのレンズが先導する、街中での移動のようなものと呼応しています。 そのレンズのひとつが、ギャラリーの真ん中にあるテーブルに置いてありました。
ボロボロで動作しない「コニカMT11」というコンパクトカメラで、奇跡のフラッシュシンクロ・モードを使っていたのだそうです。やっぱり、使われたカメラがあることによって、写真展がさらに面白くなる気がします。
山崎さんはgreat。
写真集ってgreat。
写真展ってgreat。
ギャラリーってgreat。
ギャラリーは場所です。
当たり前ですが、スマホなどでも写真を見きれない時代において、「場所」というのは大事ですよ。
「場所」には献身の証拠があるのです。
山崎先生の写真に対する献身は感動的なものです。
ギャラリーから帰る途中、路上の香りが新しく感じられた。
- 山崎弘義写真展「路上の匂い」
2023年2月2日(木)~19日(日)- 会場:ギャラリーヨクト (東京都新宿区四谷4-10 ユニヴェールビル102)
- 時間:13時〜19時(月曜・火曜休廊)
■写真展内容(詳細はこちら)
「路上の匂い」は1987年から1990年頃に新宿・原宿・渋谷・浅草・上野などの東京の繁華街で撮影したスナップ作品である。この期間中には天皇崩御という歴史の転換点を含み、またバブル景気の危うさを感じながら乗らなきゃ損々という空気が充満していた時期でもある。なにか街の中がざわついていた印象を持っている。また私自身の人生の中で一番血の気が多い時期でもあった。
撮影した時期には写真集を出版するタイミングがなかったが、コロナ第一波で外出自粛が叫ばれていた2020年4月頃から、すべてのフィルムのベタ焼きをスキャニングして作成し、改めてセレクトを行った。約450本あったので大変な作業になった。
先に出版した「CROSSROAD」が1990年から1996年頃の撮影なので、東京をほぼ10年撮影していたことになる。ストリートスナップはジグソーパズルの1ピースを収集する行為に近い。たくさん集めたところで大きなイメージができあがる保証はない。30年という時間を経てジクソーパネルを組み立てる作業を行っているのかもしれない。その中から東京の断片が何か見えてくれることを願う。
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