top コラム一人で行く、オールドレンズの散歩道第10話 渋谷のスクランブル交差点を撮る一時間半コース

一人で行く、オールドレンズの散歩道

第10話 渋谷のスクランブル交差点を撮る一時間半コース

2022/08/09
柊サナカ

本日のレンズ
<PENTACON Auto MC 29mm f2.8>

 

このレンズは早田カメラさんで、「M42マウントのレンズを探しています。ちょっと変わったレンズがいいです。わりと広角が好みです」と言ったら教えてもらったレンズです。こちらは29ミリ。28ミリはよく見かけますが、29ミリってちょっと珍しいですよね? 35ミリよりは広角、28ミリよりは若干狭いといったこのレンズ、写してみれば、ほどよい広角の広がりがあって好きです。今日はこのペンタコン オートMC29ミリを使うことにします。

 

α7 Ⅱに装着しました。アダプターは愛用しているMUKカメラサービスのヘリコイド付きM42アダプター。ちなみにすごく寄れます。


渋谷と聞いてみなさん、何を思い浮かべますか。
わたしにとって渋谷は、かつての東急東横百貨店の「世界のカメラ市」の渋谷で、Bunkamuraザ・ミュージアムで写真展を見る渋谷で、そのあと喫茶ライオンに行く渋谷でもあります。駅前に、いつも変わった服装のおじさまが立っている渋谷でもあります。

 

わたくし重度の方向音痴なもので、渋谷に行けばたいてい毎回、道に迷います。駅もずっと工事しているし、お店も変わったり。行く度に表情が変わる街だな、と思うのです。まるで生き物のよう。

 

その渋谷の中でも、毎回「おお」となり、立ち止まって眺める場所があります。駅前のあの有名な、渋谷スクランブル交差点。兵庫県の田舎で育ったわたしは、最初見たときに(お祭りの日でもないのにこんなに人が出歩いてる……)と驚き、向こう側から来た人と、こっち側から行く人が、ぶつかることなくスッ……とすれ違うのもなんだかすごいし、渡りながらキョロキョロしているのはわたしぐらいで、クールに歩いているのも、いかにもこの交差点を渡り慣れた都会の人たちという感じがして、「ついに首都・東京に来ましたよ……」と感慨深かったです。
外国人の方がよく写真を撮っているのも見かけますが、その気持ちもわかろうというものです。

 

さてこの交差点、歩いて渡ってもこれだけ面白いのだったら、俯瞰で撮ったら絶対面白いだろうなと、かねてから思っていました。近くの喫茶店でも見られるでしょうが、できればもう少し高さが欲しいし、たくさん写真を撮りたい。うまく見下ろせる高さのあるところがないだろうか――と、〔渋谷 交差点 俯瞰〕で探していたら、見つけましたよ、MAGNET by SHIBUYA 109 。調べてみれば、立地はあの渋谷スクランブル交差点すぐ横です。あまり高いと人が点のようになってしまうでしょうし、交差点全体が入り、なおかつ人の歩いている姿もわかる、わたしの理想とする俯瞰写真にはベストな高さというところも魅力的です。

 

 

渋谷スクランブル交差点。行きかう人を撮るのが面白いです。ドラマを感じます。(α7 Ⅱ、PENTACON Auto MC 29mm、f8、1/250、ISO100)

 

一斉に横断歩道を渡る様子も楽しい。(α7 Ⅱ、PENTACON Auto MC 29mm、f8、1/250、ISO100)

 

こちらMAGNET by SHIBUYA 109。SHIBUYA CLASSは、まさに渋谷スクランブル交差点を見下ろす位置にあります。立地が最高だと思いませんか。

 

 

(今回取材のため、MAGNET by SHIBUYA 109と、屋上であるSHIBUYA CLASSに事前申し込みをしました。趣味で写真を撮っている方なら、どなたでもカメラ持ち込み、写真撮影は歓迎ということです。)

 

さっそくカメラを持って行ってみようではありませんか。

 

MAGNET by SHIBUYA 109の屋上は、かつては有料の展望台だったようですが、今では屋上ビアホールのような、開放的な様相のSHIBUYA CLASS(サムギョプサル焼肉専門店)となっています。カメラの持ち込みは、サムギョプサルセットを注文した方はもちろん、“展望台ドリンク”として、1ドリンク(ソフトドリンク550円か、アルコール880円)ご注文の方も、カメラの持ち込みができるとのこと。渋谷を撮り歩いて、ちょっと一休みにもいいですね。
焼肉、石焼ビビンバ、スンドゥブチゲ……美味しそうな焼肉にも心引かれましたが、今日は目的があります。
屋上は透明の樹脂パネルで覆われていて、視界はとても開けており、樹脂の透明度もあって写真撮影にはもってこいです。+550円かかりますが、ぜひテラス席をおすすめしたいところ。渋谷スクランブル交差点を見下ろせるベストな位置!
何より素晴らしいのは、2022年6月現在、三脚の持ち込みと使用がOKなこと。展望台の情報をいろいろと調べていて、三脚使用ができるところはほとんどない中で、これはありがたいですね。

 

 

SHIBUYA CLASSはサムギョプサル(豚バラ肉)焼肉専門店です。今回食べられませんでしたが、食べてみたい。(α7 Ⅱ、PENTACON Auto MC 29mm、f2.8、1/1000、ISO250)

 

見てくださいテラス席の見晴らし。近未来感があるような気もします。(α7 Ⅱ、PENTACON Auto MC 29mm、f8、1/160、ISO250)

 

テラス席からのスクランブル交差点の眺め。テラス席は自由度が高くていいですね。(α7 Ⅱ、PENTACON Auto MC 29mm、f8、1/160、ISO200)

 

別方向も。人々がフォーメーションのように写りました。(α7 Ⅱ、PENTACON Auto MC 29mm、f8、1/160、ISO250)

 

駅からの人々が途切れなく出てきます。(α7 Ⅱ、PENTACON Auto MC 29mm、f8、1/160、ISO250)

 

 

三脚が使えるなら、夜に長時間露光して、車のライトを光の川みたいに撮っても面白いし、絞りをいっぱい絞って光の点を星の形にしても良いし、雨の日は色とりどりの傘をちょっと流してもいいし、流れる傘の中で、一人立ってこちらをじっと向いてもらうのも楽しそう。タイムラプスもきっとはかどります。焼酎! 三枚肉! 撮影! パッピンス(韓国風かき氷)! 撮影! マッコリ! ビール! とアイデアが膨らみます。

 

このSHIBUYA CLASSには別室のスカイラウンジもあります。こちらも+550円となりますが、透明度の素晴らしいガラス張りです。絶景ですね。ここ、ガラス張りになっている柱もあるので、その柱を生かしての自撮りや、被写体をうまく夜景に反射させて、夜景の中に浮かんでもらうということもできそうです。写真仲間と来るのも楽しそう。屋上の樹脂・ガラスともども、反射の映り込みを防ぐためにも、夜景撮影用のシリコンフードや、暗幕やPLフィルターなどの対策があればなお良さそうです。

 

SHIBUYA CLASSのお店の方も、夏を迎えての屋上でビール&焼酎&焼肉は爽快感があって最高だとのこと。昼は行き交う人々を、夕方は長く伸びた人々の影を、そしてマジックアワーの街と一面の夜景。楽しみはつきません。カメラを持ってぜひMAGNET by SHIBUYA 109屋上、SHIBUYA CLASSまで。

 

 

こちらはスカイラウンジ。透明度の高いガラス張りです。(α7 Ⅱ、PENTACON Auto MC 29mm、f8、1/160、ISO1250)

 

鏡張りの柱があって、いろいろなアイデアで写せそうです。自撮りも。(α7 Ⅱ、PENTACON Auto MC 29mm、f8、1/160、ISO2500)

 

スカイラウンジからも交差点がばっちり見下ろせますし、別方向も。この写真は別方向、車がミニカーのように見えます。(α7 Ⅱ、PENTACON Auto MC 29mm、f8、1/160、ISO640)

 

SHIBUYA CLASSメニュー表。

 

 

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