top コラム一人で行く、オールドレンズの散歩道第13話 MONO GRAPHY Camera & Art(モノグラフィー カメラ&アート)と、PCTガラクタ市の、3時間コース。

一人で行く、オールドレンズの散歩道

第13話 MONO GRAPHY Camera & Art(モノグラフィー カメラ&アート)と、PCTガラクタ市の、3時間コース。

2022/11/01
柊サナカ

本日のレンズ
<ロシアレンズ、インダスター5cm F3.5>

 

ロシアレンズ好きとしては外せない、このインダスター。ロシアレンズの中で、一番わたしが好きなのがキエフ60用のボルナですが、このインダスターもなかなか好きな写りをします。

 

インダスター5cm F3.5。SONY α7Ⅱにつけたところ。

 

今回、小伝馬町の「MONO GRAPHY Camera & Art」というショップ&ギャラリーに初めて行ってきました。こちらは上田晃司さん、コムロミホさん、両者ともフォトグラファーのご夫妻が開いた、ショップ&ギャラリーです。

https://www.monography.shop/


訪問のきっかけは、PCT主催でガラクタ市をすることになり、わたしも連載陣の一人として、少しながらカメラの出品をしましたので、果たして、柊の出したカメラは売れるのだろうか……と気になり、開催場所であるMONO GRAPHYに出かけてみたのです。


そのMONO GRAPHYが、個人的にとても好きな場所だったので、ぜひぜひみなさんに紹介したく思います。

 

MONO GRAPHY看板。本日はPCTガラクタ市のポスターも。

 

この記事をお読みになっているみなさんは、カメラで写真を撮ったり、見たりするのが好きな方だと思いますが、撮った写真って、いつもどうなさっているのでしょう。スマホの中にデータとして一枚一枚溜めていって、SNSで公開したらそのまま、撮ったことも忘れてしまって、膨大なデータの中から見つけ出せず、次第に写真は記憶の彼方へ……。ということはないでしょうか。


そういうわたしも、撮るだけ撮って、見返していない写真の何と多いこと。そんな中、MONO GRAPHY
は、写真を単なるスマホの中のデータではなく、プリントすること、飾ること、見て楽しむこと、展示作品や写真集を観て楽しむことも含めて、写真を物質として、手に取る喜びにあふれたギャラリーだと思いました。

 

今回、MONO GRAPHYで展示中の市ノ川倫子さんの作品は、著作権の関係で写真には撮りませんでしたが、プリントした写真作品を、金の素敵なクリップで挟んでから、さらっと壁にかざったり、写真が箱の中の大切な宝物のように額装してあったり、家の中でいかに写真を愛でるか、というアイデアも素敵でした。


さすが、ギャラリーを経営なさっているのが、フォトグラファーの上田晃司さん、コムロミホさんですよ。餅は餅屋、写真は写真家。日常に写真をさりげなく取り入れることのヒントとセンスに、刺激を受けました。私も突然、家に写真を飾ってみたくなって、思わずポストカード作品と額とを、2セット衝動買いしたくらいです。日常にもっと写真を!

 

MONO GRAPHYで購入した額その1。河野鉄平氏の手焼きプリントをスキャンしたポストカード。実物はもっと美しいので生でご覧になってほしい。
 

こちらの作品は、河野鉄平氏による、アフガニスタンで撮られた風船の写真で、この美しい色合いが出るように何度もこだわって刷られたという、手焼きプリントをスキャンした特別な一枚です。何かこう、見ていると、気持ちが明るくなってきますよね。こちらの作品を額に入れてもらいました。

 

MONO GRAPHYで購入した額その2。ドローン空撮が美しい上田晃司氏の作品。こちらも息を飲むような美しさ。画面越しでは伝えきれないので実物をぜひ。

 

もう一枚。上田晃司氏による、ドローンで撮られた俯瞰の海の、なんと美しいこと。こちらの作品は、もうポストカードの形では店頭にあるもののみ、とお聞きしました。今、店頭に無くなっていたらすみません! 買えて何よりでした。こちらも額に。

 

えっ、作品と額って、柊、また思い切ったな、ケチなくせに、とお思いの読者の方も、ご安心ください。わたしが購入したのは、写真作品・購入初心者の第一歩として、踏み出しやすい、ポストカード大のサイズ感の作品。大型の写真作品にも、もちろん憧れがあるのですが、この素敵な写真に合うような部屋がまずない……広さもない……となって気後れしてしまうこともあるので、ポストカードサイズに慣れてから、いよいよ次こそ、と思いますね。


写真は世界の窓みたいですよね。部屋にひとつあるだけで、雰囲気が大きく変わりそうです。

 

あと、MONO GRAPHYの写真集の棚も面白い。古本も新品も気になる本がたくさん。田所美恵子「針穴のパリ」や、ずっと探していた、復刻版でないほうの、渡部雄吉「張り込み日記」を買うかどうか真剣に悩みました。


棚の間にある小物も、いらしたら、ぜひご覧になっていただきたい。欲しい! と思う可愛いものがたくさん。ミニチュアカメラのネックレスにも惹かれました。

 

ポストカードも充実しています。

 

美しい手焼きプリントをスキャンして制作されたポストカードコーナー。

 

イルフォード・フォトのインクジェット対応用紙も箱で売っていて、へえ、と思ってホームページを見たら、40種類ほどもあるインクジェットペーパーの中から、紙も選んで購入することができるのだとか。プリントのサービスまであるとはすばらしい。
MONO GRAPHYで展示に通い、センスを磨いて、お気に入りの作品が撮れたら、紙のアドバイス等をもらいながらプリントして、ってとても楽しそう。MONO GRAPHY写真部という、写真教室があるのもいいですね。
https://www.monography.shop/shop

 

わたしはこの、MONO GRAPHYがある小伝馬町という街が大好きなのです。小伝馬町には他にも、素敵なギャラリーがたくさん集まっています。


わたしの休日コースは、神田駅近くのTHE BASE POINTでイルフォード・フォトの印画紙やフィルムを買い、歩いて小伝馬町まで、アイアイエーギャラリー→ルーニィ247ファインアーツ→KKAG(Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery) というコースでしたが、アイアイエーギャラリーの真上が、MONO GRAPHY。コースがまた新しく充実して嬉しい限り。

 

MONO GRAPHY、PCT主催ガラクタ市仕様。いつもは、真ん中のこのカメラの棚はありません。

 

見ているといろいろ欲しくなります。カメラの棚もいろいろ並んでますね。

 

MONO GRAPHYで行われた、PCTガラクタ市は、出品側なので、さすがにお客さんに申し訳ないかなと思い、買い物を自制していたのですが! すごくお買い得なものが出ていたので、目の前でガンガン売れていくペトリ、GR1v(これは完動美品、五万円は破格でしたね……うらやましい)チノンを横目で見つつ我慢の子でした。お仕事を少し休んでいらっしゃった方が、カゴいっぱい買われたり、見事なお買い物っぷりでした。

 

意外に売れるのがフィルム。期限切れ20年前のものも飛ぶように売れていって、フィルム補充はないの?とお聞きになるお客さんが多いのも印象的でした。絶対売れ残ると思っていた、私の10年前の熟成トライXも売れましたよ。びっくり。

 

始まる前は、転売関係の方がいっぱい来て、カゴにガンガンレンズとかありったけ入れていったら、複雑な気分になるかな……と思っていましたが、いらしていたのは、みなさん愛好家、カメラがお好きなんだなとわかる雰囲気の方が、楽しみながら買い物なさっていて、こういう風景は改めていいものだな、と思いました。柊もパノラマカメラを出した甲斐がありましたよ。


好評だったらしく、ガラクタ市は、次回もあるかもということでした。お楽しみに。

 

 

PCTガラクタ市の様子。にぎわっていますね。みなさん、良いお買い物はできたでしょうか。

 

■MONO GRAPHY Camera & Art

東京都中央区日本橋小伝馬町17-5-2F

OPEN Thu/Fri/Sat 12:00-19:00 Sun 12:00-15:00

https://www.monography.shop

https://twitter.com/monography7?s=20&t=FbG-T_QvzfFr4e-FzOIfsg

 

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