台湾・台北レポート、「Photo ONE 2025」編、「カメラ店、写真展」編に続き、最後に「書店」編をお送りします。
台北ではいくつかの書店へ行くことができました。訪台前から行ってみたかったお店、現地で教えてもらった書店まで、訪問したショップをご紹介したいと思います。
台北訪問前に写真集を多く扱う書店と教えてもらっていたお店。ホテルのある西門からPHOTO ONE会場へ向かう道中にあることがわかり、ホテルへ荷物を預け、その足で伺ってみることに。
きれいにまとまった店内に整然と写真集がならび、日本の作家の写真集も多く見受けられました。またZINEの取り扱いも豊富。日本からのお客さんと思われる方も来店されていました。
富澤大輔さんの特集が展開されていました |
ZINEや少部数出版の書籍も豊富 |
- 住所:台北市中山區中山北路一段53巷6號
- アクセス:TRA・THSR・MRT「台北(Taipei Main Station)」駅より徒歩10分
- 営業時間:12:00〜7:00(定休日:月曜)
- https://pon-ding.com/
雑誌『写真』やPCT刊行の北島敬三さん写真集『NEW YORK』[新版]を取り扱っていただいているショップ。事前にスタッフの黃思綺さんに伺うことを伝えていたこともあり、ようやくお会いしてご挨拶できました。黃さんは日本語がペラペラなので、安心してお買い物ができます。
入口を入ってすぐの壁には、日本の写真集がずらり。また奥の壁も日本の写真集で埋め尽くされていました。日本の写真集フェアを行っていたようです。
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フェアでなくとも常時これだけの写真集を取り揃えていることに驚き。台北へ行ったらぜひとも訪れていただきたいお店です。
店内で黃さんとお話ししていると、manpan pressの鈴木満帆吏さんが来店。松岡一哲さんの写真集イベントのために台北へいらしたそうで、タイミング良くご挨拶させていただき、良い出会いとなりました。
雑誌『写真』vol.7と『NEW YORK』[新版]を納品 |
manpan pressの鈴木さんと、moomスタッフの黃さん |
- 住所:10654 台北市忠孝東路三段251巷8弄16號
- アクセス:MRT「忠孝復興(Zhongxiao Fuxing)」駅より徒歩4分
- 営業時間:12:00~20:00(無休)
- https://moom.cat/en
台北市立美術館の地下1階に店を構えるTFAM Bookstore。「カメラ店・ギャラリー」編で触れたとおり、台北市立美術館の地下は飲食店や子どもの遊ぶスペースが広く取られており、その一角にTFAM Bookstoreはあります。
店内に入ると早速PHOTO ONE 2025総括で写真家沈昭良さんの写真集がずらり。新刊も拝見することができました。また雑誌『写真』で寄稿いただいたマーク・ロビンソンさんの作品集も。美術館の展示を観覧したあとは、地下1階でゆっくり過ごすのがおすすめです。
- 住所:台北市中山北路三段181号
- アクセス:MRT「圓山(Yuanshan)」駅より徒歩10分
- 営業時間:9:30~17:30(土曜日は20:30まで)
- https://www.tfam.museum/Common/editor.aspx?id=69&ddlLang=en-us
- https://www.taiwanarttogo.com/?ddlLang=en-us
PHOTO ONEのブックフェアにも出店していた未来市は、華山1914文化創意産業園区(クリエイティブパーク)のショップのほかに、國家撮影文化中心(National Center of Photography and Images)の1階にもショップがあります。
入口を入ってすぐの空間は雑貨などがならび、お土産選びにぴったりです。ずんずん奥へ進んでいくと別室があり、そこは四方写真集に囲まれた空間。
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台湾の作家はもちろん、日本の作家の写真集も豊富に取り揃えています。『Voices of Photography 攝影之聲』のバックナンバーが一番充実しているのはこちらの未來市ではないでしょうか。NCPIの展示と合わせてぜひ訪れることをおすすめします。
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- 住所:100 台北市中正区忠孝西路一段70号
- アクセス:TRA・THSR・MRT「台北駅」より徒歩1分(駅前地下通路5番出口直上)
- 営業時間:10:00~18:00(定休日:月曜)
- https://ncpi.ntmofa.gov.tw/en/Default.aspx
台北滞在三日目は、『Voices of Photography 攝影之聲』の編集長、李威儀さんとMRT中山駅で待ち合わせ。小林紀晴さんとPCTチームは、李さんおすすめの書店をいくつか案内していただきました。台北初日の夜に李さんと食事をした際に、一緒に中山エリアを巡ろうと約束していたのです。
『Voices of Photography 攝影之聲』
中山駅西側の赤峰街は、文化や流行の発信拠点。日本の渋谷のような雰囲気です。
生憎の雨の中、笑顔を絶やさず終始ジェントルマンな李さん。案内いただいた書店はどこも素敵なお店ばかりでした。
日本統治時代の建物が残る赤峰街。赤峰街には、古い建物そのままにリノベーションしたお店がたくさんあるそうで、浮光書店も歴史の感じる街並みの中にあります。
階段を上ると、雰囲気の良い店内には書店スペースとカフェスペースが併設。文学を中心とした書籍やカルチャー誌がならんでいました。
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- 住所:103 台北市大同區赤峰街47巷16號2樓
- アクセス:MRT「中山(Zhongshan)」駅より徒歩4分
- 営業時間:12:00~22:00(無休)
- https://www.instagram.com/illuminationbooks/
店内に入ると、手前に書店スペース、カウンターを挟んで奥には広々としたカフェスペースが。専門書籍のセレクトがいい感じで、写真集コーナーも充実していました。
カフェで李威儀さんへインタビューしつつ、居心地の良さから長居しました。『Voices of Photography 攝影之聲』のこと、台湾の写真業界のことなど、ゆったりのんびりとお話しできました。
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- 住所:103 台北市大同區赤峰街41巷5號1樓
- アクセス:MRT「中山(Zhongshan)」駅より徒歩4分
- 営業時間:12:00~22:00(無休)
- https://www.instagram.com/basisbooks.kimotsi/?locale=ja-JP&hl=en
奎府聚書店 KIMOTSIのすぐ隣にある書店。文芸書が多い印象でした。
こちらもカフェスペースを併設していて、このセットが台湾の書店のベーシックなスタイルなのか、と調べてみると、やはりこういったブックカフェスタイルのお店が多いそう。
- 住所:103 台北市大同區赤峰街41巷7號
- アクセス:アクセス:MRT「中山(Zhongshan)」駅より徒歩4分
- 営業時間:12:00~22:00(無休)
- https://www.instagram.com/athenabooks.taipei/
陽が落ちて、そろそろ解散、となった我々は中山駅へ。最後に駅構内にある誠品書店へ立ち寄りました
。
東京日本橋にも展開している誠品書店は、台湾発の大型総合書店。「誠品R79」は、全長約300mの台北市・中山地下書店街にあります。台湾で最も長い書店街だそう。李さんおすすめの写真集を閲覧。
存分に書店行脚を楽しんだ我々は、李さんと再会を約束して中山駅で別れました。
気になる写真集があったので書店員さんに中を見たいと尋ねると、快くシュリンクをはがしていただきました!
(左から)PCT村上、李威儀さん、小林紀晴さん
- 住所:10352台北市大同区南京西路16号B1
- アクセス:MRT「中山(Zhongshan)」駅・MRT「雙連(Shuanglian)」駅直結
- 営業時間:10:00~21:30(無休)
- https://www.eslitecorp.com/eslite/branch.jsp?id=114&site_id=eslite_jp&page_no=1
李威儀さんが、「よくここに宝物を探しに行きます」という古本屋さんへ行ってみることに。この公館駅のエリアには、台湾国立大学の建物がならぶ街並みで、早稲田や神保町のような古本屋街の雰囲気です。
古今書廊二手書店は、古い書籍や歴史資料が並ぶ「博雅館」と、新しめの書籍やCD、DVDなどを取り扱う「人文館」の2店舗に分かれています。「博雅館」では森山大道さんの台湾版『犬の記憶』も。私は「人文館」でジブリ作品のDVD(台湾版ジャケット)をゲット…。
- 住所:100台北市中正區羅斯福路三段244巷17號
- アクセス:MRT「公館(Gongguan)」駅より徒歩6分
- 営業時間:12:30~21:30(定休日:月曜)
- https://www.pnpbook.com.tw
書店ではないのですが、ぜひともご紹介したいのがこちらのLightbox。写真集を自由に閲覧できる公共スペース、図書館です。大通りから路地を少し進んだ静かな住宅地のなかにお店が現れます。
2016年の設立から9年目を迎えたLightboxは、台湾の写真集以外にも、アジアや洋書も含め、コレクションは6000冊を超えるそう。これらを好きに閲覧できるなんて、いつまででも滞在してしまいそうです。日本のカメラ雑誌のバックナンバーや、雑誌『写真』も陳列されています。持参した、北島敬三写真集『NEW YORK』[新版]と雑誌『写真』Vol.7を寄贈させていただきました。
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カメラ雑誌もずらり |
日本の作家の写真集書架 |
ZINEも所蔵していました(右下BOX)
また2025年9月には、Lightbox主催の新しい写真祭「TIPF台湾国際写真フェスティバル」を開催予定とのこと!
https://lightboxlib.org/tipf?_gl=1*1cxzhpb*_ga
今夏詳細が発表されるそうなので、続報を楽しみに待ちたいです。
- 住所:10647 台北市大安區羅斯福路三段269巷19號
- アクセス:MRT「台電大楼(Taipower Building)」駅より徒歩3分
- 営業時間:14:00~19:00(定休日:月曜、火曜、日曜)
- https://www.lightboxlib.org
3泊4日の旅程で、行きたいところをとにかく詰め込んだPCTチームの台湾遠征でした。時間が足りず、足を運べなかったところもあります。台北以南も行ってみたい、観光地には全く行けなったし、9月の「TIPF台湾国際写真フェスティバル」も行ってみたい…、次に台湾を訪れる機会への楽しみも膨らみます。写真、カメラを愛好するみなさんの、台北訪問の際の参考となればうれしいです。
最後に、台湾のごはんは本当に美味しい。食べると決めていた、ルーロー飯、牛肉麺、小籠包などしっかりいただきました。知人から教えてもらっていたファミリーマートのスイカジュースは、蒸し暑い台湾の気候にぴったりで、流行も納得。暑さ疲れがすっきりさっぱりするので、おすすめです。(亜熱帯化してきた日本でも販売してほしい……。)
PCT 伊藤
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