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日本ではじめて地元のカメラ店が一致団結して開催した中古カメライベント 「元祖!群馬カメラ中古市 2025」突撃レポート! ─6月28日(土)@日本トーターグリーンドーム前橋─

2025/07/10
中村文夫

今年で40回を迎える「元祖カメラ中古市」。「元祖」と名乗る理由は、日本で初めて地元のカメラ店が一致団結して開催した中古カメラ市だから。

 

たとえば東京、大阪をはじめ、大都市のデパートで開催される中古市の大半は、大手中古カメラ店が名を連ねるICS輸入カメラ協会や写真機商振興会などの主催だが、前橋の場合は群馬県写真材料商組合が自ら主催。開催場所の手配に始まり、会場の設営、商品の陳列から会計に至るまで、すべての作業を組合員が担当している。

 

また会場に並ぶ商品のほとんどは組合員が出品。そのため日頃から店で買い取った中古カメラやレンズ、写真用品などは買取業者に処分せず、この日のためにプールしているという。

 

以上のような地道な努力が努力が実を結び、回を重ねるごとに集客は右肩上がり。大都市で開催される中古市に肩を並べる名物イベントに成長した。また最近では前橋の成功に続けとばかり、独自の力で中古カメラ市を開催する真材料商組合が続出。「群馬方式」として、日本全国に広まりつつあるという。

 

 

ポスターに印刷された「元祖カメラ中古市」の「元祖」には深い意味が-----。

 

 

朝早くから会場入口に行列を作る熱心なお客さんたち。

 

 

行列の先頭に並んだ常連さん持参の「マイかご」と水分補給用ペットボトル。この2つは、中古カメラ市の必需品がそうだ。

 

 

オープンと同時に「ジャンク」会場に向かう先頭集団。

 

 

会場は入口に近い方から「アウトレット写真用品」、「中古カメラ&レンズ」、「ジャンク品」の3部屋に別れている。

 

 

「アウトレット写真用品」

 

会場には、ケンコー、ハクバ、ベルボン、マンフロットなどの用品メーカーが出店、カメラバッグ、三脚、額縁など、棚ずれ品や旧製品を中心にお買い得品が多数並ぶ。

 

 


ハクバ写真産業

山積みになった額縁。A4用は1,100円。

 

ケンコー・トキナー

三脚本体のほか、自由雲台、双眼鏡など、小物類が豊富。

 

 

ハクバ写真産業(ベルボン)

お買い得の三脚が林立?

 

 

 

「中古カメラ&レンズ」

 

基本的に点検調整済みで、一ヶ月の修理、返品の保証が付く、いわゆる中古品。カメラ本体のほか、交換レンズ、アクセサリーが大量に並ぶ。

 

デパートの中古市では出展する店ごとにショウーケースが並ぶが、前橋の場合はメーカーごとに商品を並べるスタイル。そのためお客さんは場所を移動することなく、たくさん並んだ商品の中から目的の品を選ぶことができる。また商品が直にテーブルの上に並べてあるので、作動チェックなどが自由にできる。

 

 


オープン前の「中古カメラ&レンズ」部屋。かなり広い会場だが、オープンと同時にお客さんで満杯に

 

 

商品がメーカーごとに展示されているので、効率良く商品が選べる。

 

 

ライカ/ローライ/ハッセルブラッドコーナー

海外ブラインド御三家の製品のほか、ニコンやキヤノンなど、日本製レンジファインダー機や交換レンズが並ぶ。

 

 

ニコンコーナー

カメラボディーは一眼レフやミラーレスなどデジタルカメラが中心。新品で買うと高価な望遠系ズームのお買い得品も多数。

 

 


キヤノンコーナー

カメラボディだけでなく、EOS系の交換レンズがたくさん並んだキヤノンコーナー。

 

 

山積みになった元箱入りキヤノンデジタル一眼レフ。旧製品だが、この値段は魅力的だ。

 

 

ソニー/ミノルタコーナー

デジタル一眼レフと交換レンズが豊富に揃う。

 

大中判カメラコーナー

ペンタックス、マミヤを中心とした品揃え。このほかリンホフなど大判カメラも売られていた。

 

 

コンパクトカメラコーナー

フィルムカメラ入門機として人気の高い35ミリコンパクトカメラ。

 

 

ペンタックス製タクマーを中心にM42マウントを集めたコーナー。標準レンズは5000円台から。望遠レンズなら3000円でお釣りが来る

 

レンズグルメの間で人気の高い、ヤシカブランドのM42マウントレンズ

 

 

カタログ、書籍類コーナーも完備

コレクター垂涎の旧製品のカタログは500円から

 

 

「ジャンク品」

 

開場前、先頭に並んでいた集団が、オープンと同時になだれ込んだのが「ジャンク品」の部屋。

 

写真を見れば分かる通り、数千点に上るジャンクがテーブルの上に山積みに。私も30年近く、あちこちの中古カメラ市を取材してきたが、品数に関しては間違いなく、この前橋が日本一! ただし商品が多すぎてテーブル上の商品が層を成し[ミルフィーユ状態]なのが玉にキズ。掘れども掘れどもお宝が次々と出てきて、まさに[ジャンク地獄]といった様相を呈している。

 

 

テーブルに山積みになった小物類を中心とした大量のジャンク。品数は恐らく1万点オーバー?

 

 


アクセサリーなどの小物のほか、カメラボディ、交換レンズなどは、別のテーブルに並べてあるが、とにかく品数が多いので、一通り見るだけでも、かなりの体力と集中力が必要。

 

 


持参した「マイかご」に商品を次々に放り込む常連さん。

 

 


脇目も振らず、お宝探しに没頭する人たち。

 

 


小物類が山積みになったアクセサリー類のテーブルは、根気よく地層を剥がしてゆくと思わぬお宝が姿を表す。「掘り出し物」とは、まさにこれのこと。

 

 

 

群馬中古カメラ市は他県の組合の羨む存在に

 

群馬県写真材料商組合に加盟する店は、全部で19店。大手量販店の地方展開やネット通販の普及により他県では加盟店減少が問題になっているが、群馬県の場合は心配無用。中古カメラ市の成功が示す通り、組合員の精力的な活動により、他県の組合が羨む存在になっている。

また中古カメラ市のようなセールスイベントだけでなく、「ふるさとぐんまのフォトコンテスト」を1997年から毎年開催するなど、ソフト/ハードの両面から写真文化を支える努力を地道に続けている。

 

 

開場直前の忙しい中、お話を伺った群馬県写真材料商組合の皆さん。

写真左から、(株)ワカイカメラ 若井宏之  組合相談役、(株)モトキカメラ 本木忠美  中古市実行委員長、(株)宮田カメラ 宮田美行 組合長。

 

 

 

 

 

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