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台湾・台北レポート「Photo ONE 2025」編

2025/05/31

ギャラリー街道の小松宗光さんと(写真:佐藤春菜さん)

 

PCTチームは、2025年5月9日から12日の4日間台湾は台北へ遠征してきました。台湾訪問が初めてのスタッフはうきうき。滞在中はあいにくの天候で、蒸し暑かったり肌寒くなったり、どしゃぶりの日も(テレビニュースでは「雨爆弾」との見出し)。

 

台湾の街並みや食事を楽しみつつ、台北で開催された「Photo ONE 2025」の取材をメインに、書店訪問、ギャラリー観覧などなど、現地での様子をレポートします。まずは「Photo ONE 2025」編から!

 

Photo ONE 2025

 

アジアパシフィックアートリンク株式会社が主催する、今回で第2回目となる「Voices」、第3回目となる「Photo ONE 2025」の2つのイベントが、2025年5月8日から12日の期間「華山1914文化創意産業園区(クリエイティブパーク)」で開催。

 

「Voices」は大型彫刻、インスタレーションアート、映像作品などの現代アート作品を展示。「Photo ONE 2025」ではフォトブック・フェア、ポートフォリオ・レビュー、フォト・トークの実施と、今回からの初めての試みとして展示プリント作品を実際に購入できるフォト・フェアが開催されました。

 

会場の華山1914クリエイティブパークは、日本統治時代の酒工場跡地をアート空間にリノベーションした施設とのこと。さまざまなショップが集まった複合施設で(カフェ、ショップ、イベントスペース、映画館、ライブハウスまで!)、若者を中心に家族連れなどたくさんの方が訪れ、会場全体がとても賑わっていました。

 

今回は「Photo ONE 2025」を目的に訪れましたが、華山1914クリエイティブパークへ遊びに行くだけでも一日かけて楽しめそう。台北松山空港からはバスやタクシーで約20分、台北地下鉄MRTでも25分ほど、台北駅からは地下鉄で2駅と、アクセス抜群です。

 

地下鉄やバスでの移動には悠遊カード(Easy Card)がおすすめ。日本でいうSuicaのようなICカードで、コンビニで簡単に購入、チャージができて、いろいろなデザインがあって選ぶのも楽しいです。

 

Photo ONE 2025 会場

 

Voices 展示会場

華山1914クリエイティブパーク

オープニングレセプションの様子

ポートフォリオレビューのレビュアーの皆さん

 

 

Photo Fair

「Photo ONE 2025」では、写真家の沈昭良さんが中心となり、台湾はもちろん海外からも国際的な写真家、批評家、キュレーター、研究者ら32名が招待され、また国内外の出版社、書店、ギャラリー23社が参加。

 

今年から企画されたフォト・フェアは、AKI Gallery(台北)、AN INC.(ソウル)、ARTHIS ART(台中)、Der-Horng Art Gallery(台南)、 Dynasty Gallery(台北)、日本から、冬青社、photographers' gallery、Place Mが出展し、また「Masterpieces: Original Prints by Japanese Masters」として北島敬三、倉田精二、須田一政、瀬戸正人、深瀬昌久、細江英公、森山大道の作品が展示されました。展示されている貴重なヴィンテージプリントは実際に購入可能で、会期2日目には既にいくつかの作品が販売済みとなっていました!

 

Photo Fair 会場

ARTHIS FINE ART(台中)

AN INC.(ソウル)

Masterpieces: Original Prints by Japanese Masters

Place M

Masterpieces: Original Prints by Japanese Masters

photographers' gallery

冬青社

 

Photobook Fair

フォト・フェア会場横に展開されたフォトブック・フェアには、彼岸無限 Beyond Infinity(台北)、IANNBOOKS(ソウル)、Imageless(上海)、光影工房(香港)、moom bookshop(台北)、Mug Publishing(ソウル)、shū hé zhì(台北)、SPRINGBAO(台中)、Thames & Hudson(ロンドン)、未来市(台北)、5A1Art Space(深圳)、日本からは、赤々舎、KAIDO BOOKS、TOTEM POLE PHOTO GALLERY、ZEN FOTO GALLERYの15社が出展。

 

たくさんの来場者がブーススタッフと話しながら、写真集を手に取っていました。スタッフの中には日本語を話せる方も多く、英語ならほとんどのブースで通じるので、日本では見かけない写真集も解説してもらいながら楽しむことができます。そしてスマートフォンの翻訳機能は本当に便利ですね…言語が通じない場合でも、画面を見せ合いながらコミュニケーションを取ればまったく問題なし。お会計はApple Payなどいろいろな電子決済に対応しているので、簡単に買い物を楽しめました。何より、海外の書店、出版社、写真家の方たちとの良い出会いとなりました。

 

初日にはもっと多くの人が訪れていたとのこと。

取材した二日目も大盛況でした。

未來市ブース。未來市のショップは華山1914クリエイティブパークと、台北駅前のNCPIにも実店舗あり。

5A1Art Space(深圳)

IANNBOOKS(ソウル)

彼岸無限(台北)

Imageless(上海)

SPRINGBAO(台中)

Thames&Hudson(ロンドン)

TOTEM POLE PHOTO GALLERYのみなさん、勢ぞろい。

水島貴大さんは取材応対中(中国語がペラペラです)

KAIDO BOOKS

ZEN FOTO GALLERY

 

Photo Talk
Portfolio Review

5月9日、10日の2日間は、フォト・トークとして、Philong SOVAN(カンボジア/Photo Phnom Penh Association 代表)、Natasha EGAN(シカゴ/MoCPエグゼクティブ・ディレクター)、Christine BARTHE(フランス/ケ・ブランリージャック・シラク美術館 写真コレクション担当責任)の3名の特別講演が開催されました。

 

 

ポートフォリオ・レビューでは32名の国内外のレビュアーが、参加作家と交流し受賞者を選出。レビュアーとして、PCTより村上仁一も参加しました。

 

一度にアジアの写真家、ギャラリストや出版社の方々に作品を見せられるまたとない機会に、たくさんの作家が参加。言語に不安があっても通訳の方が常駐するので心配無用です。レビュー参加を考えている方は気軽に申し込むことをおすすめします。現地スタッフのみなさんも、みんな明るくて親切です。

 

東京のphotographers' gallery、Place Mにて写真展を開催する権利が得られる展覧会特別賞も設けられ、最優秀作品賞は黃弘川さんの「The Water Is Wide」が受賞しました。

 

ポートフォリオ・レビュー会場

 

  • ◼️「Photo ONE 2025 Portfolio Review」 受賞者
    ・The Best Portfolio Review Award/最優秀作品賞
    黃弘川「The Water Is Wide」
  •  
  • ・Special Jury Award/審査員特別賞
    李岳凌「伏流」
    吉甌在「記憶-祭壇Alter-Altar」
  •  
  • ・展覧会特別賞
    photographers' gallery 黃郁修
    Place M 林軒朗

 

  • ◼️レビュアー
    Christine BARTHE/伊藤俊治/Natasha EGAN/瀬戸正人/Philong SOVAN/北島敬三/石宰砚/速水惟広/沈昭良/邱志勇/張世倫/Jeong Eun KIM/陳佳琦/小林紀晴/黄亜紀/菅沼比呂志/李威儀/周慶輝/秦偉/李永適/龔卓軍/劉振祥/林楽群/余思穎/沈裕融/侯鵬暉/黄世沢/王瑞棋/高橋国博/大西洋/村上仁一/有元伸也 

 

   

 

 

「Photo ONE 2025」のポートフォリオ・レビューは盛大な授賞式、懇親会を経て閉幕となりました。


ポートフォリオ・レビューの展覧会特別賞を受賞された黃郁修さん、林軒朗さんの作品をphotographers' gallery、Place Mで観覧できるのが楽しみです。そしてこれだけのイベントを取りまとめ、会場を精力的にまわる沈昭良さんに脱帽(滞在中大変お世話になりました!)。台北市美術館では、沈さんの作品も拝見できました。

 

台北市立美術館での沈昭良さんの作品展示

 

「Photo ONE 2025」総括の沈昭良さん

 

また台湾滞在中、台湾発の写真雑誌『Voice of Photography 攝影之聲』の発行人・編集人の李威儀さんとともに書店を巡る機会にも恵まれました。

 

台北の書店、台北市立美術館やギャラリー訪問の模様は次回ご紹介します!

 

PCT 伊藤

 

 

 

 

 

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