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日本随一の“音”と“映像”と“通信”のプロフェッショナル展「Inter BEE(インタービー)2025」レポート@幕張メッセ

2025/11/29
曽根原 昇

日本随一の音と映像と通信のプロフェッショナル展「Inter BEE(インタービー)2025」が、11月19日(水)から21日(金)まで幕張メッセで開催された。
 
映像にかかわる多くの出展社が最先端技術を披露する展示会なのだが、デジタルカメラも動画機能が当たり前となり、多彩な映像技術が搭載されている今だからこそ、Inter BEE が発信する情報は写真愛好家にとっても見逃せないはずだ。
 
今回のリポートでは、デジタルカメラや交換レンズを中心に、それらにかかわる新しい発見や知見を紹介していきたい。
 
 

■気になった展示や製品を一挙に紹介
 
●ケンコー・トキナー
SAMYANG(サムヤン)は多くのシネレンズを展示していたが、しっかり静止画向けのレンズも展示してくれているからありがたい。なかでも「LK SAMYANG AF 14-24mm F2.8 FE」と「AF 24-60mm F2.8 FE」は注目の2本。ドイツの名門シュナイダー・クロイツナッハ社とのコラボで誕生した最新鋭のフルサイズ用ズームレンズだ。
 


 

 

積極的にレフレックスレンズを展開するトキナー。なかでも300mm、600mm、900mmという3本の「SZ PRO シリーズ」(APS-Cサイズ用)は、クラウドファンディングで3600%達成したとか。写真の「SZ 900mm PRO Reflex F11 MF CF」は725gという重さで1350mm相当の超望遠なのだから驚き。
 



 
一緒にスリックの新製品「バーチカルビデオヘッド」も展示されていた。簡単な操作で縦位置と横位置を切り換えられる仕組みが面白い。スマートフォンで観る縦位置動画を撮るのに便利という説明だったが、静止画撮影でも重宝しそうだ。
 



 
 
●パナソニック
動画撮影機能も強力なミラーレスカメラを展示していたパナソニック。新製品のフルサイズミラーレスカメラ「LUMIX S1 II」には、スマホアプリの「LUMIX Flow」をインストールしたスマートフォンが接続されていた。「LUMIX Flow」は絵コンテ作成から撮影、データ整理まで一貫してサポートするアプリケーション。スマートフォンを外部モニターとして使うこともできる。
 



 
コンパクトなフルサイズミラーレスカメラ「LUMIX S9」も展示されていた。Inter BEEにエントリーモデルとは少し意外だったが、ラージセンサーによる高画質な動画撮影に挑戦してみたいという人に向けてのことだそう。なるほど、確かに入門としては最適な機種だと思った。
 



 
パナソニックの商品マーケティング担当の安野智樹さんにいろいろとご説明を受けた。動画撮影でも人気の高い「LUMIX GH7」を紹介してもらいながら記念撮影。
 



 
 
●キヤノン
シネカメラ・シネレンズにも力を入れているキヤノンだけに、映像関連の展示は大変に充実したものがあった。
 



 
そんななか、動画撮影入門として注目されていたのが「EOS R50V」。動画のために開発されたミラーレスカメラで、クリエーターが求めるカタチと操作性が凝縮された一台だ。APS-Cサイズセンサーと最新の画像処理エンジン「DIGIC X」を搭載しており、初めて動画に挑戦する人でも高画質な映像を手軽に撮りやすい。
 



 
発売されたばかりの「EOS R6 MarkⅢ」も展示されていた。有効約3250万画素へと高画素化しながら、AF性能や連写性能はしっかり引き継いでいるのが特長だ。CFexpressに対応したことで、高画質な動画記録にも不安がなくなっている。
 



 
 
●富士フイルム
富士フイルムのブースは「GFX ETERNA 55」で一色だった。Inter BEE 2024で発表があり、今年10月に発売された映像制作用カメラであるが、GFXであることからも分かるように、同社の中判デジタルカメラと同じ44mm×33mm(対角55mm)というラージフォーマットセンサーを搭載していることが特長だ。
 



 
「GFX ETERNA 55」の構造が分かる分解展示もされていて、力の入れようが伝わってきた。右下に置かれているのは、かつて富士フイルムが発売していた映画用フィルムの「ETERNA」で、本モデルの名前の由来になっている。Xシリーズ・GFXシリーズのフィルムシミュレーションのひとつでもあるので、ユーザーにとってはお馴染みと言えるだろう。
 



 
 
●ソニー
 大盛況だったソニーブースだったが、展示されているのは放送用・業務用などの本格的なシネカメラ・シネレンズばかりで、ミラーレスカメラの展示はほとんどなかった。残念ではあったが、Inter BEE(国際放送機器展)でソニーとくれば、妥当なことだろう。
 



 
 
●VILTROX
最近よく名前を聞くVILTROX(ビルトロックス)は、「AF 35mm F1.2 LAB」と「AF 85mm F1.4 Pro」の2本を展示していた。フルサイズ対応のAF大口径レンズで、光学性能・操作性・耐久性など全方位的に性能を進化させた最新モデルとのこと。マウントはソニーE。まだ馴染みが深いとは言えないかもしれないが、ぜひ使ってみたくなるレンズだ。
 



 
 
●LAOWA
「LAOWA 180mm F4.5 1.5x Ultra Macro APO」はLAOWA(ラオワ)初のテレマクロレンズ。一見するとフルサイズ対応のAF望遠レンズなのだが、E・Z・EFマウントでは1.5m以内でMFとなり、最大1.5倍の望遠マクロ撮影が可能となる。
 



 
さらにE・Zマウントでは、長いフランジバック分を活用した差し込み式のフィルター枠を備えており、Φ62mmの各種フィルターを使用できる。相変わらず興味深いレンズを提案してくれるLAOWAだった。
 



 
 
●SIGMA
話題の製品が多いシグマだけに、オシャレで小綺麗なブースを構えていたのがまず印象的だった。
 



 
多くのシネレンズをラインナップしているシグマであるが、一般的なミラーレスカメラ用の交換レンズも豊富に展示してくれているのは「さすが!」といったところだった。
 



 
そんな中で、注目を集めていたのが4月に発売された「Sigma BF」。有効約2470万画素のフルサイズセンサーを搭載し、カメラ史上初というアルミ削り出しによる継ぎ目のない真のユニボディ構造が特長だ。動画撮影においてはそれほど前衛的とは言えないカメラだが、Inter BEEでも人気なのは、やはりカメラ自身が魅力を持っているということだろう。
 



 
 
●よしみカメラ
よしみカメラのブースで展示されていた「USB テザー PD ケーブル」が面白い。40cm・3m・5.5m・10mのUSB-Cケーブルがラインナップされ、転送速度は10Gbps〜40Gbpsに対応している。リキッドシリコン製で柔らかく、240W対応のUSB PD急速充電にも対応している。テザー撮影にとって、最新規格に対応した最適なUSBケーブルというわけだ。
 



 
なかでも、今回の一推しは長さ40cmの「テザーワン0.4」。最大40Gbpsの転送速度に対応し、10万回の折り曲げ耐久テストもクリアしている。片側は干渉しにくいL型コネクターが採用されており、いかにも使いやすそうだ。USBケーブルの規格に無頓着になりがちな静止画撮影だが、実は非常に重要なところである。
 

 


 
●ニコン
2024年にRED社をグループに加えたニコンは、ブースの展示も映像制作分野への本格参入を強く打ち出した内容となっていた。
 



 
注目の製品は何と言っても10月に発売されたばかりの「ZR」。REDのカラーサイエンスを取り入れたニコン初のシネマカメラで、シネマカメラ業界をリードしてきたREDの映像表現をそのまま活かせる点が特徴だ。高価なRED機と同等の制作環境を、約30万円という価格帯で実現しているのだから、注目が集まるのも頷けるところだ。
 


 
お話をうかがったニコンイメージングジャパンの小池裕也さん。
 

 


 
●GINICHI
銀一のブースで見つけた CRDBAG(コードバッグ)の「コードポーチ」は、その名の通り、コードやケーブルなどの小物を収納するためのポーチだ。中身の識別が容易で、現場での効率的な機材運用をサポートしてくれる。
 



 
別売りのパッチを組み合わせれば、よりスムーズかつスマートに整理できるようになっている。
 



 
 
●KPI - ケンコー・プロフェショナル・イメージング
幻想的な光の模様を背景に映し出すことのできるdedolightの「EFLECT(エフレクト)」。ちょっと分かりにくいかもしれないが、ミラーボールのようなものと言えばイメージしやすいかもしれない。20×20cmから80×80cmまでのサイズが用意されており、「トロピカル・ブルー」や「ゼブラ」など表面カラーバリエーションも豊富だ。
 



 
ライトを反射させて実演もしていた。ライトとエフレクとの距離を変えるだけで様々な効果が生まれる。また、エフレクトをセットするためのマウントアクセサリーや、持ち運び用の専用バッグなども用意されている。
 


 
 
●SmallRig
カメラケージで有名なSmallRig(スモールリグ)だが、他にも三脚や照明装置などもラインナップしている。今回紹介してもらったのは「SmallRig x Potato Jet TRIBEX CARBON II」という三脚で、X-クラッチ油圧テクノロジーという機構を搭載しておりハンドルを握ってクラッチを切ることで、すべての脚をワンアクションで伸縮できるというもの。本製品はカーボン製だが、低価格な金属製も用意されている。
 



 

 
 


●アガイ商事
アガイ商事のブースでは、G-ka社の「MOTION CONTROL」シリーズ新製品「Camate 150」の実演が行われていた。中国のメーカーだが、ロボットアーム部分には川崎重工の技術が取り入れられているそうだ。写真撮影への応用は難しそうであるものの、その精密で大胆な動きには度肝を抜かれ、心の中では「ロボットがいる!」と叫んでいた。
 

 
 
●LEONALDO HELICOPTERS
驚いたと言えば、一番驚いたのがLEONALDO HELICOPTERSというイタリア企業のブースで、まさかのヘリコプター紹介が行われていたことだ。報道用の大型ヘリコプターの案内をしているとのことで、災害時における有効性や、日本での導入事例なども教えてもらった。それにしても、さすがは国際放送機器展というべきか、スケールの違いを実感させられた。
 



 
 
■まとめ

各社が映像制作の現場に向けて、より幅広いアプローチを取っていることがヒシヒシと感じられた Inter BEE 2025。
 

シネカメラやシネレンズが中心ではあったものの、スチルユーザーに目を向けた展示も結構多く、テザー撮影やアクセサリーの充実など、映像制作と写真撮影の境界にある周辺機材に触れられたのは確かなことだ。
 
メーカーごとの個性もはっきりと表れ、静かに革新を進める企業もあれば、強いメッセージを込めたブース構成で存在感を示した企業もある。それぞれの展示に違った熱量が感じられ、技術の進化と広がりを実感できる有意義なイベントだった。

 

 

  • ■「Inter BEE 2025」概要
    会期:2025年11月19日(水)~21日(金)
    会場:幕張メッセ(千葉市美浜区中瀬2―1)
    入場料:無料(全来場者登録入場制)
    URL:https://www.inter-bee.com/ja/
    [主催]一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)

 

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