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東京目黒のJam Photo Galleryで第33回林忠彦賞受賞記念 鶴巻育子写真展「ALT」が開催

2025/04/27

鶴巻育子「ALT」©Ikuko Tsurumaki

 

東京目黒のJam Photo Galleryで第33回林忠彦賞受賞記念 鶴巻育子写真展「ALT」が開催される。
 
写真家・鶴巻育子が視覚障害者と関わりながら「見ること」について思考を巡らせるプロジェクト「ALT」。東京のキヤノンギャラリーSで開催された展覧会は大きな反響を呼び、第33回林忠彦賞を受賞した。本展では「隣りにいる人」「※写真はイメージです」「見ることとは何か」の3部構成からなる同展覧会のうち、視覚障害者とのコミュニケーションに焦点を当てた「※写真はイメージです」のセクションを展示する。

鶴巻育子メッセージ
​目を使って仕事をする写真家の自分とは対極にある「見えない、見えづらい世界」を覗いて見たい。そんな好奇心から始まったプロジェクトの第二弾が「ALT」です。
 
人は情報の80~90%を視覚から得ていると言われています。取材当初、私はその情報を得ずに生きる視覚障害者の人々の苦労ばかりを想像していました。しかし個人差はあるものの晴眼者となんら変わりない彼らの生き方を目の当たりにし、また「視覚障害」と言っても個人個人異なった見え方で、簡単にカテゴライズできるものではないことを知りました。私は知らず知らずのうちに、先入観や偏見を抱いていた自分に気づきました。彼らと会い対話する時、言葉が最も重要なツールとなります。そこではミスコミュニケーションが生じることもあり、言葉でのやり取りにおける難しさを実感せざるを得ませんでした。しかし当然ですが、それは相手が晴眼者であっても起こり得るものです。私は他者との認識のズレに違和感を抱くより、まずは自分の知らない領域に一歩足を踏み入れてみることを優先しました。すると、私ひとりでは辿り着けなかった気づきやアイディアが浮かび、新しい世界が見えた気がしました。
 
約4年の間に多くの視覚障害者の人々と時間を共有した中で最も興味深かったのは、彼らが頻繁に「みる」という言葉を口にすることでした。私は改めて見ることの意味を考えるようになり、いかに自分の視野が狭いかを思い知る体験をしたのです。目で見ることが全てではない。感じることは見ること。見ることとは何か。
 
「視覚障害者に興味を持ってくれるのが嬉しい」「面白い形で自分たちの世界を表現してもらいたい」など彼らの言葉が支えとなり、この作品を完成することができました。
​​
※ALTとは
alternateの略。代わりのもの、代替え、交互の、他の可能性、他の手段。X(旧Twitter)では「+ALT」ボタンは代替えテキストの略称で、画像の説明を示す用語として使われている。

 

■展覧会情報
第33回林忠彦賞受賞記念 鶴巻育子写真展「ALT」
会期:2025年5月13日(火)~5月25日(日)
時間:12:00〜18:00(日曜17:00まで)
休廊日:月曜日
会場:Jam Photo Gallery 
住所:東京都目黒区目黒2-8-7鈴木ビル2階B号室
 
【関連リンク】
https://www.jamphotogallery.com

展覧会概要

出展者 鶴巻育子
会期 2025年5月13日(火)~5月25日(日)
会場名 Jam Photo Gallery

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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