澤田育久『heterosphere』が刊行された。
2024年にTHE WHITEで展示された「closed circuit 2.0」のステートメントを以下に引用する。
■Statement
立体が四次元体の形を残すためには、立体から離れなければならない。換言すれば、立体は立体の外に出て、立体から離れなければならないのである。
四次元運動の方向は三次元体の中で可能なすべての方向の外部になければならない。
P.D.ウスペンスキー ”ターシャム・オルガヌム”
見えないものを見えるようにすること、見たいものを明快に見えるようにするには、一つの次元にとどまらず二つの次元の往還が必要であるように思う。私はこの閉じた回路の中で対象を要素に分解し、恣意的に解釈して平面上に写真として再構成する。そしてそのイメージを三次元空間に展開し、それをまた撮影し、再生産を繰り返してゆく。
■プロフィール
澤田育久
1970年生まれ。写真家。金村修ワークショップ参加。2012 - 2013 年「The Gallery」、2014
年よりオルタナティブ・スペース「The White」をそれぞれ主宰。澤田はカメラが持つ記録性や機械性を利用して、日常的な視覚で認識されていない、新たなものの見方を発見することを試みています。2011年より継続的に取り組んでいる作品、"closed circuit"では、多くの人が見知っている公共の場所(駅)で撮影された写真を大きくプリントし、展示空間の中で重層的に展示。鑑賞者が写真の間を歩くことでイメージ同士が干渉し、関係性の解体と再構築によってもたらされる新たな風景の発生を試みました。
主な展覧会として、αMプロジェクト2017『鏡と穴-彫刻と写真の界面』vol. 2(キュレー
ター:光田ゆり氏 / 2017 / αM / 東京)、「space / guide / volume」(2021 / CAVEAYUMIGALLERY/ 東京)、1年間にわたる毎月新作による連続展「closed circuit, monthly vol.1- vol12」(The Gallery / 東京)など。2021年『BIENNALE DE L'IMAGE TANGIBLE』(パリ)参加。2017 年に自身のレーベル“The White”より写真集『closed circuit 』刊行、2018年にRONDADEより『substance』刊行。
澤田育久『heterosphere』
サイズ:h310×w210mm
ページ:48ページ
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