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top 本と展示写真集紹介亀山 仁『Burma/Myanmar 戦禍の記憶2019–2024』

亀山 仁『Burma/Myanmar 戦禍の記憶2019–2024』

2025/05/31
髙橋義隆

亀山 仁『Burma/Myanmar 戦禍の記憶2019–2024』が冬青社より刊行された。
 
亀山 仁は2005年からミャンマーを取材し、以来ライフワークのように撮影を続けている。2021年2月1日に軍部によるクーデターにより、民主化へと進んでいたミャンマーは再び軍隊に政権を掌握されてしまい、いまも継続している。
 
亀山はクーデター直後にミャンマーへ向かうが、むろん国内に入ることは出来ず、その周辺を取材した。本書ではタイと接している国境の街メソトを訪れ、この地で店を構える人からミャンマー、タイどちらの通貨も使えることを聞く。いい加減だが、このおおらかさはある意味救いにもなっているのかもしれない。
 
またクーデター以前にミャンマー国内で撮影した写真もあり、太平洋戦争時に侵略した日本軍の遺留品なども撮影している。またこの遺留品のあったティディムという街は2024年5月にミャンマー軍の空爆を受け、街の大半が破壊されたと現地の友人からメッセージが届いたという。
 
2025年3月28日、ミャンマーでマグニチュード7.7の地震が発生し、大規模な被害が発生している。そんな中でもミャンマー軍は抵抗する反対勢力が潜む地域を空爆しているという。この混乱の最中に刊行された本書は、もっともアクチュアルな1冊であり、同時に記録された写真は貴重なものとして見えてくる。
 
■プロフィール
亀山 仁(かめやま・ひとし)
1966年12月東京都生まれ。
一般社団法人ミャンマー祭り理事、推進委員
日本写真協会(PSJ)会員
 
2004年 写真家渡部さとるWorkshop参加
2009年 LabTakeモノクロプリントワークショップ参加
2013年 写真集『Thanaka』出版(冬青社)
2018年 写真集『Myanmar 2005-2017』出版(冬青社)

 

亀山 仁『Burma/Myanmar 戦禍の記憶2019–2024』
出版社:冬青社
発売日:2025年4月14日
ページ数:96ページ
サイズ:269×17×260mm
価格:本体5,000円+税

 

【関連リンク】
https://hitoshi-kameyama.com/web/

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