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「Leitz Phone 3」ライカスマートフォン第3世代機 スペシャルレビュー!

2024/05/13
藤井智弘

ボディが白だったLeitz Phone 2からレザー調のブラックになったLeitz Phone 3。まるでライカQ3のようだ。高級感があり、ライカらしさが伝わってくる精悍なスタイルだ。

 

ライカのスマートフォン、Leitz Phoneの3世代目となるLeitz Phone 3が登場した。Leitz Phone 1、Leitz Phone 2と同様に、シャープ製のスマートフォンをベースにしている。大きさはLeitz Phone 2と同じだが、四隅が丸くなったのが特徴だ。さらにLeitz Phone 2ではボディカラーが白だったのに対し、Leitz Phone 3ではレザー調のブラック仕上げ。また側面にはローレット加工を施して手や指にフィットすると共に、まるでライカのカメラを手にしているような感覚が得られる。

 

側面はローレット加工が施され、滑りにくい。触った感触も、ライカMレンズのフォーカスリングを彷彿させる。

 

スマートフォンとしては大柄ではあるが、丸みのある角やシボ革風の表見、ローレット加工された側面のおかげで手に馴染みやすい。「Leica」が感じられる手触りだ。

 

画面は6.6型の有機EL「Pro IGZO OLED」。大きな画面で視認性はとても高い。カメラ機能も操作しやすく、スムーズな設定が行えた。

 

大きな画面はやはり見やすい。輝度も高く、明るい屋外で快適に操作できた。待ち受け画面にはLFI(LEICA FOTOGRAFIE INTERNATIONAL)の作品が表示される。ここもLeitz Phoneならではの特徴だ。

 

撮像素子には、スマートフォンとしては大型の1型、約4720万画素CMOSセンサーを搭載する。4画素を1画素とするピクセルピニングにより、約1180万画素で記録される。レンズはズミクロンf1.9/19mm ASPH.。ワンタッチで0.7倍(19mm相当)、1倍(24mm相当)、2倍(50mm相当)の切り替えができ、最大6倍までの電子ズームが可能だ。

 

レンズは存在感がある大きさ。カメラ機能にこだわりを持っている様子がうかがえる。

 

金属製のレンズキャップが付属する。レンズの保護はもちろん、カメラらしさがあって楽しい。キャップにも「Leitz」のロゴが入る。

 

シリコン製のケースも付属する。Leitz Phone 3のレザー調の質感や側面のローレット加工は隠れてしまうものの滑りにくい。ここにもLeitzのロゴバッジは付くのが嬉しい。

 

実写した結果は、やはり1型センサーとズミクロンレンズのおかげで解像力が高く、階調も滑らかだ。カメラらしい写りと言える。また高感度にも強く、ISO感度が上がってもノイズが非常に少なく、解像力も落ちない。ここでも1型センサーの強みを実感した。ただデジタルズームは、50mm相当の2倍までは0.7倍、1倍と同様の解像力を持つが、4倍以上は細かい部分が解像しないので「どうしても大きく撮りたい」という状況のみに限定するのがおすすめだ。

 

Leitz Phone 3・写真モード・1倍(24mm相当)・絞りF1.9・1/2400秒・ISOオート(ISO50)・AWB
逆光に輝く木の葉と、壁に映る影を狙った。木の枝や葉をしっかり解像し、建物の階調も豊かだ。スマホを感じさせない画質を持つ。

ブライトフレームをオンにすると、レンジファインダーのライカMシステムのようなブライトフレームが現れる。ライカで写真を撮っているのが実感できる機能だ。1倍と2倍は、ブライトフレーム右上に「24」「50」と表示される。

 

Leitz Phone 3・写真モード・0.7倍(19mm相当)・絞りF1.9・1/6400秒・ISOオート(ISO50)・AWB
ウォーターマークをオンにすると、画面下にLeitzのロゴや撮影データが入る。SNS等に公開したとき、Leitz Phone 3で撮影したことをアピールできる。

写真モードはAIをオンにすると、自動で被写体を認識する。花に近づくと、瞬時に認識した。

 

Leitz Phone 3・写真モード・1倍(24mm相当)・絞りF1.9・1/150秒・ISOオート(ISO50)・AWB
緑地帯に咲いていたツツジをクローズアップ。Leitz Phone 3のAIをオンにすることで、誰でも手軽に本格的な写真が楽しめる。

 

Leitz Phoneシリーズの最も大きな特徴がLEITZ LOOKSだ。ズミルックス28mm、ズミルックス35mm、ノクティルックス50mmの写りが再現できる。大口径レンズの大きなボケがスマホで味わえるのは非常に魅力的だ。さらに絞りF8までのボケコントロールも可能。より本格的な表現ができる。

 

Leitz Phone 3・LEITZ LOOKS・NOCTILUX 50・絞りF1.2(実際の絞りはF1.9)・1/1150秒・ISOオート(ISO50)・AWB
ノクティルックス50mmの絞りF1.2に設定して撮影。スマホとは思えないほど自然で大きなボケが得られた。

 

LEITZ LOOKSには仕上がり設定も選べ、Leitz Phone 2のNONE(ORIGINAL)、BW(MONOCHROME)、CLS(CINEMA CLASSIC)、CNT(CINEMA CONTEMPORARY)の4種類に、Leitz Phone 3はENT(ENHANCED)、VIV(VIVID)の2種類が追加され、6種類になった。ENTはコントラストが高くなり、力強い表現に向いている。そしてVIVは文字通り鮮やかな仕上がり。サードパーティーのアプリを使用することなく、個性的な表現ができる。

 

LEITZ LOOKSはライカを代表する3本の大口径レンズに加え、6種類の仕上がり設定が選べる。ベースモデルのシャープAQUOSシリーズにはない機能だ。

 

Leitz Phone 3・LEITZ LOOKS・ENT・NOCTILUX 50・絞りF1.2(実際の絞りはF1.9)・1/120秒・ISOオート(ISO50)・AWB
ENT(ENHANCED)で撮影した。コントラストが高くなり、並んだボトルがより印象的に仕上がった。

Leitz Phone 3・LEITZ LOOKS・VID・SUMMILUX28・絞りF1.4(実際の絞りはF1.9)・1/550秒・ISOオート(ISO50)・AWB
VID(VIVID)を選択。黄色が鮮やかになり、インパクトのある写真になった。色彩を際立たせたいときに使いたい設定だ。

 

ISO感度やフォーカス、シャッタースピード、露出補正、ホワイトバランスが任意で選択できるマニュアル写真モードも引き続き搭載する。Leitz Phone 3では建物のパース補正ができる「ライカ・パースペクティブ・コントロール」が追加された。広角レンズで建物を撮ると、建物の上部がすぼまって写るが、これを使えば真っすぐに補正できる。建物を歪みなく撮りたい場合に便利な機能だ。

 

「ライカ・パースペクティブ・コントロール」をオンにすると画面に白い枠が現れ、補正した際に写る範囲が示される。

 

Leitz Phone 3・マニュアル写真・絞りF1.9・1/180秒・ISOオート(ISO50)・AWB
通常の撮影状態。見上げて撮っているため、建物の上部がすぼまってしまった。

Leitz Phone 3・マニュアル写真・絞りF1.9・1/180秒・ISOオート(ISO50)・AWB・ライカ・パースペクティブ・コントロール

同じ位置から「ライカ・パースペクティブ・コントロール」をオンにして撮影。パースペクティブ(遠近感)が補正され、真っすぐに写った。

 

ライカQ3を彷彿させるレザー調の本体やローレット加工の側面は、ライカらしい手触りを実感する。そして本格的で多彩な仕上がりが楽しめるLEITZ LOOKSやマニュアル写真モードなど、Leitz Phone 3はより「カメラ」を意識させるスマートフォンだ。マニュアル写真にはRAWも備えるので、アプリやパソコンで仕上がりを細かく追い込むことも可能。画質の良さはもちろん、カメラ機能の豊富さや所有する満足感の高さは、ライカならではと言えるだろう。
 

高級カメラの代表であるライカブランドだと、つい旅行などの特別な日に使うイメージを持つかもしれない。しかしこれはスマートフォン。いつも携帯して、手軽にLeicaの画質で撮影できる。Leitz Phone 3で日常を魅力的に表現しよう。

 

  • Leitz Phone 3
  • ■発売日=2024年4月19日
  • ■取り扱い=ソフトバンク
  • ■仕様
    製品名:Leitz Phone 3(ライツ・フォン・スリー)
    カラー:ライカブラック
    オペレーティングシステム:AndroidTM 14
    サイズ:約77×161 x 9.3 mm(最厚:12.1mm)
    重量 :約209g
    ディスプレイスクリーン:約6.6インチ WUXGA+ (2,730 x 1,260 dot) Pro IGZO OLED
    メインカメラ:
    └有効画素数 約4,720万画素CMOSイメージセンサー
    └絞り値:F1.9[焦点距離:19mm(35mmフォーマット相当)]
    └有効画素数 約190万画素 測距用センサー/14chスペクトルセンサー
    サブカメラ:
    └有効画素数:約1,260万画素CMOSイメージセンサー
    └絞り値:F2.3[焦点距離:27mm(35mmフォーマット相当)]
    CPU:Snapdragon® 8 Gen 2 Mobile Platform 3.18GHz+2.8GHz+2.0Hz Octa core
    メモリ/外部メモリ:ROM 512GB /RAM 12GB/ microSDXC card (最大1TB)
    バッテリー容量:5.000 mAh
    接続端子:イヤホンマイク(3.5φ)/USB-タイプ-C
    Wi-Fi®:IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
    Bluetooth®:Ver. 5.3
    他の特徴:おサイフケータイ® /NFC
    生体認証:指紋認証(Qualcomm ® 3D Sonic Max」)/顔認証(マスク対応)
    防水/防塵:IPX5-IPX8/IP6X
  • https://photoandculture-tokyo.com/contents.php?i=3699

 

【関連リンク】

https://leica-camera.com/ja-JP/world-of-leica/leitz-phone-3

https://www.softbank.jp/mobile/products/smartphone/leitz-phone3/

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