top 本と展示写真集紹介赤城耕一『アカギカメラ—偏愛だって、いいじゃない。』

赤城耕一『アカギカメラ—偏愛だって、いいじゃない。』

2024/05/30
髙橋義隆

『アカギカメラ—偏愛だって、いいじゃない。』が刊行された。

 

デジタルカメラのおすすめ情報と最新ニュースをお届けするWebマガジン「デジカメ Watch」にて人気連載中の「アカギカメラ」。写真家・赤城耕一が独自の視点でカメラや写真について捉えたカメラエッセイだ。
 
クスリと笑ってしまうような自虐や皮肉を織り交ぜたスタイルは、業界内でも唯一無二といわれる理由。この連載を写真を織り交ぜたフォトエッセイとして1冊にまとめた。「現行で売られているカメラでダメなものなんかないですよ。」と説く筆者が、カメラ機種の評論ではなく、「人間とカメラの関係」という壮大なるテーマと向き合ったスマホ時代におけるカメラの存在意義の論考になる。本書には連載分のみならず、加筆やギャラリーも加えた充実の書籍となっている。

 

■はじめに
それでも筆者はカメラと戯れる愉しみは、写真制作のモチベーションに繋がると信じています。だから、取り上げた機材で撮影した写真は機材への気持ちと、筆者の気持ちに寄り添った「作例写真」ということになります。
 
依頼仕事の多くは被写体に意味があり、それを撮影することで、被写体の魅力を引き出したり強調したり、広く世間に発信することが目標であって、これは人物でも風景でもモノでも基本的には同じです。
 
ところが、ここに掲載している作例写真は被写体の意味に依存することはありません。カメラとの戯れによって生まれたもの、すなわち筆者の純然たる愉しみと興味によって、生まれたものばかりであります。作例写真は、特別な場所に赴くことなく、本業の撮影仕事の合間や移動中に空いた時間を利用して撮影していますから、繋がりのない場所、日本国中で撮影したり、拙宅や仕事場近くの近所で撮影したものばかりで、自分で見直しても、同じ場所や人物が何度も登場します。
 
飛行機でも電車でも風景でもポートレートでも家族でもご近所でも、自分の好きなものを好きなように撮る。これが写真趣味の愉しみの基本ですが、ここにカメラとの戯れという要素が加わることで、より世界が広がると信じています。

 

赤城耕一『アカギカメラ—偏愛だって、いいじゃない。』

発行:インプレスブックス

発売日:2024年2月21日

仕様:A5判、208ページ
価格:2,200円(本体 2,000円+税10%)

 

【関連リンク】
https://book.impress.co.jp/books/1123101072

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