東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)は2018年より、中堅アーティストを対象とした現代美術の賞「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」を実施している。各回の受賞者は2組で、複数年にわたる支援の最終年に、東京都現代美術館で受賞記念展を開催する。
第4回受賞者のサエボーグと津田道子による本展は、それぞれの個展として「I WAS MADE FOR LOVING YOU」と「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」というタイトルを冠した。隣り合うふたつの展覧会は制作に対する関心もアプローチも大きく異なり、それぞれが独立したものでありながら、展示室内での鑑賞者のふるまいが作品の一部となるという共通点を持っている。鑑賞を通じて自身に向き合うことで、動物も含む他者との関係性や、社会から期待される役割などに目を向けることにもなることだろう。
- ■ サエボーグ「I WAS MADE FOR LVING YOU」
主な表現手段であるラテックスのボディスーツによるパフォーマンスは、回を重ねるごとに内容をさまざまに変容させ、新たなキャラクターを生み出し続けてきた。これまでのパフォーマンスを土台に作り上げる本展では、作品の軸となってきた人間と動物の関係性というテーマの中で、「ケア」の視点に立った作品を発表する。展示室の中では鑑賞者がパフォーマンスの一部となることで、観る側が時として観られる側に回るような、美術館の展覧会の構造を利用した仕掛けを試みる。
■ 津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」
近年強く関心を寄せている「身体性」について追求する中で、自身の幼少期に、ビデオカメラが家に来て最初に撮影されたホームビデオに収められた家族の出来事から着想した新作を中心に、映像装置が組み込まれたインスタレーションを発表する。撮影者の視点がレンズ越しに収められたどこにでもありそうな出来事の再演は、家族という最小単位の社会による、きわめて個人的な記録を起点としながらも、集団の中での人々の立ち位置やシステムへと、その領域を広げていく。
「身体」をひとつの起点とする両者は、作品制作と身体表現の実践を行き来することで、その独自の表現を発展させてきた。会期中には、展示のほか、パフォーマンスなどのプログラムを通じて、展示空間と鑑賞者の身体を架橋するような体験へと誘う。
- ■展覧会情報
サエボーグ「I WAS MADE FOR LOVING YOU」- 津田道子「Life is Delaying 人生はちょっと遅れてくる」
会期:2024年3月30日(土)~7月7日(日)
時間:10:00〜18:00
休廊日:月曜日(4/29、5/6は開館)、4/30、5/7
会場:東京都現代美術館 企画展示室 3F
住所:東京都江東区三好4-1-1
【関連リンク】
https://www.tokyoartsandspace.jp/archive/exhibition/2024/20240330-7271.html
出展者 | サエボーグ、津田道子 |
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会期 | 2024年3月30日(土)~7月7日(日) |
会場名 | 東京都現代美術館 |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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