©Yuki Shimizu
東京・外苑前のLAG(LIVE ART GALLERY)では、1月9日(金)から1月24日(土)まで清水裕貴による個展「海は地下室に眠る」が開催される。本展は、現在千葉県立美術館で開催中の企画展「オランダ×千葉 撮る、物語る ー サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴」(~1月18日)のサテライト展覧会となる。
同展において、清水は明治期の千葉を撮影した徳川昭武の足跡を追い、写真黎明期の光や洋画文化を紐解くインスタレーションを展開している。かつての将軍家当主が、カメラという新しい「眼」で捉えたものが地上の光であるならば、本展「海は地下室に眠る」で試みるのは、地層の奥底へと潜る行為といえる。
展示の核となるのは、同名小説のリサーチで訪れた稲毛の埋立地の風景と、そのフィルムを現地の海水と黴(カビ)で腐食させ、傷や滲みごと焼き付けた作品群だ。かつて軍都として栄え、空襲を経て、戦後の開発によりコンクリートの下へ封印された千葉の記憶。フィルムに化学変化という「痛み」にも似た刺激を与えることは、埋め立てにより2キロ先へ遠のいた波の音や、失われた潮風を呼び覚ますための儀式でもある。
ギャラリーに並ぶのは、変貌した現代の海浜都市と、浸食されたフィルムが描く腐食と再生の風景、そして過去の呼び声に耳を澄ます物語のテキスト。徳川昭武が硝子板に定着させた「明治の光」と対をなす、現代の埋立地に眠る「暗がりの海」の物語。文字と粒子が交錯するこの場所で、過ぎ去った時間が静かに呼吸している。
本展では、千葉県立美術館で開催中の「オランダ×千葉 撮る、物語る ー サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ」展公式図録(刊行:赤々舎、印刷:LIVE ART BOOKS)を販売。また、1月10日(土)には、水戸芸術館現代美術センター学芸員の畑井恵氏を招いてのトークイベントも開催する。
- ■展覧会情報
- 「オランダ×千葉 撮る、物語る―サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴」展 開催記念
- 清水裕貴「海は地下室に眠る」
- 会期:2026年1月9日(金)〜1月24日(土)
- 時間:13:00〜19:00
- 会場:LAG(LIVE ART GALLERY)
- 休廊日:日曜、月曜、祝日
協力:千葉県立美術館、PGI、コンタクト
■トークイベント
登壇者:畑井恵 (水戸芸術館現代美術センター学芸員)、清水裕貴
日時:1月10日(土) 16:30〜18:00
会場:LAG(LIVE ART GALLERY)
料金:500円 ※事前予約制
申込:https://accounts.google.com/ServiceLogin
■書籍情報
図録 『オランダ×千葉 撮る、物語る―サラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴』
発行:株式会社 赤々舎
編集:千葉県立美術館、コンタクト
執筆:清水裕貴、小寺瑛広(松戸市戸定歴史館 研究員)、貝塚健(千葉県立美術館 館長)、廣川暁生、石田彩
翻訳:トライベクトル株式会社、成田八千穂(千葉県立美術館 学芸補助)
アートディレクション:上田英司(シルシ)
デザイン:上田英司、叶野夢(シルシ)
印刷・製本:株式会社 ライブアートブックス
仕様: B5判、224P
本体価格:4,400円(本体4,000円+税)
■プロフィール
清水裕貴(しみず・ゆき)
千葉県生まれ。2007年、武蔵野美術大学映像学科卒業。2011年、第5回写真「1_WALL」グランプリ受賞。2016年、第18回三木淳賞受賞。2017年頃から小説の執筆を始め、2018年、新潮社R18文学賞大賞受賞。土地の歴史や伝承のリサーチをベースにして、写真と言葉を組み合わせて風景を表現している。
主な出版物に、小説「ここは夜の水のほとり」新潮社(2019年)、小説「花盛りの椅子」集英社(2022年)、小説「海は地下室に眠る」KADOKAWA(2023年)、写真集「岸」赤々舎(2023年)がある。
主な個展に「浮上」(PGI、東京、2024)、「眠れば潮」(PURPLE、京都、2023)、「微睡み硝子」(PGI、東京、2022 年)、主なグループ展に、「千葉ゆかりの作家展 百年硝子の海」(千葉市民ギャラリー・いなげ/旧神谷伝兵衛稲毛別荘、2021)、「とある美術館の夏休み」(千葉市美術館、2022)、「MOT アニュアル 2024 こうふくのしま」(東京都現代美術館、2024)がある。
【関連リンク】
https://www.live-art-books.jp/lag/exhibition/yukishimizu/
| 出展者 | 清水裕貴 |
|---|---|
| 会期 | 2026年1月9日(金)〜1月24日(土) |
| 会場名 | LAG(LIVE ART GALLERY) |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。


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