東京新宿のアイデムフォトギャラリーシリウスで第8回「笹本恒子写真賞」受賞記念展 西澤 丞「超現実世界」が開催される。
■第8回笹本恒子写真賞 受賞理由
廃炉作業中の福島第一原子力発電所やJAXA(イプシロンロケット開発と打ち上げ)、大規模地下工事現場など撮影許可がおりにくい場所で長年撮影してきた姿勢と継続性、作品の完成度の高さに対して。
■受賞記念写真展の開催に際して
写真は怖い。そのことに気が付いたのは、いつだっただろうか。写真は、絵や彫刻と違って何も無いところから創造できず、現実にあるものしか写せない。必然的に、撮影者と社会との関わり、撮影者の行動範囲、考え方、そういったものが全て写り込んでしまう。つまらない写真しか撮れないのは、撮影者自身がつまらないから。撮影した本人に突きつけられる、カメラからの冷徹な答えに震えた。何年も悩んだ末、私が見つけた被写体は、「立入禁止」と書かれた扉の向こう側にあった。インフラや科学、工業、エネルギーなど、暮らしを支え、未来を作るための重要な仕事や産業だ。そして重要であるにも関わらず、求人をしても人が集まらない、関係者からの理解を得られないなどの問題を抱えていた。面白い被写体があり、解決すべき問題がある。このことに気がついた時から、私の写真家としての歩みがスタートした。誰に何を伝えるべきなのか?分かりやすさとは?言葉の重要性。いまだに考えなければいけないことは多々あるものの、写真家となってから約20年分の試行錯誤をまとめたのが、この写真展だ。ご覧いただいた皆さまに、何らかの刺激を提供できれば幸いだ。
(出展枚数/カラー作品18枚 予定)
- ■展覧会情報
第8回「笹本恒子写真賞」受賞記念展- 西澤 丞「超現実世界」
会期:2025年12月18日(木)〜12月24日(水)
時間:10:00~18:00(最終日は15:00まで)
休廊日:日曜日、祝日
会場:アイデムフォトギャラリーシリウス
住所:東京都新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F
■プロフィール
西澤 丞(にしざわ じょう)
「見えない仕事を、可視化する。」というコンセプトのもと、大企業から職人さんまで、一般の人が立ち入ることのできない現場を撮影中。コロナ以降は文章にも力を入れ、よりわかりやすい形での発表を行っている。自動車メーカーデザイン室、撮影プロダクション勤務を経て2000年よりフリー。愛知県出身、群馬県在住。
主な著書物
「DEMIURGOS」キヤノンマーケティングジャパン
「福島第一 廃炉の記録」みすず書房
「MEGA-SHIP」太田出版
「鋼鉄地帯」太田出版
「イプシロン・ザ・ロケット」オライリー・ジャパン(共著)
「Build the Future」太田出版
「背景ビジュアル資料3」グラフィック社
「首都高山手トンネル」求龍堂
「Deep Inside」求龍堂
【関連リンク】
https://www.photo-sirius.net/tenji/第8回「笹本恒子写真賞」受賞記念展/
| 出展者 | 西澤 丞 |
|---|---|
| 会期 | 2025年12月18日(木)〜12月24日(水) |
| 会場名 | アイデムフォトギャラリーシリウス |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。


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