田尻 歩『ドキュメンタリー写真を発明し直す リアリズムと集団制作の系譜』がよはく舎より刊行された。
「写真は社会を変えられるか?」
ドキュメンタリー写真やリアリズムは、「客観的事実」を安直に反映するイデオロギー的美学としてしばしば批判されてきた。
本書は、アラン・セクーラやマーサ・ロスラー、中平卓馬ら写真家の創作・批評に加え、フォトリーグや全日本学生写真連盟といった集団の制作や活動をドキュメンタリー形式の再発明と捉え直すことで、ドキュメンタリー写真概念の拡張を試みる。
20世紀の日米を中心に写真家・集団の諸実践を資本主義的近代に対する批判として、当時の社会背景も踏まえながら丁寧に読み解いた、このラディカルなドキュメンタリーとリアリズムの系譜の再発見は、私たちに写真芸術の新たな視点を提示する。
■プロフィール
田尻 歩(たじり・あゆむ)
1988年生まれ。東京理科大学教養教育研究院葛飾キャンパス教養部講師。一橋大学言語社会研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は文化研究、表象文化論。主な論文に、「マーサ・ロスラーにおける社会主義フェミニズムの影響――社会的再生産論の視点からの再解釈」『年報カルチュラル・スタディーズ』(2022年)など。共訳書にオーウェン・ハサリー『緊縮ノスタルジア』(堀之内出版、2021年)など。
田尻 歩『ドキュメンタリー写真を発明し直す リアリズムと集団制作の系譜』
出版社:よはく舎
発売日:2025年6月30日
言語:日本語
仕様:四六版(127×188mm)、384ページ
価格:4,180円(税込)
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