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六本木のタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルムで松岡一哲 「もっと深くて鋭くて、危なくて、たまらなく美しいやつ。 普通じゃないもの。」が開催

2025/08/22

松岡一哲「bird」、2025年、Cプリント © Ittetsu Matsuoka / Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

 

東京六本木のタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルムで、松岡一哲 「もっと深くて鋭くて、危なくて、たまらなく美しいやつ。 普通じゃないもの。」が開催される。
 
今年撮影された作品を中心に、これまで一貫して示してきた自身の写真観を、さらに色濃く反映させた近作約30点を発表する。
 
松岡は、スナップショットで撮影された私写真の系譜に属する作品で知られている。長年愛用しているフィルムカメラ・オリンパス μ(ミュー)で撮影された作品群は、統一された淡い色の色調をまとい、独特の浮遊感を漂わせる。その被写体は旅先で出会った風景や身近な人々、ヌード、そして光漏れにより偶然写り込んだ抽象的なイメージなど、多岐にわたる。
 
視覚言語である写真は、外界のある一瞬を精確に写し取ることで世界を明確に切り取る力を持つ。しかし松岡は、被写体のブレや甘いピント、意図しない露光、現場で起こる予期せぬ事象を積極的に受け入れることで、自身の作品の輪郭を柔らかく保ち、何かを断定するのではなくそっとすくい上げるように世界の一部をやさしく手渡す。さらに、彼の写真には脚光を浴びるものとそうでないものとを分け隔てなく肯定する眼差しが息づいている。見過ごされてしまう場所や、切り取られない部分にも美しさが宿ることを気づかせてくれる。
 
私達は外界と自身の内面を言葉によって表象することで、他者とのコミュニケーションをとるが、その際、大切なニュアンスや周辺的な意味合いが切り捨てられ、鋭く研ぎ澄まされた言葉が時に他者を傷つけてしまうこともある。松岡は写真という非言語メディアを通して世界を独自の視点で捉え、言葉によって形作られた固定観念や価値観を解きほぐし、人や風景の未知なる様相を写し出す。
 

  • ■展覧会情報
    松岡一哲 「もっと深くて鋭くて、危なくて、たまらなく美しいやつ。 普通じゃないもの。」
    会期:2025年9月6日(土)~10月11日(土)
    時間:12:00〜19:00
    休廊日:日曜日、月曜日、祝日
    会場:タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルム
    住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル 2F

 

■プロフィール
松岡一哲(まつおか・いってつ)
1978年岐阜県生まれ。日本大学藝術学部写真学科卒業後。写真家として活動するかたわら、2008年テルメギャラリーを立ち上げ運営。日常の身辺を写真に収めながらも、等価な眼差しで世界を捉え撮影を続ける。主な個展に「マリイ」BOOKMARC(東京、2018年)、「マリイ」森岡書店(東京、2018年)、「Purple Matter」ダイトカイ(東京、2014年)、「やさしいだけ」流浪堂(東京、2014年)「東京 μ粒子」テルメギャラリー(東京、2011年)など。現在は東京を拠点に活動。
 
【関連リンク】
https://www.takaishiigallery.com/jp/archives/35041/

展覧会概要

出展者 松岡一哲
会期 2025年9月6日(土)~10月11日(土)
会場名 タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルム

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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