Tomoki Hirokawa Mt.Moriyoshi, Akita Prefecture, Japan. 2013
東京六本木のギャラリー・アートアンリミテッドで広川智基「雪に浮かぶ」が開催される。
TV番組のポートレート撮影、ファッション、CDジャケット、建築写真など幅広い分野のコマーシャルワークで活躍する写真家・広川智基。⼀⽅で⾃⾝の作品は主にフィルムで撮影し、暗室でのプリントまで⼀貫して⾃ら⼿がけている。
広川智基の視点
写真家・広川智基は何を見ているのか。通常、目から入る情報は脳の中で意識と繋がって対象のあるところに興味を抱き、それを「見ている」と認識するが、それ以外の風景のほとんどは無意識に受け流される。情報として画像が脳に入っても意識にのぼらない部分がほとんどだ。今回の個展では樹氷を撮った「雪に浮かぶ」と、都会の夜を撮った「TOKYO BORDER」という2つのシリーズが並ぶ。樹氷の風景は、この場面に遭遇した人の多くが意識にのぼり、広川も美しい写真として浮かび上がらせることを想定しているように見える。それに対して夜の風景は、ふつう無意識の中に入って気づかないほどの世界だが、そこから広川は独特な空気を見出し、写真というメディアに抽出している。この2つのシリーズを見ても広川の視点が限定されたものではなく、常に風景から受ける感覚に素直に反応していることがわかる。つまり広川智基は型をつくらないから、常に自由である。ゆえに広川智基が今何を見て、これからどこに向かうのか。それが楽しみである。
グラフィックデザイナー 佐藤 卓
本展では、最新写真集の発⾏に合わせ、東北で撮影を続ける表題作《雪に浮かぶ》と、ライフワークとして⽣まれ育った東京をテーマにした《TOKYO BORDER》を特集展⽰する。
- ■展覧会情報
広川智基「雪に浮かぶ」
会期:2025年8月6日(水)~9月13日(土)
時間:13:00〜18:30
休廊日:日曜日、火曜日、祝日
会場:ギャラリー・アートアンリミテッド
住所:東京都港区南青山1-26-4 六本木ダイヤビル3F
■写真集案内
東北の樹氷をテーマに、青く煌めく雪原を画面いっぱいに捉えた、美しく幻想的な一冊。
⾬に濡れた⽊々を映し出した『密⾬』(2020)では、⼒強い樹⽊を妖艶に表現するなど、⾃然が⽣み出す⾵景に独⾃の視点を⾒出してきた広川智基の最新写真集。
広川智基『雪に浮かぶ』
発⾏年:2025年
発行:広川事務所
仕様:182×252mm、ソフトカバー、48ページ
価格:4,400円(税込)
【関連リンク】
http://www.artunlimited.co.jp/current/
出展者 | 広川智基 |
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会期 | 2025年8月6日(水)~9月13日(土) |
会場名 | ギャラリー・アートアンリミテッド |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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