東京銀座のGalleryNayutaで古巻和芳+西村陽一郎「夏に輝く」が開催される。
2000年代から継続してクローズアップのアサガオの花、「The Glory」シリーズを描いている古巻和芳。
古巻和芳
- 以前、朝日を浴びたアサガオを見て、その漏斗状の奥の光に自分が吸い込まれるような気がしたことがありました。
- その印象からThe Gloryシリーズは生まれました。 アサガオは英語でmorning gloryと言います。
- gloryという単語には 神の栄光という意味のほか、 go to glory(=天に召される)のように昇天するニュアンスもあります。 手前の膜から中央に流れこんでいく陥穽状の構造は、こちら側とあちら側、すなわち「永遠」をつなぐ通路のようで、なるほどgloryなのだと思ったのです。
カメラを使わないフォトグラム・スキャングラムの手法で、身近な花を特別な存在へと定着させる西村陽一郎。
西村陽一郎
- 「淡いピンクの花。蔓性の雑草で、公園の植え込みに絡んでいました。薄く柔らかい花弁はしっとりとして、肌に吸い付くような触感」
- —写真集『青い花』より「ヒルガオ」
- ヒルガオ(昼顔)は日本原産の固有種です。花期は初夏から夏。朝、花が咲き、夕方にはそのほとんどがしぼんでしまう、昼間の花です。野原や道端に自生し、古くから人々に愛されていたようです。『万葉集』には「美しい」という意味を表す「容(カオ)」を当て「容花(カオバナ)」として、大伴家持などがヒルガオを詠んだ和歌が、数首収録されています。もちろん全てが、好きな女性を想う恋の歌です。その後、遣唐使が日本にもたらした、朝の間だけ花を咲かせるアサガオ(朝顔)に対してヒルガオ(昼顔)と呼ぶようになったといわれています。つるが絡みながら成長していく姿から、花言葉は「絆」や「優しい愛情」など。その上品で繊細な薄桃色の花は、私に夏の訪れを教えてくれます。
夏へ向かうナユタセレクション。
- ■展覧会情報
古巻和芳+西村陽一郎「夏に輝く」
会期:2025年6月23日(月)〜7月13日(日)
時間:12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
休廊日:水曜日
会場:GalleryNayuta
住所:東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル511号
■プロフィール
古巻和芳(こまき・かずふさ)
1967年宝塚市で呉服屋の息子として生まれる。神戸大学経営学部卒業後、1990年代からノウゼンカヅラやアサガオの花をモチーフとしたペインティング作品を制作。2006年に越後妻有アートトリエンナーレで「繭の家-養蚕プロジェクト」への参加以降は、港都KOBE芸術祭など国内各地の地域芸術祭で土地の「記憶」をテーマにしたサイトスペシフィック作品を発表してきた。近年は、養蚕に縁が深い桑の木を素材に人物像を彫ったことがきっかけとなり、木像彫刻を手がけているほか、詩をモチーフにした言葉の作品も制作している。
西村陽一郎(にしむら・よういちろう)
1967年東京都生まれ。美学校で写真を学び、撮影助手を経て1990年にフリーランスの写真家として独立。カメラを使わない写真技法であるフォトグラムやスキャングラムを中心に、植物や昆虫、鳥の羽、水、ヌードなどをモチーフとした作品を発表している。個展、グループ展多数。2002年より美学校写真工房講師、2012年より東京造形大学写真専攻非常勤講師。神奈川県逗子市在住。
【関連リンク】
https://www.gallerynayuta.com/2025/05/19/古巻和芳-西村陽一郎-夏に輝く/
出展者 | 古巻和芳+西村陽一郎 |
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会期 | 2025年6月23日(月)〜7月13日(日) |
会場名 | Gallery Nayuta |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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