別冊太陽『植田正治 写真するボク』が平凡社より刊行された。
〈砂丘〉シリーズをはじめ、「Ueda-cho(植田調)」という独自のスタイルで新たに国際的注目を集める写真家・植田正治(1913〜2000)。その写真家としての豊かな人生を辿る。
いまも人気の衰えない植田正治。亡くなって4半世紀経つが、そのモダンな作風は古びることなく、今も再発見され、評価され続けている。本書は植田の足跡を辿る1冊となっている。生涯離れることのなかった鳥取の地で、いまも残る貴重な遺品を図版で紹介。そして時系列の流れでこれまでの作品を時代背景とともに解説している。「太陽」という老舗のグラフ雑誌の体裁であるため、写真、テキストともに充実した誌面となっている。植田正治の入門書としても最適だ。
本書の執筆者陣は金丸裕子、北瀬和世、蔦谷典子、植田カコ、増谷和子、佐野史郎、池本喜巳、飯沢耕太郎。そして、植田自身によるエッセイ「小さな声で 私の道はアマチュアの道」が収録されている。元は『カメラ毎日』1977年2月号に掲載されたものだ。
植田は自分をアマチュアカメラマンと自認し、生涯その姿勢を貫いた。確固たる自分のスタイルを崩すことなく、依頼仕事をやんわりと断ってきた。つまり植田は、アマチュアという名のプロフェッショナルであったといえよう。
- 『植田正治 写真するボク』別冊太陽 日本のこころ 325
- 発行日:2025年6月26日
- 発行:平凡社
判型:A4変形(220×290mm)
ページ数:152ページ- 価格:本体2,600円+税
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