『ニセアカシア 十号 時の形』が刊行された。参加メンバーは伊藤龍郎、林誠治、松本孝一、岬たく、やしやし。2025年4月に開催されたKG+の展示にあわせて制作された。
ニセアカシア発行所は、写真家・須田一政が主宰したワークショップ「須田塾」に学んだメンバーを核に、2011年から写真同人誌「ニセアカシア」の刊行を中心に活動を続けている。
新刊『ニセアカシア 十号 時の形』では、流れゆく時をかりそめにせき止める写真行為を通し、各々が見出だした〈時の形〉を提示する。
伊藤龍郎は、信仰の対象である島の巨岩に向き合い、太古から積層した時間を現在の視線で切りとる。
林誠治は、引きこもりの時間に見続けた変化の少ない窓の景色に、仄かな詩情を求める。
松本孝一は、日常生活でふと生まれては過ぎ去る出来事を、あえて30分間と限った撮影行為のなかで観察する。
岬たくは、通勤電車の車窓から撮影した写真を後日また別の視点から再構成し、過去時制の物語として語りなおす。
やしやしは、成長する子の姿に母として目を向けるなかで、変化してゆく自身のありようを見つける。
■プロフィール
伊藤龍郎
1956年愛媛県出身。横浜を中心に活動。ニセアカシアの街札幌で写真生活をスタート。写真展「内灘」(nagune)他。
林誠治
1977年愛知県出身。横浜を中心に活動。雑誌「日本カメラ」で写真展評連載(2004年、2006年)。写真作品に「冬の日影に」(日本カメラ2012年9月号)他。写真集『舟祭の宵』(ニセアカシア発行所)。
松本孝一
1976年東京都出身。東京を中心に活動。コニカフォトプレミオ特別賞、富士フォトサロン新人賞奨励賞受賞。写真展「ポケットの中の月」(ニコンサロン)他。清里フォトアートミュージアム作品収蔵。未明編集室に参画。ニセアカシア発行所デザイン・印刷担当。
岬たく
1957年京都府出身。神奈川県茅ヶ崎を中心に活動。60年に亘り写真趣味を続ける。2004年〜2012年須田一政写真塾に参加。写真個展「流星」他。2023年には車に纏わるイラストと写真の二人展。
やしやし
1981年長野県出身。京都を中心に活動。京都在住のライター・編集者。写真集『梅しば』(ニセアカシア発行所)。
『ニセアカシア 十号 時の形』
著者:伊藤龍郎、林誠治、松本孝一、岬たく、やしやし
発行日:2025年4月12日
発行:ニセアカシア発行所
箱サイズ:165mm×120mm、5分冊
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