大塚勉『SITE 埋立地 1971-2024』が刊行された。
千葉県浦安市出身の写真家・大塚勉が、地元浦安の埋立地を1971年から2024年まで半世紀以上にわたり記録した、作家の原点となるシリーズが写真集としてまとめられた。
東京ディズニーランドや高層マンションが建設される前の、かつて漁師町だった遠浅の海を埋め立てた「第一期埋立地」に撮影された、どこまでも続くかのような荒野のイメージは、70年代のニュートポグラフィックスの潮流を感じさせる。大塚は学生時代にこの荒寥とした土地を舞台に、実験映画を制作しており、彼にとっての創作の場としての原風景でもある。
大塚の『TRANS-BODY』(ふげん社、2024)などで知られる「沼現像」のシリーズは、浦安の地が培った、土(泥)と水へのシンパシーが起点にあることも同時に感じられるだろう。このシリーズには、東京の都市発展の歴史と、一人の作家の人生が交錯している。
同じ場所で流れる時間の推移。定点記録が作品として昇華されるのは、写真だけが為せることだろう。
■プロフィール
大塚勉 Tsutomu Otsuka
1951年 千葉県浦安市生まれ
1971年 東京写真大学(現・東京工芸大学)卒業
1969-72年 実験映画制作
- 大塚 勉『SITE 埋立地 1971-2024』
- 発行者:KT/photo
- 寄稿:飯沢耕太郎
デザイン:新矢 光宏
仕様:A4、ハードカバー、120ページ- 定価:5500円(税込)
【関連リンク】
http://blog.livedoor.jp/galleryyocto/archives/43887049.html
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