top ニュースピックアップ日本写真家協会(JPS)、「昭和の写真家ライブラリー」シリーズを公開。第一弾は土門拳

日本写真家協会(JPS)、「昭和の写真家ライブラリー」シリーズを公開。第一弾は土門拳

2025/04/25

日本写真家協会(以下JPS)では、貴重な写真家の業績記録、資料収集を目的として、1970年から1999年まで声と映像による企画「声のライブラリー」を実施してきた。これは写真家本人に直接会って創作活動や写真論などを話した、本人の肉声を収録したものだ。また、1977年から1979年当時のJPS展にあわせて多くの写真家の撮影現場をカラー映像として記録した。現在においてこれらのインタビューや映像に登場した写真家の大半は他界され、再び写真家本人から話しをうかがうことはできない。
 
主に磁気媒体(録音テープ)を使用して記録されたもので、プラスチックやビニールなどによる化石燃料をベースに使用した磁気媒体は経年劣化が著しく、一刻も早いデジタル化、記録媒体の入れ替え作業が必要となった。これらの記録が失われることは、日本の写真文化を後世に遺す上での大きな損失となるために早急な対策が望まれる。そこでJPSは、今回の事業によりこれらの貴重な記録をデジタル化するとともに一般に公開し、アーカイブとして後世に伝えることで、これから写真を学ぶ人たちの学習や教育にも役立てたいと考えた。
 
土門拳や木村伊兵衛、渡辺義雄ら42人の「声のライブラリー」録音の要約(ダイジェスト版)を、その当時の当協会発行の『会報』誌や『JPSニュース』紙に掲載した。2024年には、その該当ページをPDF化した冊子「声のライブラリーダイジェスト版」《後世に残したい写真家のインタビュー記事》を発行し、写真学校を始め、図書館、美術館等の関係団体に贈呈し、既に広く活用している。
 
そして今回、当時の映像をデジタルデータ化した中から、許諾された写真家17人の動画に編集を加えた「昭和の写真家ライブラリー」映像シリーズを製作した。著名な写真家の生の声や撮影現場の状況が伝わる貴著な映像として、JPS公式YouTubeチャンネルに公開する。
 
1回目は土門拳となる。
 

■JPS「昭和の写真家ライブラリーVol.1 土門 拳」
土門拳(どもん・けん1909〜1990)
本動画は、1978年に開催されたJPS展で会場放映するために収録されたものだ。土門拳は山形県酒田市出身の写真家で「写真の鬼」と称された。報道写真家として活躍し、『ヒロシマ』『筑豊のこどもたち』など社会性の高い作品を発表。また、日本の古寺や仏像を撮影した『古寺巡礼』シリーズはライフワークとして知られている。リアリズムを追求し、「絶対非演出」の信念を貫きながら戦後日本を代表する存在となった。彼の作品は現在、酒田市の土門拳記念館に収蔵されている。


 
■今後の公開予定
Vol.2 奈良原一高


Vol.3 細江英公


Vol.4 栗林 慧


Vol.5 渡辺義雄


Vol.6 今井寿恵


Vol.7 岩宮武二


Vol.8 田沼武能


Vol.9 佐藤 明


Vol.10 林 忠彦


Vol.11 髙村 規


Vol.12 田中光常


Vol.13 杉木直也


Vol.14 入江泰吉

Vol.15 佐伯義勝


Vol.16 中村正也


Vol.17 藤井秀樹
 


【関連リンク】
https://www.jps.gr.jp/photographerslibrary-of-showa/
https://www.youtube.com/watch?v=WwxahX7Dz_I

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