深瀬昌久「風狂と風雅 -《私景》をめぐって-」©Masahisa Fukase
東京恵比寿のMEMで深瀬昌久「風狂と風雅 -《私景》をめぐって-」が開催される。
《私景》は、深瀬がカメラを片手に自分自身を入れて様々な場所で撮影したシリーズで、晩年の代表作だ。《私景》は1990年、銀座ニコンサロンで開催された「私景—旅の便り」で初めて展示された。当初パリやロンドン、ブリュッセル、アントワープなどを旅したときの風景を撮影。その後東京の路上を歩き回って撮影するようになる。
1992年、銀座ニコンサロンで《私景》《ブクブク》《ベロベロ》《ヒビ》から450枚あまりのプリントを展示した「私景’92」を開催した。この会期の直後、深瀬は事故による障害により2012年に逝去するまで、長年の入院生活を余儀なくされることになる。
《私景’92》ではコニカビッグミニを使い、ノーファインダーで自分の顔や手、足をフレームにいれて撮影した。その後、銀塩プリントの上から水彩絵の具で着彩、とくには言葉を添えたりして完成させている。プリントの上を縦横無尽に走り回る様々な色のストロークは、現実の風景に自身の内部から放射する衝動を重ね、描いているようにも見える。街の路上や風景を撮影したという意味では80年代に発表された《歩く眼》に近いが、そこに自分の顔など身体が写しこまれているため、「見る-見られる」「撮影者-被写体」の関係が錯綜している。
さらに、着彩するときの身振りが加わることで、幾重にも重なった深瀬の眼差しと身体が見るものを揺さぶる作品群だ。本展では特にこれらの着彩された写真群で展覧会を構成する。
- ■展覧会情報
深瀬昌久「風狂と風雅 -《私景》をめぐって-」
会期:2025年4月5日(土)〜4月27日(日)
時間:13:00〜19:00
休廊日:月曜日(月曜日が祝休日の場合は開廊し、翌平日休廊)
会場:MEM
住所:東京都渋谷区恵比寿1–18–4 NADiff A/P/A/R/T 3F
【関連リンク】
https://mem-inc.jp/2025/03/29/fukase2025/
出展者 | 深瀬昌久 |
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会期 | 2025年4月5日(土)〜4月27日(日) |
会場名 | MEM |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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