top 本と展示展覧会ピックアップ東京六本木のYumiko Chiba Associatesで吉田志穂「ハルシネーション」が開催

東京六本木のYumiko Chiba Associatesで吉田志穂「ハルシネーション」が開催

2025/03/19

吉田志穂「ハルシネーション」©Shiho Yoshida

 

東京六本木のYumiko Chiba Associatesで吉田志穂「ハルシネーション」が開催される。
 
吉田は、第11回写真「1_WALL」グランプリ(2014)、第11回 shiseido art egg 入選(2017)、第46回木村伊兵衛写真賞(2020-21年度)などを受賞しながら活躍の場を広げ、写真表現の可能性を追究してきた。
 
吉田は、デジタル、アナログ双方の、スマートフォンを含むカメラや、複数の印刷ー出力装置や技術、デジタルな画像情報の操作、ネガなどのアナログな画像操作を幾重にも組みあわせ、変形し、増幅させることで、現代において写真とはいかなるメディアなのかを探ってきた作家だ。昨年開催された個展「印刷と幽霊」(BUG)では、オフセット印刷機で複製された膨大な量のイメージを用いて空間を構成した。
 
吉田の作品においてイメージは、カメラ、モニター、印刷機、印画紙を通過することで次第に異形化していく。そこでイメージは、度重なる変容によってイメージならざる怪物的なものへと突き進んでいくようだ。吉田の作品では、そのようなプロセスの総体が、〈写真〉として捉えられているのかもしれない。
 
AIが、現実には存在しない(その意味で幻影的かつ亡霊的な)情報を生成する現象を指す、「ハルシネーション」をタイトルに掲げる今展では、客観的な実在や事実から出発するはずの写真が、亡霊的、幻影的諸相と交差する様が捉えられる。
 
今回の展示は新作と旧作を交えて構成される。

 

■アーティストステートメント
「ハルシネーション(Hallucination)」は、自然言語処理における「AIがもっともらしいが事実とは異なる情報を生成する現象」から引用している。大量の情報を処理する中でAIが“幻覚”を見るのだとすれば、カメラもまた、光を受け取りながらさまざまな「選択」を重ね、ひとつのイメージを生成している点で似た構造を持つのではないか、カメラが見る幻覚はどのような形なのだろうか。写真とは、限りなく真実(理想)に近づけようとする「もっともらしい嘘」を作り上げる行為でもあるように思える。その嘘を、私たちはどのように見ているのだろうか。

 

■展覧会情報
吉田志穂「ハルシネーション」
会期:2025年3月15日(土)~5月10日(土)
時間:12:00〜19:00
休廊日:日曜日、月曜日、祝日
会場:Yumiko Chiba Associates
住所:東京都港区六本木6-4-1 六本木ヒルズ ハリウッドビューティープラザ 3F

 

■トークイベント
吉田志穂 x 久後香純(Ph.D. in Art History, 京都大学人間・環境学研究科 日本学術振興会特別研究員PD)
日時:2025年4月5日(土) 16:00-18:00 (受付開始 15:45)
会場:Yumiko Chiba Associates
定員:20名 ※事前登録予約制
参加費:無料 ※予約方法の詳細は WEB/SNSにて告知
 
【関連リンク】
https://ycassociates.co.jp/exhibitions/2025/03/14/2749/

展覧会概要

出展者 吉田志穂
会期 2025年3月15日(土)~5月10日(土)
会場名 Yumiko Chiba Associates

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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