鈴木達朗『濤声』が刊行された。
大手企業の会社員であった鈴木達朗は2008年に43歳でストリート写真を撮り始めた。国外の数々のコンテストで華々しい活躍を見せ、2013年にPhotoVogueではグランプリを受賞。その翌年、会社を退職し、写真だけに打ち込むようになる。
彼は東京(主に渋谷)をパーソナルドキュメントとして撮影を続け、2020年「軋轢」をテーマに写真集『FrictionTokyo Street』をドイツSteidl社より発表する。コロナ禍の混乱を経た矢先、親しい友人の逝去によって、彼は水を撮り始めた。
”生命”を見い出し、身の回りの水、川、海を執拗に撮影を重ねていく内に、イメージは次第に鮮烈に変容していきた。『濤声』は哀悼や生への賛美、彼の根幹にあるパンク・ロックの精神性が複雑に関わり合い、大きな畝りとなり、押し寄せてくるような作品群だ。とどまるところを知らない水や音楽の流れのような鈴木達朗の新しいパーソナルドキュメントとなっている。
本書とは別に作品資料も同時に刊行されている。
■プロフィール
鈴木達朗(すずき・たつお)
写真家
1965年生まれ、東京都出身。1990年早稲田大学法学部卒。
2008年頃より写真を撮り始める。
2013年にPhotoVogueコンテストでグランプリ受賞、翌年25年営業職として勤務した富士通株式会社を退職し、 写真活動に専念する。
2016年ドイツにあるSteidl社の「Steidl Book Award Japan」グランプリ受賞。2020年同社より「Friction / Tokyo Street」刊行。また、2019年よりZine Tokyo Streets Vol.1-6を刊行し続け、2023年完結した。現在はあらたなプロジェクトBundleにて、写真集を定期的に刊行するべく鋭意撮影中。
2022年より定期的なワークショップの開催も始め、あらたな写真家の育成にも力を注ぐ。ストリート写真Zine、VoidTokyo主宰。ストリート写真を中心としつつも、ポートレート写真、風景写真、自身のルーツでもある音楽を中心としたライブ写真、ミュージシャン撮影等行う。徹底的にモノクロ写真を追求しているのも特徴。
鈴木達朗『濤声』通常版
サイズ:180mm×240mm
製本:ガンダレ製本
ページ数:160ページ
加工:マットPP、銀箔押し
【関連リンク】
https://www.kickstarter.com/projects/tatsuosuzuki/new-book-the-sound-of-waves
PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。