鈴木達朗『Raw Power』が刊行された。2025年4月に東京・高円寺にあるBLANKでの展示にあわせて制作されたZINEである。
2008年、43歳でストリート写真を撮り始めた鈴木達朗は、国内外のコンテストで評価され、2013年にPhotoVogueのグランプリを受賞。翌年には会社を退職し、写真だけに打ち込むようになる。東京の路上をパーソナルドキュメントとして撮影し続け、2020年には「軋轢」をテーマとした写真集『FrictionTokyo Street』をドイツSteidl社より発表した。
その後、コロナ禍の混乱と親しい友人の逝去を経て、彼の視点は都市の喧騒から水へと移り変わり、『濤声-The Sound of Waves』では流動する生命の儚さ、そこに共にある力強さの描写を追い求めた。
そして今回の『Raw Power』は、彼自身の内側からの爆発であり、蓄積され続けた感情の放出でもある。水、波、ポートレート、自然、都市——撮影された時間も場所も異なるこれらのイメージは、鈴木自身の生きてきた軌跡そのものとしてひとつの流れを成し、荒々しくも鮮烈なエネルギーを解き放つ。鈴木達朗の「生」、原初的で、剥き出しの力が写真に込められている。
鈴木達朗『Raw Power』
サイズ:A4サイズ
ページ数:64ページ
仕様:中綴じ、モノクロ
【関連リンク】
https://www.tokyoartbeat.com/events/-/Tatsuo-Suzuki-Raw-Power/blank/2025-04-22
PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。