風間玲子『GLEAM』が刊行された。
風間は、日本国内の洋館を被写体とした作品を制作し続けている。陰影の中にほのかな光が差すことで浮かび上がる手すりや窓枠、ドアノブ、調度品の数々は、かつて住民や利用者たちの日常あるいは特別な瞬間と共にあったもの。
長い時間を経て今もそこに有り続けるそれらは、建築物として美しく佇むだけでなく、厳かさと優しさをもって我々にそっと語りかけてくるようだ。
静寂と温かみのある作品に包み込まれる感覚が楽しめる。
仄暗い古い館には
かすかな光が似合う
周りを包む幾重もの闇に
湿り気を帯びた様々な気配を感じる
愛しさ、悲しみ、喜び、後悔
記憶のかけらは混じり合い
いつしか
透明になってゆく
2025年1月30日〜2月16日 の期間、MONO GRAPHY Camera&Artにて同名展示も開催された。
参考:東京小伝馬町のMONO GRAPHY Camera &Artで風間玲子「GLEAM」が開催
■プロフィール
風間玲子(かざま・れいこ)
東京生まれの東京育ち。医療系の仕事に携わり顕微鏡写真を撮るなどカメラとは馴染みが深い。2017年にリコーのGRと出会い、その独特な描写力に魅了されGRシリーズを使い続けている。歴史や伝統文化に興味を持ち、近年は特に洋館を撮影している。仄暗い建物に差すかすかな光’GLEAM’を頼りに今は主の居なくなった語らない建物やそこを通り過ぎた人々の気配を感じてシャッターを切る。
- 風間玲子『GLEAM』
- 発行:MONO GRAPHY
製本:並製本
印刷:オフセット印刷
ページ:64ページ
サイズ:225mm×195mm
エディション:初版300部限定- 価格:3,300円(税込)
【関連リンク】
https://www.monography.shop/product/glean/979?cs=true&cst=custom
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