小玉真由美「母型」©Mayumi Kodama
ニコンプラザ東京 ニコンサロンで小玉真由美「母型」が開催される。
小玉は、今や古典的とも言える光と影を主題に作家としての活動を開始した。光が影を、影が光をかたどる相補的な作用の中で、情熱を持って様々なバリエーションを生み出している。ただ一方で、世界を総体として把握することの途方もなさに慄くこともあるという。自らの熱量を表現するためには、それを受け入れる形式/鋳型が必要なのではないか。小玉にとってそれが書物だった。
ある日、ふと思い立って本を被写体にしてみた。
モノトーンであることも相まって抽象化された写真からは、本来の意味が徐々に失われ、代わりに別のなにかが浮かび上がってくるようだった。私は、読書とは別の方法で本自体が孕む豊かさを表現できることに気づいた。これらの作品はその過程を記録したものである。
よく見知った、馴染み深いものを手繰るときであっても、写真は、未成の概念を一瞬にして描きだすことがある。それは新たな空間や想像力の母型として機能するのだ。あたかも光と影が共鳴し、互いを生み出すかのように。
私は、被写体が何かというよりも写真となった被写体がどのように知覚されるかに関心を持っており、そこに自由を見ている。
(小玉 真由美)
書物のポートレートとも言える撮影手法から導出される数々のイメージからは撮影者の恣意的な配慮が極力排除され、見るものの想像力を掻き立てる。ただの紙の束が、ある人には流れ落ちる滝に、ある人にはスポットライトへ変貌する。認識のプラットフォームを耕し、新たな概念が育つ母型として写真が機能する瞬間をこそ、小玉は何よりも待ち望んでいる。
- ■展覧会情報
小玉真由美「母型」
会期:2024年12月24日(火)~2025年1月13日(月)
時間:10:30~18:30(最終日は15:00まで)
休館日:日曜日、12月28日~1月5日
会場:ニコンプラザ東京・ニコンサロン
住所:東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階- ■トークイベント「写真になった本」
- なぜこういう写真を撮ろうと思ったか、写真に撮った本を今度は本にするということ、展示と写真集との触れ合い方をゲストと語る。
日時:2024年12月27日(金)16:30~17:30(※16:15~入場受付開始)
会場:ニコンサロン(ニコンプラザ東京内)
登壇者:小玉真由美- ゲスト:芳田 賢明(イメージングディレクター/フォトグラファー/株式会社DNPメディア・アート所属/日本写真芸術専門学校 非常勤講師)
定員:20名(当日先着順、参加費無料)
■写真集紹介
小玉真由美『母型』
発行:asterisk books
発行日:2024年12月2日
デザイン:小玉千陽
翻訳:中田 馨
仕様:260×200mm、96ページ、掲載作品モノクロ44点、並製本+カバー
エディション:300部
定価: 5,000円+税
■プロフィール
小玉真由美(こだま・まゆみ)
1964年 岡山県生まれ
2024年 京都芸術大学美術科写真コース卒業
https://kodamamayumi.com/
【関連リンク】
https://www.nikon-image.com/activity/exhibition/thegallery/events/2024/20241224_ns.html
出展者 | 小玉真由美 |
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会期 | 2024年12月24日(火)~2025年1月13日(月) |
会場名 | ニコンプラザ東京 ニコンサロン/THE GALLERY |
※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。
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