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第15回「高校生デジタルフォトコンテスト」の受賞作品が決定、作品展も開催

2024/12/14

2024年7月22日~9月30日の応募期間で実施した第15回「高校生デジタルフォトコンテスト」。

 

全国からたくさんの応募があり、応募総数1053点という多くの作品の中から、グランプリ以下14作品が決定した。どの作品も「高校生活」というテーマを存分に表現しており、また、非常に個性的で多彩な作品が数多くあり、審査も難航したが、その中から主な受賞作と選評を紹介する。
 
■受賞作品
グランプリ
「夏を分かち合う」
成城高等学校 羽馬 磨洋
高校生活最後の文化祭。一年次から一年以上練習し続け、臨んだライブは大成功を収めた。終演後、ともに音楽の道を走り抜けた仲間たちと分かち合う喜びはひとしおだ。

 

▼審査員コメント
清水哲朗氏
全力でやり遂げた人の表情は濁りもなくキラキラと輝いていますね。パフォーマンスではなく終演後の興奮冷めやらぬ表情や仕草を近距離から広角レンズで狙うところに作者の技術的な巧さを感じましたが、仲間意識や彼らへのリスペクト、労いから結果的にそうなったのかもしれません。同じ輪の中にいるような臨場感描写は文句のつけようもなく、感極まった生徒や左下の手を伸ばす生徒など画面内外でドラマを感じました。名作誕生です。
 
鶴田勇一氏
仲間たちと過ごす、弾けるような一瞬をとらえた多くの応募作品を見て、コロナ禍を経て高校生のみなさんにも日常が戻ってきたことを強く感じました。グランプリ作品もそんな1枚だと思いました。演奏後のバンドメンバーそれぞれの表情が喜びにあふれて、同時に力強く握りあう手 (手前も奥もみえているのがいい) が、仲間と過ごした時間の豊かさを想像させてくれます。物語を感じる作品です。

 

準グランプリ
「あそこにきっと__。」
埼玉県立越谷北高等学校 真﨑 優
部活の合宿で山へ行きました。夜になると吸い込まれそうなほど満点の星空が広がっており、私たちの姿がより小さく、小さく見えました。

 

▼審査員コメント
清水哲朗氏
息を呑むほどに広がる満天の星空と人物を絡め、30秒の長秒露光で見事に活写しています。日頃夜空を見上げることのない人ほど感動は大きかったでしょうが、仲間たちと共有する特別な時間がより感動の感度を上げ、特別な光景として目に焼き付いたかもしれません。合宿や修学旅行などでは些細なことでも面白く感じたり感動したり尊く見えたりしますが、仲間たちと見上げたこの日の星空の美しさは一生忘れないでしょうね。
 
末房志野氏
部活の合宿の夜という青春らしい場面。仲間と過ごした合宿の夜、自然への畏敬と小さな自分を自覚しつつも、大きな夢や希望を抱く高校生らしさを感じさせる作品だ。 見上げる星空の圧倒的なスケールは、青春時代のきらめきとともにこれから続く人生の可能性や未知の世界を象徴しているかのようだ。星空を指さしたその先に、何を見つけたのだろう。人物の後ろ姿が、場面の臨場感を表現している。青春の時間の尊さを静かに訴えかける一枚だ。

 

特別賞
「ぼくたちの季節」
中越高等学校 中山 あいり
秋に青春を楽しんでいる生徒たちの様子を撮影しました。

 

▼審査員コメント
清水哲朗氏
季節感描写、光の捉えかた、画面構成力と写真的に優れた作品です。評価を決定づけたのは人物の躍動感と関係性。「2+1」の別グループに分け、別々の動きで視点を分散させる演出が功を奏しました。個々の仕草や表情を引き立たせる絶妙なシャッタータイミングが近くて遠い関係性やキャラクター描写、見応えにつながりました。点景のように写しながらも人物が主題となる難しいアプローチを決める作者の技術力は極めて高いです。

 

「人生最高ー!!」
沖縄県立浦添工業高等学校 中山 鈴花
清々しく楽しそうに叫ぶ姿、人生何があっても楽しんだもん勝ちだ!

 

▼審査員コメント
菅野幸男氏
満面の笑みと、これ以上は開かないだろう。と思えるほど大きく開いた口をからは、“人生最高-!!”という文字が飛び出してきそうで、審査員の心を鷲づかみにしました。楽しい高校生活をシンプルな画面構成で表現した写真は、見ている側の人をも微笑ませてくれ、この瞬間を切り取った撮影者の技量の高さが伺えます。撮影者がもう少し姿勢を低くし、背景の木の部分を少なく青空を多く入れたら、より一層清々しい写真になったかと思います。

 

▼コンテスト総評
清水哲朗氏
昨年をはるかに超える応募総数1053点(応募者681名)があり、決勝ラウンドに残った作品はどれも傑作揃いで選外にするのが惜しいほどでした。コンテストですので初見のインパクトや爆発力で見る人の気を惹きつけることも大事ですが、臨場感にあふれ、感情を揺さぶる「何か」が写っている作品は想像力を掻き立てるぶん審査員に好印象でした。近年の中でも一線を画す作品が多いと感じたのは視点や表現の幅が広がったこともありますが、人々との交流を意識的に避けなければならなかったここ数年を乗り越え、個人や仲間たちと今現在を目一杯楽しんでいるからでしょう。結果的にそれがコンテストテーマ「高校生活」に相応しい等身大の姿として輝かしく描写され、審査員の心を掴みました。今回応募していただいた作品はどれも将来思い出話に花を咲かせそうな出来事や瞬間、行動が写った貴重な記録です。入選入賞、選外に限らず、データやプリントを大切に保管し、数年数十年後にぜひ思い出の扉を開いていただけたら嬉しいです。時間の限られた高校生活、今後もたくさんの写真を残してください。

 

■展示会
「第15回 高校生デジタルフォトコンテスト 受賞作品展示会」開催
会期:2024年12月19日(木)~2025年1月6日(月)

時間:10:00~18:00(最終日は15:00まで)

休館日:12月24日(火)、12月25日(水)、12月28日(土)~1月3日(金)
会場:OM SYSTEM PLAZA(旧オリンパスプラザ東京)
住所:東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビルB1F
 
【関連リンク】
https://www.neec.ac.jp/contest/photocon/

展覧会概要

会期 2024年12月19日(木)~2025年1月6日(月)
会場名 OM SYSTEM GALLERY

※会期は変更や開催中止になる場合があります。各ギャラリーのWEBサイト等で最新の状況をご確認のうえ、お出かけください。

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